作品紹介
公開年月 | 2016/02/05 |
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ジャンル | コメディ |
原作 | なし |
監督 | ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン |
脚本 | ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン |
製作 | ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
1950年代のハリウッド、エディ・マニックスは映画スタジオ内で起こるどんなトラブルにも対応する汚れ仕事の請負人。
そんなエディはワガママなスターたちの尻ぬぐいに追われ、悩み多き日々を送っていた。
ある日、テレビの台頭に危機感を抱いたスタジオでは、命運をかけた歴史スペクタクル超大作「ヘイル、シーザー!」の製作に乗り出す。
ところが撮影中に肝心の主演俳優ウィットロックが誘拐される大事件が起き、そこでエディが解決に動き出すのであった。
登場人物&出演者
・エディ・マニックス(演:ジョシュ・ブローリン)
主人公。映画スタジオで汚れ仕事を請け負う。スタジオを支える縁の下の力持ち的存在。
ジョシュ・ブローリンは近年の出演作に『エベレスト3D』、『ボーダーライン』があります。
スタジオの社長からも絶大な信頼を持ち、問題があれば必ず駆けつける人物です。
ロッキード社からヘッドハンティングされ、転職を考えているところで人生の岐路に立つ。
さすがにジョシュ・ブローリンは演技達者で、個性ある登場人物の中でも埋もれる事なく存在感を出している。
・ベアード・ウィットロック(演:ジョージ・クルーニー)
『ヘイル、シーザー!』の主演。エキストラに睡眠薬を盛られて誘拐される。
ジョージ・クルーニーは近年の出演作に『マネーモンスター』、『トゥモローランド』などがあります。
目を覚ましたらよく分からない場所、よく分からない連中に、よく分からない会議に巻き込まれる。
誘拐されている事を自覚せず、逆に身代金の分け前をもらおうとする強欲すぎる人物。
・ホビー・ドイル(演:アルデン・エーレンライク)
西部劇専門の俳優。銃によるアクションは一流だが、訛りのせいでセリフが与えられない。
アルデン・エーレンライクは代表作に『テトロ/過去を殺した男』、『イノセント・ガーデンなどがあります。
急遽、スタジオの社長による提案でジャンルが違う『我らは踊る』で主演に抜擢される。
ローレンツ監督に厄介者扱いされるも、ベアードが誘拐された事を知って、独自の鋭い見解で犯人像に迫る。
暇つぶしで投げ縄による曲芸を軽くやってみせるなど、カウボーイとしても実力者である。
・ローレンス・ローレンツ(演:レイフ・ファインズ)
クランクインした『我らは踊る』の監督。終始に渡って落ち着き払った態度を取る。
レイフ・ファインズは近年の出演作に『レゴバットマン/ザ・ムービー』、『007/スペクター』などがあります。
明らかに場違いなホビーに対して辛抱強く演技指導するも、上手くいかずにイライラする。
・ディアナ・モラン(演:スカーレット・ヨハンソン)
水シリーズで清純派女優として人気を持つ。二度の離婚を経験している。
スカーレット・ヨハンソンは近年の出演作に『攻殻機動隊』、『ジャングル・ブック』などがあります。
清純派なイメージとは違い、腹にガスが溜まる病気で撮影もままならない。
・ソーラ・サッカー/セサリー・サッカー(演:ティルダ・スウィントン)
双子の姉妹。お互いにジャーナリストをしているが、記事について認め合っていない。
ソーラは姉。ソーラの由来は「1900万読者の信頼」を意味する名前。
セサリーは妹。セサリーの由来は「2000万読者の信頼」を意味する名前。
ティルダ・スウィントンは近年の出演作に『ドクター・ストレンジ』、『胸騒ぎのシチリア』などがあります。
どんな時でもスクープを狙っていて、スターが集まる場所には二人して現れる。
・C・C・カルフーン(演:フランシス・マクドーマンド)
編集技師。スタジオで一目置く存在。真っ暗な部屋でタバコを吸いながら編集作業をする。
