作品紹介
公開年月 | 2014/05/03 |
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ジャンル | ホラー/コメディ |
原作 | なし |
監督 | バンジャマン・ロシェ(前半)、ティエリー・ボワロー(後半) |
脚本 | ニコラ・プフェーイ |
製作 | ラファエル・ロシェ、ジェローム・ヴィダル |
製作国 | フランス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
敵チームのスター選手サムへのライバル心を燃やす男ジャノは、試合前に怪しげな薬を注射した事でゾンビと化してしまう。
そんな中、試合が始まってサムは早々に退場となり、ようやく会場にたどり着いたジャノは彼と入れ違いにピッチへ乱入する。
試合開始時には大観衆で埋まっていたスタジアムはゾンビの群れと化し、退場で一足先に会場を後にしていたサムは街がパニックとなった事を知るのだった。
登場人物&出演者
・サム・ロリ(演:アルバン・ルノワール)
主人公。オランピック・ドゥ・パリのベテラン選手。久々に故郷へ帰るも見向きもされず。
アルバン・ルノワールは代表作に『Les gamins』、『ザ・スクワッド』などがあります。
今回の試合で引退し、故郷に戻って飲食店を開いて子供たちにサッカーを教える夢を持つ。
故郷に帰るがブーイングの嵐で、試合が始まって理不尽な審判を殴って退場してしまう。
ゾンビの襲撃やクレオが娘という事実に直面しながらも、生き残る術を探っていく。
最後は多くゾンビをイドリスとともに引きつけてクレオやソレーヌたち生存者を助ける。
・クレオ(演:ティファニー・ダヴィオ)
ヒロイン。キャプロングの住民。サムに会おうとしている。サッカーには一切の興味がない。
ティファニー・ダヴィオは代表作に『Eyjafjallajökull』などがあります。
実はサムの娘であるが、彼自身、自分が父親になっていたという事はまったく知らない。
最初は女としてサムに近寄るが、突然の告白でサムは完全にパニックとなる。
その後、なかなか母親の事を認めないサムに呆れて、冷たい態度を取ってしまう。
最後はサムが母親を愛していたと知り、ようやく娘として彼を父親として認める事に。
・ソレーヌ・ベランジェ(演:シャルリ・ブリュノ)
オランピック・ドゥ・パリに同行するリポーター。イドリスの密着取材するべく同行した。
シャルリ・ブリュノは代表作に『Ceci est mon corps』、『Dépression et des potes』などがあります。
目当てはスター選手であるディエゴの密着取材だが、契約のせいで何も聞き出せない。
カメラマンにバカにされながらも、住民にインタビューするもサムの悪口ばかり。
ゾンビに襲われてからサムたちがいるバーに入り、その後は一緒に行動するようになる。
気づいたらサムといい感じになっていて、結局はパートナーとしてバーを経営する。
・イドリス・ディエゴ(演:アメッド・シラ)
オランピック・ドゥ・パリの若きスター選手。密着取材に辟易して不機嫌さを見せる。
アメッド・シラは本作が長編映画デビュー作となります。
将来を期待されていて、試合の直前にロンドンのユナイテッド移籍の話しが持ち上がる。
本当のスター選手になると喜び、今回の試合に出る必要性がないとして文句を言う。
ゾンビに襲われるとクベール監督とマルコとともにロッカー室へ逃げるも突破される。
最後はサムとコンビを組んでサッカーをしてゾンビたちを誘導して他の人を逃がす。
・マルコ(演:ブルノ・サロモネ)
オランピック・ドゥ・パリに属するエージェント。イドリスの移籍話を試合前に持ち出す。
ブルノ・サロモネは代表作に『フューチャー・ゲーム』、『パリ猫ディノの夜』があります。
ゾンビに襲撃されてイドリスとクベール監督とともにロッカーに逃げ出していた。
イドリスが金を運んでくる道具としか考えず、彼のヒザがボロボロだと分かって見捨てる。
クベール監督が制裁しようとするも相手にならず、結局はゾンビにゲロをかけられる。
最後はゾンビとなってイドリスに襲いかかるが、蹴りで頭部がもがれてゴールインする。
・クベール(演:パトリック・リガルデ)
オランピック・ドゥ・パリの監督。サムの引退試合を飾ろうとする。韓国の三人組に困惑。
パトリック・リガルデは代表作に『フロンティア』、『ヒットマン』などがあります。
