デッド・シティ RE-3274

作品紹介

公開年月  2019/10/31
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  フラビオ・ペドタ
脚本  フラビオ・ペドタ、イェイマル・カブラル
製作  ダビド・フェレイラ、サンティアゴ・オルティス=モナステイリオ、ほか
製作国  ベネズエラ、メキシコ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

妻を亡くした医師のアダムは、新たな生活を始める為に一人息子のミゲルを養父母に託して引っ越しの準備をしていた。
時を同じくして、ベネズエラの首都カラカスに原因不明のウイルスが蔓延し、感染した人々は凶暴化してしまう。
避難キャンプでウイルスの解明をしていたアダムだが、感染者の大群に襲われ壊滅すると、軍の救援で助かって街にいるミゲルを探す事になるのだった。

登場人物&出演者

アダム・ヴァルガス(演:ルーベン・ゲバラ)
主人公。分子医学の第一人者。息子と二人で田舎に暮らす。最愛の妻を末期ガンで亡くす。
ルーベン・ゲバラは代表作に『Crows of Lullaby』、『Angela』などがあります。
妻の両親に息子を一週間預けるが、すぐに街で謎のウイルスが蔓延して状況を知る。
ウイルスの研究をする知り合いとの通話で状況を知り、息子を探し出そうと街へ行く。
隔離施設で手こずるルーシーに助言し、ミゲルを探す為にジョニーたちと別行動する。
最後は輩に襲われるも助けられ、ミゲルの免疫でウイルスが治療して安堵していた。

ジョニー(演:レオニダス・ウルビナ)
アダムの隣に住んでいる農家。妻とともにジャガイモを栽培するも虫害で不作になる。
レオニダス・ウルビナは代表作に『Cyrano Fernández』、『El Silbón: Orígenes』がある。
商品にならないジャガイモのスープをアダムにごちそうして、ミゲルの事を聞いていた。
妻が噛まれて感染しても助けようとするが、ダメだと分かってアダムと行動する。
隔離施設に避難するも襲撃され、アダムに託されてルーシーたちと研究所へ同行する。
最後は輩に襲われているところをタイミング良く助け、ミゲルが助かったと伝えた。

ミゲル・ヴァルガス(演:ルカ・デ・リマ)
アダムの一人息子。母親を亡くしたばかりだが、父親と比べて立ち直りが早い。
ルカ・デ・リマは本作が長編映画デビューとなります。
祖父母の頼みで一週間ほど家に滞在して、その間は寂しい父親の記憶として登場する。
ワニ・ウイルスが蔓延しても状況を理解せず、祖父母たちになんとか隔離されていた。
祖父が感染して祖母も殺され、噛まれてしまうが免疫を持っていたおかげで発症せず。
最後はアダムに助けられ、ジョニーにも救い出され、回復して父親と旅行にでかけた。

ルーシー・ブレイク博士(演:ジェンナ・シャネル・ヘイズ)
WHO(世界保健機関)に所属する。未知のウイルスを研究している施設に派遣されてきた。
ジェンナ・シャネル・ヘイズは代表作に『Charlie’s Farm』、『Goodbye, Tiger』がある。
数時間前に噛まれた感染者を見て説明を受けると、ワニ・ウイルスが原因だと聞かされる。
隔離施設では研究を進めていると、やって来たアダムをカルロスから紹介されていた。
感染者たちに施設が襲撃されてしまうと、アダムたちとなんとか脱出していた。
最後はジョニーと研究所の人たちに助けられ、ミゲルの免疫で治療した事を話していた。

ルイス(演:マグディエル・ゴンザレス)
感染者から逃げているところで、通りかかったアダムたちに助けられていた。
マグディエル・ゴンザレスは代表作に『El desertor』などがあります。
隔離施設を目指す中で感染者を銃で撃ってしまい、追われるもホテルに避難した。
翌日には子供を助けようとして足を折ると、後から来たアダムに応急処置される。
足が折れているせいで弱気になるが、アダムたちの説得で奮い立って施設近くまで来る。
最後は感染者たちの襲撃を受けて逃げられず、そのまま引き下ろされて食い殺された。

カルロス・ニエベス博士(演:ロニー・ノルデンフリュクト)
アダムの友人。未知のウイルスが発生すると、隔離施設に派遣されて研究を進めている。
ロニー・ノルデンフリュクトは代表作に『1888, el extraordinario viaje de la Santa Isabel』などがあります。
感染者を確保して隔離しながら、WHOから来たルーシーにウイルスの説明をしていた。
ジョニーとやって来たアダムを迎えると、研究に手こずっていたルーシーに紹介した。
アダムが息子を探したいと話すが、街は危険な状態だとして引き留めようとした。
最後は施設を脱出して研究所に向かうが、途中で転けて感染者に食い殺されてしまう。

感想

個人的な評価

本作は『シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭』にて正式出品された作品となります。
他にも数多くの映画祭に出品や受賞をしていて、何よりベネズエラ産のゾンビ映画という珍しさがあります。
近年ではブラジルが国際向けの映画に力を入れているが、同じく南米であるベネズエラの映画というのは初めかもしれません。
邦題やジャケットは安直すぎるが、原題も「INFECTION」というストレートなタイトルだからそこら辺のセンスはあまり感じられない。
しかしながら、ベネズエラ映画と言っても王道的なウイルスによるゾンビパニックをしっかりと描いていると思います。
どっちかと言えば、『28日後,,,』のように感染者が元気いっぱいに暴れ回るが、ちゃんと一度死んでから生き返っているのでゾンビ映画の条件はギリギリでクリアしている。
残念ながらカニバリズムはほとんどなく、あくまで感染させる事が目的のような感じなので、やはり『28日後…』に近い雰囲気を持っています。
それにエロを担当するヒロインというのは存在せず、本作はリアリティのある描写に力を入れている事が伝わってきました。
本作のゾンビはモダン型の全力ダッシュしてくるけど、主人公と隣人だけは補正が入っているせいで危機に陥っても助かってしまう。
その代わりとして、彼らが出会って助け合う人たちは面白いぐらいに死んでいき、なんの為に出てきたのか分からないレベルになっている。
こんなに登場人物がポンポン死んでいくのは逆に珍しく、ラストになって冷静になると主人公と隣人の強運はやりすぎだった気がします。
そして、どんなオチに持っていくか気になっていたが、まさかのナレーションに乗せた『宇宙戦争』みたいな展開でガッカリしました。
何より10才以下の子供が都合よく免疫を持っている強引さ、主人公が輩に襲われても助かるなど、結末としてはかなり雑になってしまったと思います。
ですが、エピローグとして感染後の状況を描いているが、これは現在のコロナウイルスに通じるモノがありました。
本作は去年の10月に公開されているが、まさにコロナウイルスがもたらす現状を予言しているようなエピローグは興味深いモノがありました。