作品紹介
公開年月 | 2016/12/03 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | なし |
監督 | スチュワート・ヘンドラー |
脚本 | クリストファー・L・ヨスト |
製作 | ビル・オダウド、ジュリア・ピスター |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
幼い頃、父親が奇妙な事故死をした町へ戻ってきたマックスだったが、突然自分でも制御できないエネルギーが体から放出されるようになる。
予期せぬパワーが次第に大きくなっていき、マックスは手に負えなくなってしまう。
そんな時、ミステリアスな地球外生命体スティールが突然現れ、二人が一体化する事によってパワーを制御する事ができた。
驚異的なパワーを手にしたマックスはスーパーヒーロー“マックス・スティール”となり、父の死に関する秘密を解き明かそうとするのだった。
登場人物&出演者
・マックス・マクグラス(演:ベン・ウィンチェル)
主人公。転入した地元で父親は有名人。何度も引っ越している事に不満を持っている。
ベン・ウィンチェルは代表作に『ラスト・スキャンダル/あるハリウッドスターの禁じられた情事』などがあります。
父親との思い出はないのに、なぜかもの凄い固執を持ち、コンプレックスを抱いている。
なぜかスティールとの融合を頑なに拒み、ようやくマトモに変身するのはラストになります。
そもそもキャラクターとしての印象は、父親に対するコンプレックスしかありません。
・スティール(声:ジョシュ・ブレナー)
シリコン製の生命体。マックスを殺そうとする者から守りに来た地球外生命体。
ジョシュ・ブレナーは代表作に『インターンシップ』、『The Rumperbutts』があります。
マックスの中で生み出される過剰なタキオン・エネルギーを吸収して爆発を阻止する。
登場した時はバディ映画としていい感じになると思ったら、途中でいなくなります。
本作では一番キャラクターが立っていたのに、それをまったく活かそうとしない。
・モリー・マクグラス(演:マリア・ベロ)
マックスの母親。夫を失って以来、8回に渡って引っ越して、マックスに対して過保護。
マリア・ベロは代表作に『フィフス・ウェイブ』、『ライト/オフ』などがあります。
父親であるジムの事はマックスの前では一切話さないが、それには深い理由があった。
Nテック社の株を過半数持っていて、私設軍隊の指揮権があるけど逆にややこしい。
ジムを愛しているけど、上記の行動でかなり怪しい立場にした意味が分からない。
・ソフィア・マルティネス(演:アナ・ビジャファーニェ)
高校転入初日のマックスを車で軽く撥ねる。その縁でいきなりいい感じになっていく。
アナ・ビジャファーニェは代表作に『Dostana』、『Magic City Memoirs』などがあります。
スーパーヒーロー映画に必要なロマンスの為だけに出てきただけの存在でした。
ストーリーに影響を与えるワケでもなく、別にいなくても問題がない残念な使い方。
・マイルズ・エドワーズ博士(演:アンディ・ガルシア)
マックスの父親ジムとは仕事仲間だった。ジムの設立したNテック社を再建し経営する。
アンディ・ガルシアは近年の出演作に『デンジャラス・プラン/裏切りの国境線』、『なりすましアサシン』などがあります。
予定調和の悪役として正体を暴くが、すべてが予想通りの展開で面白味がまったくない。
大御所のアンディ・ガルシアがなぜかこの役を引き受けたのかまったく分かりません。
・ジム・マクグラス(演:マイク・ドイル)
マックスの父親。地元では優秀な人物であり、マイルズとともにNテック社を設立する。
マイク・ドイルは代表作に『グリーン・ランタン』、『インビテーション』などがあります。
実はエイリアンだったが、詳細については一切語られないという謎だらけの存在に。
そもそも、アクション・フィギュア・シリーズが基だからそこまで深い設定がなかった。
感想
個人的な評価
本作は世界的玩具メーカーであるマテル社が1997年に発売したアクション・フィギュア・シリーズが基になっています。
残念ながらフィギュアだった事は知らなかったが、これはG.I.ジョーのような感じだろう。
マテル社では『DCコミック』や『トイ・ストーリー』などのフィギュアも取り扱っている。
なので、本作は子供向けの作品となっているはずだが、なぜか子供が楽しめない内容です。
印象としては出来損ないのサム・ライミ監督版『スパイダーマン』という感じです。
主人公がスーパーヒーローに目覚める過程、安っぽいロマンス、親しい人が一番の悪という構図は完全に『スパイダーマン』の劣化版。
しかも、本題となるスーパーヒーローとしての活躍がなく、あくまで父親を殺した相手に復讐するだけの存在でした。
どの年代層に向けて作られているのか分からないほど、本作はテーマ性を絞っていない。
主人公はエネルギーを発するだけで、簡単に言ってしまえば人間バッテリーという事。
一応、手から出ているタキオン・エネルギーで機械類をオンオフさせるだけです。
あとは相棒となるスティールと協力する事で超人的な身体能力を発揮するが、一人では手からエネルギーを出すだけです。
スパイダーマンのピーター・パーカーは人となりをきちんと描いているが、本作のマックスは単純に父親へのコンプレックスしかない。
それにヒロインの存在は完全にいらないというほど立場がない状態であった。
悪役となる父親の親友は予定調和の悪役だが、母親の立場はかなり微妙になっている。
スーパーヒーロー映画として期待すると肩透かしをくらってしまうぐらい演出が下手です。
結局、本作で必要な人物は主人公、相棒、父親と母親、それと悪役という感じです。
あとはまったくいらないので、ヒロインは本当になんの為に出てきたのか分からない。
本作は映画の冒頭20分ぐらいの内容であり、それを薄く引き延ばしたような印象でした。
そう考えてしまうと、サム・ライミ監督の構成力や演出が上手いのか逆に分かります。
物語はもっと単純にするべきだし、子供向けならば前半のサスペンスは重すぎると思う。
やはり、本作をもっと簡潔に再構築し、アクションを多めに入れるべきだと感じた。