フランシス・マクドーマンドは『ファーゴ』でアカデミー主演女優賞、『ミシシッピー・バーニング』と『あの頃のペニー・レインと』と『スタンドアップ』でアカデミー助演女優賞にノミネートされています。
『我らは踊る』の編集作業中にスカーフが機械に巻き込まれて危うく窒息死する。
・バート・ガーニー(演:チャニング・テイタム)
ミュージカル映画で完璧な踊りと歌を披露する。実は共産主義者で家を提供している。
チャニング・テイタムは近年の出演作に『ヘイトフル・エイト』、『ジュピター』がある。
共産主義者として身代金を手にソ連へと亡命するも、飼い犬のせいで金を海に落とす。
・ナタリー(演:ヘザー・ゴールデンハーシュ)
エディの秘書。すべてのスケジュールを管理して息の合ったコンビネーションをみせる。
ヘザー・ゴールデンハーシュは代表作に『スクール・オブ・ロック』、『ヴェニスの商人』などがあります。
決して目立たない存在だが、有能な秘書としてエディに欠かせない重要な人物でした。
・ジョー・シルヴァーマン(演:ジョナ・ヒル)
スタジオが地球上で最も信頼できる男。契約によって必要な時に身代わりとなる人物。
ジョナ・ヒルは代表作に『マネーボール』、『ウルフ・ウォールストリート』があります。
身代わりのプロとして幾度もスタジオの危機を救い、契約通りに実行する男。
何があっても動じる事なく、刑務所にだって服役するほど契約に従う仕事に忠実な人間。
・エキストラ(演:ウェイン・ナイト)
共産主義者たちの手先。彼らの目的であるベアードを誘拐した人物。
ウェイン・ナイトは『ジュラシック・パーク』のネドリーとして有名な俳優です。
撮影現場ではぞんざいな扱いを受けるも、しっかりと自分の役目を果たす。
感想
個人的な評価
本作はジョエル&イーサンのコーエン兄弟が放った最新作。
コーエン兄弟はアカデミー賞、カンヌ国際映画祭では多くの受賞をした実力派です。
現代のハリウッド映画では頂点に立つコーエン兄弟のコメディ映画となります。
時代が1950年代で映画全盛期の時代がテレビの登場によって脅かされる事になる。
そこでテレビに負けない為に、キャピトル・ピクチャーズ・スタジオは莫大な製作費を投じる『ヘイル、シーザー!』を作る事になる。
しかし、その絶対的な主演のベアード・ウィットロックが誘拐されて撮影が滞ってしまう。
それを解決するのがキャピトル・ピクチャーズ・スタジオの汚れ仕事を一手に引き受ける主人公のエディとなります。
エディは何でも屋であるが、スタジオの社長から絶大な信頼を持ち、現場では様々な会議で決断をしていきます。
本作は主役級の出演者が多く登場する中で、エディを演じたジョシュ・ブローリンはさすがの存在を出しています。
名優として登場する『ヘイル、シーザー!』の主役ベアード・ウィットロックをジョージ・クルーニーが演じています。
普通ならジョージ・クルーニーに食われるところだが、ジョシュ・ブローリンはそう簡単に食われるような役者ではない。
確かにこの二人がいれば充分だが、その中に割って入るのが西部劇専門のホビー・ドイルを演じるアルデン・エーレンライクです。
ある意味、誘拐されたベアードの居場所を探り、見つけて連れ出す主人公のような活躍。
そこに脇役として、スカーレット・ヨハンソン、レイフ・ファインズ、フランシス・マクドーマンド、ジョナ・ヒル、ティルダ・スウィントン、チャニング・テイタムが登場しています。
ほとんどがちょい役として登場しているが、きちんとインパクトを残す役となっています。
本作は映画製作スタジオの裏側を垣間見る作品であり、同時に50年代の雰囲気を上手く同調させています。
現代とは違うだろうけど、当時はこのような作り方をしているだけでも面白いと感じた。
更に共産主義と資本主義の対立、ロッキード社と当時起きた出来事も描写している。
ただ、コメディとして笑えるワケじゃなく、ドラマとしても軽く、映画としては中途半端のような印象を受けてしまった。
群像劇なので様々な登場人物が入れ替わり立ち替わりになって場面が飛んでいく。
その中心にエディがいるはずだが、なぜか本題のベアードをホビーが助け出すという展開に。
結局、エディは他の仕事を回すだけで精いっぱいで、ベアードの事は後回しになっている。
ベアードの誘拐をエディがすべて解決すると思っていただけに、何もしなかったのは残念でしかなかった。
豪華なキャストはいいけど、映画としての完成度が落ちてしまうのは仕方ないだろう。