道士下山 RE-2367

作品紹介

公開年月  2015/07/03
ジャンル  アクション/ドラマ
原作  シュー・ハオフォン 『道士下山』
監督  チェン・カイコー
脚本  チェン・カイコー
製作  チェン・ホン
製作国  中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人生を山頂の修道院で過ごし、他を圧倒するほどのカンフーの達人であるハー・アンシァ。
ある日、アンシァは師の言いつけにより初めて山を降り、外の世界を知るべく旅に出た。
そこでアンシァは様々な人間と出会い、そして別れ、数奇な出来事の連続を経て、人生の意味と武術の極意に近づいていくのだった。

登場人物&出演者

ハー・アンシァ(演:ワン・バオチャン)
主人公。道士。生活が苦しい師匠により外界でも生きていけると判断され山を降りる。
ワン・バオチャンは代表作に『ラスト・ソルジャー』、『カンフー・ジャングル』がある。
常に笑顔を絶やさず、親に捨てられた事に対しても一切の恨みを持っていない。
世話になったツイや妻のユーチェンを立て続けに亡くし変えていく。
時間経過があまり感じられない作品のせいで、色々と端折っているから違和感を持つ。
山でずっと修行していたはずなのに、薬剤師として普通に働くという最大の違和感がある。

チョウ・シーユー(演:アーロン・クォック)
パン一門の元弟子。後継者に選ばれるが師匠の息子によって追い出されてしまう。
アーロン・クォックは近年の出演作に『西遊記/孫悟空VS白骨夫人』、『モンキー・マジック/孫悟空誕生』などがあります。
現在では小さな寺院でひっそりと暮らすが、アンシァとの出会いによって運命が変わる。
猿撃術というパン一門の奥義を会得していて、旧友のジャーにも教えている。
復讐を連続させない為に止めようとするが、結局は止められずに泥沼化してしまう。

パン・チェンウー(演:ユン・ワー)
悪役。一番弟子チャオとの果たし合いで敗れるも、跡を継がせない為に騙し討ちをする。
ユン・ワーは近年の出演作に『イップ・マン』、『燃えよ、マッハ拳!』などがあります。
過去に父親から跡継ぎを拒まれた経験を持ち、誰よりも地位にこだわる人物である。
その事もあって、本当の後継者であるチョウに対して憎しみと嫉妬を持つクソ野郎でした。
それでも自分と同じようなダメ息子を一番に思う親心を持っていた。

パンの息子(演:ジェイシー・チャン)
パンの一人息子。パン自身も跡継ぎに選ばれなかったが、それ以上にダメ人間である。
ジェイシー・チャンはジャッキー・チェンの息子だが、薬物所持の容疑で逮捕されている。
中国では薬物による罪は非常に重く、本来なら代役を立てるが、多くのシーンに登場している為にそのまま使われている。
ただ、逮捕されているのでクレジットには名前が載らないという措置を取っている。

ツイ(演:ウェイ・ファン)
下山したアンシァの面倒を見る。先祖代々で薬局を経営。西洋医学を使い手術もしている。
ウェイ・ファンはどうやら本作が映画デビュー作となっています。
実は元道士だが、煩悩に負けて医者になる。ダメ人間の弟に対して甘く何かと心配している。

ユーチェン(演:リン・チーリン)
ツイの妻。ひと目惚れされたツイと結婚して幸せな生活を送っていた。
リン・チーリンは代表作に『レッドクリフ』、『ゴールデン・スパイ』などがあります。
ダオロンと関係を持ち、夫が死んでもその関係をダラダラと続けるビッチだった。
それでも男臭い本作の中では燦然と輝く美しさとスタイルの良さを披露しています。

ダオロン(演:ヴァネス・ユー)
ツイの弟。先祖代々の店を皇帝の指輪で売り払う。ツイの事を疎ましく思っている。
ヴァネス・ユーは代表作に『ドラゴン・スクワッド』、『カンフーシェフ』などがあります。
実はユーチェンと関係を持っていて、何かと金をだまし取ろうとするクソ野郎。

ジャー(演:チャン・チェン)
劇場で人気高い俳優。過去にチョウ・シーユーと戦場で出会って猿撃拳の修行をする。
チャン・チェンは近年の出演作に『ブレイド・マスター』、『グランド・マスター』がある。
チョウ・シーユーの跡を引き継ぐように颯爽と登場してくれています。
中盤ではチョウ・シーユーが静を見せ、終盤ではジャーが動を見せている。

感想

個人的な評価

チェン・カイコー監督による最新作で同名の武侠小説が基となっています。
日本では劇場公開されなかったが、中国では大ヒットした作品です。
近年のカンフー映画は生身のアクションだけに限らず、CGを多用する作品が増えています。
その代表格となる『少林サッカー』を始め、アクションと融合したCGは更なる演出を与えていると思います。
ただ、あまりにもCGを使いすぎて逆に気持ち悪い映像になる作品もあります。
そんな本作は昔ながらのアクションにCGを味つけしたような演出となる。
主人公であるアンシァは捨て子で、道士の寺院で修行し、山を降りて外界で暮らしていく。
山で育っているので、20世紀末を彷彿とさせる中国の文化に馴染めないところがある。
それでも生来の前向きで常にニコニコしている主人公は負けずに生きていきます。
本作は武侠小説を1本の映画に収めているせいか、一つ一つのエピソードが非常に短い。
最初から最後まで登場するの主人公だけで、次々と彼に関わる人物が変わる。
まず元道士の医者、次は一門の跡継ぎだったが裏切られ隠居生活、最後は俳優として活躍する男と、主人公が身を寄せる主が変わる。
その主たちは殺されていくのだが、主人公は悲しむけど、すぐに次へと鞍替えする。
主人公はずっとニコニコしているせいで、悲しみが上辺にしか感じられず、主を簡単に変えてしまう事から軽く感じてしまう。
演じているワン・バオチャンは悪くないが、どうにも主人公のキャラクターが今一つです。
確かに本作は中華圏を代表するスターが出演しているが、短いエピソードのせいで物語へ入り込めないところがある。
まるでダイジェストのような構成と、主人公は物語の中心ではないせいで、中途半端という言葉が最後に思い浮かべてしまった。
結局、主人公は他者の人生を見てきただけで実際に何かをしたというワケではない。
やはり、主人公は物語の中心にいてこそ意味があるので、本作はパッとしない。