作品紹介
公開年月 | 1977/09/15 |
---|---|
ジャンル | アクション |
原作 | さいとう・たかを 『ゴルゴ13』 |
監督 | 野田幸男 |
脚本 | 中島信昭、杉本功 |
製作 | 俊藤浩滋、杉本直幸、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
同じ殺され方された三人目の死体がビクトリア湾に上がった事で、香港警察の主任刑事スミニーは同一犯とみなして捜査を開始する。
一方、マイアミに居た麻薬シンジケートのボスであるロッキー・ブラウンは、ゴルゴ13に香港支部長の周雷峰の暗殺を依頼した。
実は香港で起きていた殺しは麻薬の横流しをする周の始末をしようとしたブラウンが送った殺し屋を、周に雇われた暗殺集団が返り討ちしているのだった。
登場人物&出演者
・デューク東郷/ゴルゴ13(演:千葉真一)
主人公。殺し屋。国籍は不明で凄腕の狙撃手。7ヶ国語を操り、どんな依頼も確実にこなす。
千葉真一は代表作に『ボディガード牙』シリーズ、『けんか空手』シリーズなどがあります。
マイアミの麻薬シンジケートのボスから香港で麻薬の横流しする周雷峰の暗殺を依頼される。
ターゲットである周雷峰が誰かに殺されると、それは本当の黒幕として探し出す事になる。
石霊島の隠れ家にいるポランスキーの居場所をスミニーに教え、その隙を狙う算段を立てる。
最後はスミニーたちを囮に使い、その隙を突いてヘリで逃げるポランスキーを射殺した。
・スミニー(演:嘉倫)
香港警察の主任刑事。香港で起きた殺人事件や麻薬捜査をして周雷峰が黒幕と突き止める。
嘉倫は代表作に『Tiaohui』、『Si da tian wang』などがあります。
一連の殺人事件に関わっているとしてスミニーにマークされるが、署長たちが捜査を渋る。
潜入捜査した林玲が捕まってしまい、助けようとするが結局は殉職して捜査に力が入る。
周雷峰の殺しをゴルゴだと断定し、東京へやって来たゴルゴを追って留学中の妹と会った。
最後は石霊島でポランスキーの手下と撃ち合いになり、ゴルゴに暗殺の機会を与えてしまう。
・林玲(演:志穂美悦子)
潜入捜査官。スミニー刑事の命令で周雷峰が経営するバーでショーの出演者として潜入。
志穂美悦子は代表作に『女必殺拳』シリーズ、『男はつらいよ/幸福の青い鳥』があります。
周雷峰の周囲で動きがあって、何か掴めそうとして追うがケガを負って捕まってしまう。
その後、周雷峰やその部下から激しい拷問を受け、助けに来たスミニーの前で死んだ。
・紅蘭(演:孫泳恩)
ヒモ男が妹を売ったせいで自殺してしまい、ナイトクラブの外で彼と揉めて射殺した。
孫泳恩は代表作に『Dai heung lei bak min wai fung』、『Da jia le』などがあります。
それを目撃したゴルゴは捜査の為に尋問したスミニーに拾った女だと言って立ち去った。
その後、ポランスキーの手下にケガを負わされたゴルゴを見つけて匿って一夜を共にした。
食事を作ろうと材料を買って帰るが、すでにゴルゴはおらずスミニーに尋問される事に。
・周雷峰(演:林偉琪)
麻薬シンジケート香港支部の支部長。表向きは香港の観光事業をしている実業家で名士。
林偉琪は代表作に『Ma lu xiao ying xiong』、『Xian dai hao fang nu』などがあります。
スミニーに目をつけられてしまうが、地元の名士という事で署長たちは捜査を渋る事に。
ゴルゴに狙われている事を知り、真のボスから別の場所に隠れるよう命令される。
プール開きの式典に参加していたが、そこで真のボスに裏切られて呆気なく殺されてしまう。
・麗花(演:丹娜)
周雷峰の愛人。周の愛人であるが、実は真のボスの愛人。周に対して上辺の愛人を演じる。
丹娜は代表作に『Nu ji zhong ying』、『Wan Zai si tiao nu』などがあります。
周が暗殺され、ナイトクラブに来たゴルゴに目をつけて部屋に連れ込んでベッドインする。
しかし、真のボスから殺しを託されていたが、すでにバレていて逆に殺されてしまう。
・ポランスキー(演:ジェリー伊藤)
ポラーニア領事。周雷峰のナイトクラブで娘がゴルゴを「ドラゴンの目」と話しかけた。
ジェリー伊藤は代表作に『モスラ/19571年版』、『宇宙からのメッセージ』があります。
用事があった東京へ向かったが、そこにはたまたまゴルゴも搭乗して娘が声をかけた。
実は周雷峰の真のボスであり、それまで起きていた殺人事件の首謀者として暗躍していた。
麻薬シンジケートのリストを持っている事で、FBIと取引する事でアメリカへ亡命を企む。
感想
個人的な評価
本作はさいとう・たかをの同名漫画を実写映画化した二作目となります。
一作目はゴルゴのモデルとなった高倉健を主演に迎え、さいとう・たかをの条件を呑んだ東映が製作した作品でした。
しかし、舞台と役者は揃っても漫画の通りに進めてしまったせいで今一つの作品でした。
そんな本作ではさいとう・たかをは本作でノータッチとなり、前作と違う監督と脚本が集められています。
もちろん、主演は当時アクション映画を中心に人気を博していた千葉真一が起用されている。
本作は続編というワケではなく、リブート版と言える作品だが、前作と似たような場面も幾つかありました。
前作に足りなかったゴルゴの重厚感は、顔の濃さで勝っている千葉真一の方が断然雰囲気があったと思います。
それに千葉真一が得意として空手を披露して、狙撃だけじゃなく、素手でも殺せる冷酷非道な一面を見せています。
物語は前作と似たようなストーリー展開であるけど、こっちの方がテンポが良くなっている。
それに世界各地を転々としていて、日本の東京や京都もオマケとして登場させています。
本作は香港警察の麻薬捜査を取り入れているせいもあって、本来のゴルゴよりも香港映画みたいな流れになっています。
そこに主人公であるはずのゴルゴが登場すると、逆に浮いてしまっているような印象でした。
相変わらずゴルゴは一切笑う事はないけど、千葉真一の鋭い目つきは劇中で「ドラゴンの目」と呼ばれるほど説得力はあったと思います。
ただ、本作は生身のアクションが増えているせいで、やはり、本来のゴルゴとは少し違ったような展開となりました。
前作と比べると千葉真一が主演という事で格闘アクションが多くなっているが、高倉健よりは雰囲気があったと思います。
ただし、前作より面白いというワケでもなく、ストーリーも似たような展開だから特に新鮮味はなかった作品でした。