パージなナイト/ブラックさん家の史上最悪の12時間 RE-2448

作品紹介

公開年月  2016/04/01
ジャンル  コメディ
原作  なし
監督  デオン・テイラー
脚本  デオン・テイラー、ニコール・デマーシ
製作  ロクサーヌ・アヴェント、デオン・テイラー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ひょんな事から大金を手に入れたカールは、暴力によって崩壊しつつある街シカゴを離れ、家族を連れてセレブが住む安全な街ビバリーヒルズに引っ越した。
ところが、街には「1年に12時間だけ殺人を含むすべての犯罪が合法になる」という法律“パージ”が実行されてしまう。
カールたち一家は安全だと思われた街でまさかのサバイバルに巻き込まれるのだった。

登場人物&出演者

カール・ブラック(演:マイク・エップス)
主人公。配線のプロでなんでも繋げられる。売人が残した大金を手に入れてシカゴを脱出。
カール・ブラックは代表作に『バイオハザード』シリーズ、『ハングオーバー』シリーズなどがあります。
借金を踏み倒して、ビバリーヒルズにある大きな家を購入して人生を再スタートさせる。
金持ちの白人しか住んでいないところで、黒人特有のやり方で完全に浮いている。
パージが始まってから次々と彼を殺そうとする者が来るけど、自業自得だから同情はない。
最後は父親として立派にやって来たという最大のジョークをぶちかますもスベっていました。

ロレーナ(演:ズライ・エナオ)
カールの妻。メキシコ人。ブラック家では浮いた存在で明らかに場違いな設定でした。
ズライ・エナオは代表作に『テイカーズ』、『リベンジャー』などがあります。
なぜメキシコ人の妻という最大の疑問には一切触れないギャグだったのかもしれない。
さすがにラテン系なので、登場した時には意味もなく水着というサービスシーン。
それ以外で子供たちと仲良くしようとする定番の設定もすぐに忘れられる。

アリー(演:ブレシャ・ウェッブ)
カールの娘。若者らしくずっとスマホをいじる。ロレーナを母親と認めていない。
ブレシャ・ウェッブは代表作に『ブラザー・ミッション/ライド・アンロング2』がある。
シカゴにはフリーズという恋人がいたが、ビバリーヒルズに引っ越して離れ離れに。
何かやりそうな雰囲気を持っているが、最後の方ではほぼ空気みたいな存在になった。

ジュニア(演:アレックス・ヘンダーソン)
カールの息子。ヴァンパイア志望。自分の部屋からラジコンで外の様子を見ている。
アレックス・ヘンダーソンは代表作に『クリード/チャンプを継ぐ男』などがあります。
本当の母親とはあまり仲が良くなかったせいか、ロレーナとは意気投合していた。
発明みたいな設定を臭わせる冒頭だったが、それを一切活かす事なく終盤は空気になる。

クローナット(演:リル・デュヴァル)
カールの従兄弟。頭にバンダナを巻いている。駐車違反で服役してギャング気取り。
リル・デュヴァルは代表作に『最終絶叫計画5』などがあります。
刑務所帰りという事で女に飢えており、何かとロレーナをオカズにしている。
カールが隠していた大金とハッパを見つけて盗むが、最後には普通に返している。
何かを起こすようなキャラクターなのに、終盤は他と同じように空気になる。

キー・フロー(演:チャーリー・マーフィ)
ドラッグの売人。シカゴで有名な売人だったが、運悪く警察に捕まって刑務所に行きに。
チャーリー・マーフィはエディ・マーフィの実兄で代表作に『ヴァンパイア・イン・ブルックリン』などがあります。
刑務所から予想以上に早く出所し、パージの夜にカールから自分のモノを取り戻そうとする。
だが、家族を守る為に反撃したカールによって死んだかのような感じで倒れる。
エピローグで実は生きていて、逃げ出したカールを再び追うような素振りを見せる。

見知らぬ人物/ラリー(演:ゲイリー・オーウェン)
カールをビバリーヒルズの物件を紹介して住む事を認可した自治会の現会長。
ゲイリー・オーウェンは代表作に『魔法の恋愛書』、『ベガス流/ヴァージンロードの道』などがあります。
実はカールが黒人であらゆる書類を偽造していた事を知らずに契約してしまった事を悔いる。
パージを利用してカールが過去に借金した人たちを手配して消そうと試みる。
ついにチェーンソーを持って実力行使に出るが、彼を快く思っていなかった夫妻に殺される。

ジェームズ・クラウン(演:マイク・タイソン)
パーティ・レンタル社所属。ジュニアの10歳の誕生日会に雇われるがギャラ未払い。
マイク・タイソンは代表作に『ロッキー・ザ・ファイナル』、『リベンジ・マッチ』などがあります。
ご存じの通り、ヘビー級ボクサーとして史上最強とも言われた生きる伝説です。
現在はボクサーとして事実上引退し、俳優としても時々映画などに出演しています。
そんな本作では完全なるコミカルキャラだが、なんだか楽しそうだったのか良しとしよう。

感想

個人的な評価

本作は2013年に公開された『パージ』というホラー映画のパロディとなっています。
つまり、本家の方を知らないと本作は完全に楽しめるような作品じゃない。
そもそも、自分は『パージ』というホラー映画自体知らなかったです。
どうやら『パージ』は賛否両論の作品だったようで、なぜか続編まで作られている。
一応、主演にはイーサン・ホークが務めていて、それなりの作品だと言える。
それで本作はパロディという事で、当然のようにコメディ映画となっています。
主演のマイク・エップスは個人的に『バイオハザード』シリーズのL.J.役が強く印象に残っていました。
そのノリで本作をやっているようで、さすがはコメディアンという感じでしょう。
ほとんどが黒人ネタで占めており、分かる人には分かるような笑いを提供している。
ただし、元ネタが分からないと面白さが一切なく、自分はずっと真顔で観ていました。
その結果、途中で眠ってしまうほど退屈で、ずっと同じような展開で正直言って飽きる。
頼みのマイク・エップスは黒人ネタだけで他のネタは特に用意していなかった。
あとはパージというルールで様々な登場人物もいるけど、ほぼ出オチで基本的に面白くない。
コメディとして笑えないし、ストーリーも退屈だし、キャラクターも個性がほぼない。
期待値が少し高かったと思うしかないほど、本作はずっと退屈で仕方なかったです。
宣伝にはジェイソン・ボーヒーズが登場すると書いてあるが、エピローグで顔出しする程度で実際に絡んでこない。
あとはカメオ出演でマイク・タイソンが出ているが、彼は楽しんで演技をしていたと思う。
本作には内輪ネタばかりで、黒人以外が楽しめるような作品じゃない点が痛すぎる。
第一、差別用語を並べて自虐を永遠と言われたら、最後まで面白いと思うのだろうか。
製作陣は『パージ』というホラー映画のパロディなんだから、もう少し面白くなっても良かったが、この程度だと二流だと分かります。