グッドモーニングショー RE-2540

作品紹介

公開年月  2016/10/08
ジャンル  コメディ
原作  なし
監督  君塚良一
脚本  君塚良一
製作  石原隆、市川南
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

朝の情報番組「グッドモーニングショー」でメインキャスターを務める澄田真吾。
澄田は起床して早々に妻と息子、出勤途中でサブキャスターの小川圭子から困った相談を持ちかけられる。
更にプロデューサーからは番組の打ち切りを告げられ、踏んだり蹴ったりの状況に。
そんな時、都内のカフェで人質立てこもり事件が発生し、「グッドモーニングショー」は生放送を開始するも、犯人は「澄田を呼べ」と要求するのだった。

登場人物&出演者

澄田真吾(演:中井貴一)
主人公。グッドモーニングショーのキャスター。過去に現場中継で失敗してトラウマを持つ。
中井貴一は近年の出演作に『嘘八百』、『花戦さ』などがあります。
毎朝の顔としてメインキャスターを務めるが、息子からは仕事をバカにされている。
現場中継に対して断固と拒否するも、立てこもり事件が指名されて仕方なく向かう事に。
終始に渡ってオドオドしていて、キャスターとしてのプライドはあまり感じられない。
最後はワイドショーも立派な番組と口にするが、説得力に欠ける言葉でラストまで微妙。

小川圭子(演:長澤まさみ)
グッドモーニングショーのサブキャスター。澄田に対して一方的な恋愛感情を持っている。
長澤まさみは代表作に『世界の中心で、愛をさけぶ』、『モテキ』などがあります。
彼氏にフラれて慰められた事がきっかけで澄田の愛人と思い込んで暴走する。
シリアスな展開に水を差す役割だが、さすがに最後の方では邪魔になって強制退場。
なんとか最後の見せ場で視聴者に投票を持ちかける案を出すも逆効果を生んだ。
最後は番組を私物化しようとした功績で、バラエティ番組へのオファーを受ける。

三木沙也(演:志田未来)
グッドモーニングショーのサブキャスター。スポーツを担当し、澄田を尊敬している。
志田未来は代表作に『誰も守ってくれない』、『食堂かたつむり』などがあります。
澄田と圭子が不倫関係だと知ってガッカリするも、それは圭子の一方的な片想いと知る。
過去の現場中継で失敗した澄田を横で見ていて、本当の原因を視聴者に向けて話した。
最後まで真面目な態度で報道していた事を評価され、夜の報道番組のオファーを受ける。

石山聡(演:時任三郎)
グッドモーニングショーのプロデューサー。澄田とは同期入社で誰よりも信頼している。
時任三郎は代表作に『海猿』シリーズ、『ハッピーフライト』などがあります。
番組の視聴率が悪く、打ち切りを澄田に伝えるが、なんとかしたい気持ちがある。
現場に行った澄田がオドオドしている時で渇を入れるなど、彼を鼓舞していた。
最後は視聴者の投票を操作して、事件を解決に導くが、それは逆に恐ろしいと感じさせる。
ワイドショーに対して誇りを持っているが、情報操作により説得力が皆無に。

松岡宏二(演:林遣都)
グッドモーニングショーの報道担当ディレクター。報道部の架け橋として奮闘する。
林遣都は代表作に『バッテリー』、『闇金ウシジマくん』などがあります。
常にワイドショーをバカにする報道と板挟みになりながら情報を提供してもらう。
立てこもり事件を最優先してスタジオを走り回り、今回の番組で大きく貢献する事に。

新垣英莉(演:木南晴夏)
グッドモーニングショーの芸能・グルメ担当ディレクター。独占スクープの放送に期待。
木南晴夏は代表作に『20世紀少年』、『HK/変態仮面』などがあります。
番組放送直前のカフェ立てこもり事件で芸能とグルメが飛ばされる事にショックを受ける。
紹介するはずだったケーキが手持ち無沙汰となって、あっちこっちに回すハメに。

府川速人(演:大東駿介)
グッドモーニングショーの中継担当ディレクター。独自に撮影器具を改造している。
大東駿介は代表作に『クローズZERO』シリーズ』、『リアル鬼ごっこ』などがあります。
カフェ立てこもり事件の現場で撮影をして、後からやって来た澄田を出迎える。
改造した小型のカメラを澄田に装着し、中継を最後まで継続させた貢献者の一人。

報道部長(演:小木茂光)
ワイドショーを常に見下していて、架け橋役の松岡に嫌味を言っている。
小木茂光は代表作に『月はどっちに出ている』、『容疑者 室井慎次』などがあります。
カフェ立てこもり事件で主導を取ろうとするも何度も止められる。
ようやく報道部主導で放送を始めたら、視聴者からクレームが入って手を引く事に。

