王朝の陰謀/判事ディーと人体発火怪奇事件 RE-3087

作品紹介

公開年月  2010/09/29
ジャンル  サスペンス/アクション
原作  ロバート・ファン・ヒューリック 『ディー判事』シリーズ
監督  ツイ・ハーク
脚本  チャン・チァルー
製作  ツイ・ハーク
製作国  中国、香港
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

689年、則天武后が仏塔「通天仏」の建設を進める唐で、政府の要人が突然発火して黒コゲになる怪事件が多発していた。
則天武后は8年前に皇帝が亡くなった際にその座に就いた彼女を非難して投獄された判事ディー・レンチェを呼び戻す。
解放された判事ディーは則天武后の側近であるチンアルを監視役につかせた上で事件の解決に当たらせる事になるのだった。

登場人物&出演者

ディー・レンチェ(演:アンディ・ラウ)
主人公。特命判事。則天武后の女帝誕生にずっと反対して8年に渡って投獄されていた。
アンディ・ラウは近年の出演作に『グレート・アドベンチャー』、『おじいちゃんはデブゴン』などがあります。
国師の言葉を受け、則天武后が即位する前に人体発火事件を解決する為に全権を委ねられる。
すぐに人体発火の正体が火炎虫である事に気付き、宮廷侍医だったワンを探し出す事になる。
則天武后と国師による邪魔者の排除、火炎虫により復讐をしようとするシャトーの事を知る。
最後はシャトーを火炎虫の毒で焼死させ、則天武后を助け、毒を受けた事で闇へ去っていく。

チンアル(演:リー・ビンビン)
則天武后の側近。則天武后により命を助けられた縁から、未だに毒味係として忠誠を誓う。
リー・ビンビンは近年の出演作に『MEG/ザ・モンスター』、『ガーディアンズ/呪われた地下宮殿』などがあります。
人体発火事件の調査をするディーを監視するべく則天武后の命令で彼の動向をずっと探る。
当初からディーに対して不信感を抱くが、則天武后の命令ならば肌を簡単に許そうとした。
実は神通力を操る国師が正体で、幾度も則天武后の邪魔をした者たちをまやかしで消した。
最後はディーを追い詰めるも彼に惚れて殺せず、シャトーの一味によって殺されてしまう。

ペイ・ドンライ(演:ダン・チャオ)
大理寺の二番手。アルビノで太陽が苦手。上司が人体発火を起こして大理寺の一番手となる。
ダン・チャオは代表作に『戦場のレクイエム』、『ドラゴン・フォー』シリーズがあります。
目の前で二人も人体発火を起こし、噂から則天武后が事件の首謀者とディーに伝えていた。
ディーを怪しいと睨んで則天武后の側近であるチンアルと手を組もうとするが拒否される。
最初の犠牲者の自宅を訪れると、通天仏に施された裏の仕掛けが記された資料を目にする。
最後はシャトーの一味に囚われると、ディーが助けようとして火炎虫の毒で焼死した。

ロバのワン(演:テディ・ロビン・クァン)
亡者の市に住んでいる小汚い男。その正体は先帝の宮廷侍医として仕えていた人物。
テディ・ロビン・クァンは代表作に『悪漢探偵』シリーズ、『ツイン・ドラゴン』がある。
先帝の病を治す為に異国の医療を使おうと、火炎虫を持ち込むが効果はなくて失敗する。
命を取られると思って火炎虫の処分も中途半端にして、変身の術で別人になって隠れていた。
ディーとの接触を極端に怖がっていると、シャトーの一味に命を狙われる事になる。
なんとかディーたちの活躍で助けると、火炎虫について説明して危険性を丁寧に解説した。
最後は火炎虫の毒を食らったディーを亡者の市に迎え、なんとか解毒しようとしていた。

琅琊王(演:ヤオ・ルー)
唐王朝に仕える重臣。10万の兵馬を擁する実力者であり、則天武后にも警戒されている。
ヤオ・ルーは代表作に『孔子の教え』、『さらば復讐の狼たちよ』などがあります。
女帝即位に対して賛同できず、自らが立ち上がって則天武后を倒そうとする姿勢を見せる。
釈放されたディーを有用な人物として理解していて、臣下に迎えようと説得していた。
実はその裏でシャトーと繋がっていて、則天武后を倒そうと兵馬を動かそうとしていた。
最後はシャトーとの約束でディーの殺害ができず、邪魔になった為に彼に殺されてしまう。

則天武后(演:カリーナ・ラウ)
皇后。14歳で宮中に入って、まだ幼い皇太子の代わりに政治をして国が隆盛期を迎えている。
カリーナ・ラウは代表作に『インファナル・アフェア』シリーズ、『2046』などがあります。
多くの後続や重臣から女帝即位を反対されており、国師の言葉から投獄のディーを釈放する。
常に誰も信用しておらず、女帝に即位する為にディーを釈放するもチンアルを監視につける。
実は国師を利用して邪魔する者を消し、チンアルが加担するも即位したら殺すつもりだった。
最後はディーに助けられ、降龍杖の前で治国を誓うとともに皇太子へ帝位を譲ると約束する。

シャトー(演:レオン・カーフェイ)
ディーとともに則天武后の批判をして左腕を切り落とされた。現在は工部の修繕方となる。
レオン・カーフェイは代表作に『孫文の義士団』、『封神伝奇/バトル・オブ・ゴッド』などがあります。
則天武后の威光を示す通天仏が建造されていて、その造営頭として工期を指示している。
大理寺の者が人体発火した事でペイから怪しまれるが、罪はないとして仕方なく釈放された。
実は長年に渡って則天武后に恨みを持っていて、火炎虫を使って宮中を撹乱していた。
最後はディーにすべての悪事を暴かれ、女帝を直接殺そうとするも火炎虫の毒で焼死した。

感想

個人的な評価

本作はロバート・ファン・ヒューリックの探偵小説『判事ディー』シリーズを実写映画化した作品となります。
ロバート・ファン・ヒューリックはオランダの外交官で、彼の小説は欧米だけじゃなく中国でも大ヒットしています。
監督と製作を務めるのは“香港のスピルバーグ”と称されるツイ・ハークとなります。
本作は中国版のシャーロック・ホームズと言われているが、中身のほとんどはファンタジーとアクションとなっています。
つまり、いつもの中国や香港の映画であり、そこまで難しい謎解きがあるワケじゃない。
あくまでアクションが先行した演出で、謎解きよりも則天武后が中国で唯一の女帝となる裏側で起きる出来事を描いています。
則天武后は実在した人物であり、本作の主人公であるディー判事も実在していたようです。
特に則天武后は邪魔者を次々と血祭りに上げた事が有名であるが、近年では政治手腕について認められる傾向にあります。
そんな本作では絶対的な権力を持っていて、裏では邪魔者を排除するイメージ通りの存在として描かれています。
もちろん、主人公であるディー判事は完璧超人に近いキャラクターであり、頭脳明晰であって武術の心得がある設定となっています。
協力する大理寺のペイもキャラクターとして濃く、ヒロイン的なポジションのチンアルも良い位置にありました。
『シャーロック・ホームズ』シリーズはアクションを交えた派手な作品だが、本作もそれにも負けないほど中国らしい派手さがありました。
何より主演のアンディ・ラウがディー判事役にハマっているのが大きく、彼じゃないとここまでの魅力的なキャラクターにならなかったのだろうと思います。