監督としての実力は三流だが、スター選手のイドリスでも他と同じく平等に扱う。
相手チームの選手に襲われてマルコたちに見捨てられるが、なんとか生き残っていた。
挟み撃ちになったマルコを助け出すが、彼がイドリスを見捨てた事に憤慨する。
最後は侵入してきたゾンビたちに囲まれるが、一切臆せず立ち向かうも殺される。
・ミシェル(演:ベノワ・モレ)
キャプロングの住民。コヨーテ団の一人。パリで生まれた事で差別されていた。
ベノワ・モレは本作が長編映画デビュー作となります。
地元の仲間とともに熱烈なサッカーファンで問題を起こす事で有名であった。
ただ、彼自身は気弱で思い切った行動ができず、今回の試合でも何もできなかった。
スタジアムがゾンビだらけとなって仲間に見捨てられるが自力で生き残りイドリスと合流。
最後はテープをスタジアムに流し、ようやくコヨーテ団の一員として認められる。
・ピエール(演:ルノー・ルッタン)
キャプロングの憲兵隊の大尉。フーリガンが大嫌い。コヨーテ団に異様な敵意を持つ。
ルノー・ルッタンは代表作に『ル・ブレ』、『闇を生きる男』などがあります。
村をパトロールしていたところ、コヨーテ団に遭遇して凶暴化した女性で危険を察知する。
実はサムの父親で彼がパリのチームに行ってから絶縁状態となっていた。
戻ってきたサムを許していたが、ゲロの一滴が口に入ってしまいゾンビと化してしまう。
その後、村に平和が戻ってサムがバーを開いた時にゾンビ店員として雇われる。
・ジャノ(演:セバスチャン・ヴァンデンベルグ)
E.J.A.C.のエース。サムに対して異様なライバル心を持つ。試合前に薬を投与される。
セバスチャン・ヴァンデンベルグは代表作に『96時間』、『トランスポーター3』がある。
薬のせいでゾンビ化してしまい、次々と遭遇する人間に口から白いゲロを浴びせていく。
理性はすでに失われており、残っているのはサムに対する怒りだけで村中を走り回る。
過去にサムとは親友同士だったが、彼だけがパリのチームに行った事で恨んでいた。
最後はようやくサムと対面し、親友だと言われて気を許したところでイドリスに殺される。
感想
個人的な評価
本作はフランス製作のゾンビ映画となっています。
ゾンビとサッカーの融合という新たな挑戦をした作品となっています。
サッカーを意識した構成として、本作は前半戦と後半戦に別れ、監督も別々になっている。
前後半に別れるのは分かるが、監督も別々にした意味があると思って期待しました。
しかし、残念ながら監督を別々にした意味はなく、むしろ逆効果になりました。
ゾンビ映画は基本的に90分以内がタイムリミットだが、本作は前後半で合わせて120分という長尺になっています。
しかも、本作は主人公がいるけど、群像劇のようなサイドストーリーも展開させている。
他にゾンビ映画の命であるテンポだが、本作は致命的に恐ろしいほどに悪すぎる。
あまりにも視点が移動するせいでテンポの遅く、物語はなかなか進みません。
それに加え、微妙なコメディを入れているせいで更に遅く感じるという逆効果を生んでいる。
本作のゾンビはメイクがそれなりだが、感染ルートが白いゲロのオリジナル設定です。
ただ、本作はゾンビの定義とちょっとばかり違い、生きている人間が感染して凶暴化する意味で正確にはゾンビ映画とは言い難い。
何よりゾンビ映画の醍醐味であるカニバリズムがほぼなく、噛まれる事より白いゲロをかけられる方にリスクを置いているのも微妙である。
それでも、変なところでスローモーションを取り入れ、ショットガンで頭部を破壊するシーンはなかなか良かったですが。
ゾンビのタイプはモダン型であるが、死んでいないのでゾンビとは違うと思いますが。
全体的にテンポが致命的に悪く、コミカルな演出に面白味がなく、ストーリー性が最初から皆無で退屈な群像劇を展開している。
ゾンビ映画の中でもかなりレベルが低く、せっかくサッカーを取り入れたのに意味がない。
別にラグビーでもいいし、野球でもいいぐらい、サッカーである必要性がまったくない。
一応、舞台はフランスなので一番有名なスポーツであるサッカーを使っているだろう。
こんなにバランスの悪い作品は早々にないが、唯一のスローモーションによる頭部破壊だけが救いとなっています。
タイトルが『ゴール・オブ・ザ・デッド』だが、どっちかと言えば、まだ『サッカー・オブ・ザ・デッド』の方がいいかもしれません。
頭部をゴールさせるシーンはあるけど、オマケすぎてタイトルとして重いと感じました。