澄田明美(演:吉田羊)
澄田真吾の妻。元女子アナ。澄田を誰よりも理解し、彼に起きる事には冷静に分析する。
吉田羊は代表作に『映画ビリギャル』、『愛を積むひと』などがあります。
息子が恋人を孕ませても落ち着いていて、今後の事を澄田と冷静に話し合おうとする。
最後は不倫が全国に発信されても違うと判断するも、帰ってきた澄田を冷たく出迎えた。
それでも、澄田が真面目に謝罪をした事で仲直りするという良妻賢母ぶりであった。

澄田賢治(演:弥尋)
澄田の息子。大学生。付き合っている恋人を妊娠させ、責任を取って結婚するという。
弥尋は代表作に『シャンティ・デイズ/365日、幸せな呼吸』、『ゆるり』などがあります。
人生を甘く考えていて、育ててもらった恩を仇で返す言葉で父親の仕事をバカにする。
典型的な現代っ子で苦労した経験がない事が如実に伝わる頭の悪いクソガキでした。

西谷颯太(演:濱田岳)
大崎のカフェに立てこもる犯人。なぜかキャスターの澄田を連れて来るよう要求する。
濱田岳は近年の出演作に『本能寺ホテル』、『ヒメアノ~ル』などがあります。
過去に立てこもっているカフェで働いていて、その待遇ぶりに対して不満をこぼしていた。
社会への不平不満が大きくなり、猟銃と時限式の爆弾で立てこもっていた。
最後まで澄田に対して嫌悪感を示し、テレビ番組こそが最大の悪だと主張していた。

黒岩哲人(演:松重豊)
警察官。警視庁特殊班のリーダー。要求された澄田を守りながら犯人との交渉役を務める。
松重豊は近年の出演作に『ミュージアム』、続・深夜食堂』などがあります。
泊まり明けの朝はいつも澄田の番組を見ているという事をさり気なく本人に伝えた。
基本的に棒立ち要員であり、交渉役らしい事は一切しないという珍しい警察官でした。

感想

個人的な評価

本作は第40回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に出品された。
監督と脚本を務める君塚良一はテレビドラマの脚本家として非常に有名です。
映画監督としては本作が四作目となっていて、初のコメディ映画となっています。
中井貴一と君塚良一というタッグなら、それなりに楽しめる作品だと思って期待しました。
結果は、残念ながら思っていたのとまったく違う内容で悪い方に出てしまった。
コメディという事で軽いノリの作品で、超展開に次ぐ超展開で、最後は主人公の武器である言葉でみんなを納得させるという内容を想像していました。
しかし、蓋を開けてみれば、テンポは悪くないけど、盛り上がりに欠ける展開でした。
物語を盛り上げるはずの犯人がギャーギャー騒ぐだけの頭の悪そうな感じのクセに、なぜか時限式の爆弾を作れるような高度な知識を持っているという非現実さ。
そこに来た主人公は武器であるはずの言葉に説得力がなく、彼の周りで起きているサブイベントも盛り上げる役になっていない。
つまり、本作は完全に期待を裏切るような感じで、序盤に散りばめた伏線はどれ一つ取っても盛り上げる事に繋がっていない。
確かに中井貴一を主人公におけば安心感があるけど、それだけじゃ足りない本作のキャラクターに不満があります。
終始オドオドしているが、最後の最後でキッチリと決めてくれるからこそ意味がある。
でも、本作の主人公に説得力はないし、武器の言葉も響く事がなく、ラストの盛り上がりはモヤモヤしたまま終わるという。
本作は結局、生放送のワイドショーはみんな大変というアピールにしか感じられなかった。
バカにされがちなワイドショーは視聴者側に立って頑張っているという主張はハッキリ言って、観ている側からすればどうでもいいです。
それを感じさせる演出と盛り上がりの悪さが目立ってしまい、余計にワイドショーの倫理観を疑うような印象しかなかった。
結果として、ワイドショーは視聴率の為に情報操作を平然とやる悪いイメージを植え付けるだけの逆効果に思えた。
やはり、コメディ映画としてやるならば、もっとバカバカしい構成や流れにして、最後はビシッと決めればいいと思います。
変にワイドショーのプライドを語っても共感する人間はそんなにいるとは思えませんし。
何より共感を呼ぶ為の演出がヘタクソだから、やらなければ良かったとさえ思ってしまう。
本作については、期待していた内容と大きく違っていて、それじゃなくても内容が微妙だったのでかなりガッカリしています。
それでも、個々の役者はみんな上手いので、演出と構成だけが残念の作品でした。