作品紹介
公開年月 | 2015/08/05 |
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ジャンル | 歴史劇/アクション |
原作 | なし |
監督 | ルー・ヤン |
脚本 | ルー・ヤン |
製作 | テレンス・チャン |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
明朝末期の北京、第16代皇帝の天啓帝が崩御、権力を振りかざしていた宦官の魏忠賢が失脚し、第17代皇帝として崇禎帝が即位する。
そんなある日、宮城および首都の護衛を任とする禁衛軍の一つ、錦衣衛に属し、義兄弟の契りを交わしている沈煉、盧剣星、斬一川の三人は宦官の趙靖忠から魏忠賢の暗殺命令を受ける。
三人は魏忠賢の隠れ家へと乗り込み激闘の末、魏忠賢の暗殺を成し遂げるが、それ以降、彼らの背後には不穏な動きとともに命を狙われる事になるのだった。
登場人物&出演者
・沈煉(演:チャン・チェン)
・廬剣星(演:ワン・チエンユエン)
・靳一川(演:リー・トンシュエ)
・周妙彤(演:リウ・シーシー)
・趙靖忠(演:ニエ・ユエン)
・丁修(演:チョウ・イーウェイ)
・魏忠賢(演:チン・スーチェ)
・魏延(演:チュー・タン)
感想
個人的な評価
本作において主人公となるのは錦衣衛に属する兄弟の契りを交わした三人と言えるでしょう。
沈煉にはチャン・チェン、盧剣星にはワン・チエンユエン、靳一川にはリー・トンシュエが演じています。
チャン・チェンは35作ほどの出演し、代表作には『レッドクリフ』、『グランド・マスター』があります。
義兄弟の中で本作のカギを握る人物であり、彼の決断によって運命が変わっていきます。
やはり、チャン・チェンは本作の中で一番オーラを放っていて、まさに主人公と言っても過言じゃない活躍でした。
ワン・チエンユエンは13作ほどに出演し、代表作には『Piano in a Factory』があります。
義兄弟の中で一番の年上であるけど、なぜか一番蚊帳の外にいて、沈煉の裏工作にまったく気づかない。
かなり残念なキャラクターになってしまったが、最後はきちんと潔く責任を取るのは長兄として立派でした。
リー・トンシュエは5作ほどに出演していて、代表作には『1911』があります。
義兄弟の中で一番若いが、肺病を患っている上に通う医者の娘とロマンスを繰り広げます。
兄たちの意見に賛同するだけで振り回されるが、ちゃんと個人のエピソードも絡めています。
そんな沈煉が身請けを約束する妓楼の周妙彤を演じるのはリウ・シーシーです。
リウ・シーシーは主にテレビドラマシリーズで活躍し、代表作には『真夜中の五分前』があります。
典型的な助けられるヒロインで、本作のロマンスを担当していますが、別にいなくてもいいと感じました。
ただ、本作ではどうしうてもロマンスを取り入れたかったのか、かなり強引な印象を受けました。
義兄弟を罠に落とす黒幕の趙靖忠にはニエ・ユエン、一川の兄弟子である丁修にはチョウ・イーウェイ、魏忠賢にはチン・スーチェ、その部下の魏廷にはチュー・タンが演じています。
やはり、黒幕となる趙靖忠を演じたニエ・ユエンが最も目立っていて、ラストボスに相応しいだけの伏線を張ってくれます。
丁修も最後に見せ場があって、魏忠賢を演じたチン・スーチェのキャラクターが強烈であったが、魏廷だけは非常に微妙な位置づけでした。
本作はかなりいろんな要素を盛り込んでいて、アクションをベースにロマンスとドラマを展開させている。
ただ、義兄弟のエピソードを分けた事で物語が分散してしまい、それぞれの話しが薄くなっている。
特に最大の問題は義兄弟としての絆がほとんど描かれず、どうにも義兄弟である説得力がなかった気がする。
余計なエピソードに目を向けてしまったせいで、肝心の義兄弟としてのエピソードが疎かになってしまっていると思う。
その為、個々のエピソードの効果が弱くなり、義兄弟への感情移入があまり持てないのは痛いところです。
武侠映画としてワイヤーアクションが控え目で殺陣は現実的な感じで、何よりそれぞれ持っている武器とキャラクター設定を分かりやすくしているのは良い。
いろんな方面に手を出してしまったせいで、本作が秀でている部分がなく、全体的に普通という印象を受けてしまう。
退屈しないような構成で新しい事にチャレンジしているけど、今ひとつ作品に良い結果は与えられなかったと感じました。