グラビティ/繰り返される宇宙 VD-405

作品紹介

公開年月  2019/02/01
ジャンル  SF/サスペンス
原作  なし
監督  イーライ・サジッチ
脚本  クレイ・トーパート、イーライ・サジッチ
製作  クリス・ブライアント
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

元刑事のコールはデッドゾーンで消息を絶った疎遠となった妻が乗っていた宇宙船アトロパ号を追跡していた。
コールは予定より早く船を発見し乗船するが、アトロパ号は謎の船と衝突して航行不能に陥った事が判明する。
しかし、衝突した船は過去のアトロパ号だと分かり、未来のアトロパ号が自分たちに衝突する時間が迫る中で脱出しようとするのだった。

登場人物&出演者

コール・フリーマン(演:アンソニー・ボナヴェンチュラ)
主人公。宇宙ステーションで辺境警護をする元刑事。行方不明の船を探索する任務に就く。
アンソニー・ボナヴェンチュラは代表作に『The Guys』、『Los Angeles』などがあります。
予定よりも3ヶ月も早く行方不明の宇宙船を発見するが、実は疎遠となった妻が心配で来た。
乗組員たちを起こし、遭難したと伝えると、破壊された同じ宇宙船を見つけて調査する。
サンダーズを殺そうとしたモイラを説得し、彼女を脱出ポッドに乗せて宇宙船に残った。
最後はループを止めるべく宇宙船を自爆させ、過去の自分に脱出したモイラを託して死亡。

モイラ(演:ジーニー・ボレット)
ヒロイン。アトロパ号の乗組員。医療を担当する。コールの妻で今は船長と付き合っている。
ジーニー・ボレットは代表作に『That Fall』、『Happily Never After』などがあります。
コールの相棒で刑事だった弟が撃たれて死ぬと、ショックで夫から離れて疎遠になっていた。
助けに来たコールとは愛が冷めていたが、ループから助かろうとする彼の言葉で思い出す。
船長をサンダーズに殺され、ブチ切れて銃で殺そうとしたが、コールの説得で断念する。
最後は脱出ポッドで過去のコールに拾われ、そのまま仲直りして地球へ生還を果たした。

ロバート船長(演:デヴィッド・M・エデルスタイン)
アトロパ号の船長。モイラと恋人関係だが、夫であるコールがいる事を知らなかった。
デヴィッド・M・エデルスタインは代表作に『My Little Princess』、『My love is Aisulu』などがあります。
コールがやって来ると、宇宙船の時間経過がおかしいと分かり、状況を把握しよう指示する。
ジェンセンの分析でタイムループしていると分かると、サンダーズか必要だとモイラを説得。
サンダーズが暴走して逃げ出してしまうが、必要だとしてコールたちと船内を探していた。
最後は脱出ポッドで逃げようとしたサンダーズを止めるが、その弾みで心臓を刺されて死亡。

ジェンセン(演:ベン・クリーヴァー)
アトロパ号の乗組員。主に分析を担当する。航行記録を調べて時空の歪みについて分析した。
ベン・クリーヴァーは代表作に『Alternate History: Nazi’s Win WW2』、『Seberg』などがあります。
結果としてアトロパ号は惑星の重力でタイムループしていると判明し、逆らえないと答えた。
可能性を見出そうとするコールに触発され、動力を調査できるサンダーズが必要だと主張。
目を覚ましたサンダーズが暴走して捕まられると、彼が逃げる際に腕を切られてケガする。
最後は一人だけ脱出ポッドで逃げるが、実は惑星の輪のが自分のポッドだと知って絶望した。

サンダーズ(演:クリス・ヴォス)
アトロパ号の乗組員。メカニックを担当する。コアの状態が悪く修理しようと作業する。
クリス・ヴォスは代表作に『Gilt』、『Maya Dardel』などがあります。
コールが壊れたアトロパ号から自分の遺体を運ぶと、取り乱したせいで鎮静剤で眠らされる。
ループを抜け出す為に動力の復活をするべく、起こされるも殺されると思って逃げ出した。
脱出ポッドで逃げようとしたが、止めに入った船長を殺してしまい、ようやく落ち着いた。
最後は一時的に動力を復活させ、コールとともにループを止める為に宇宙船を爆破して死亡。

シュレイバー(演:マイケル・アイアンサイド)
宇宙ステーションで辺境警護をするコールの上司。コールの実力を高く買っている。
マイケル・アイアンサイドは近年の出演作に『ベイビー・キャッチャー』、『ターボキッド』などがあります。
アトロパ号に乗ったモイラの事をコールに伝えるが、任務として助ける許可を出さない。
最後は個人の判断で救出を許可し、勝手に出て行ったコールの後始末の責任を取った。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2019』にて上映された作品となります。
元々は7つのエピソードで構成されたTVドラマシリーズで、それを映画化しています。
いわゆるタイムループする作品であり、これまで様々なタイプの映画が作られています。
『恋はデジャ・ヴ』から始まり、最近ではホラーと見せかけてのSFだった『ハッピー・デス・デイ』は良くできていた。
そんな本作は宇宙空間でタイムループが展開し、邦題である重力が関係しているという落とし所になっています。
宇宙空間は不思議でいっぱいなのは分かりますが、そこに行く部外者の主人公もなぜタイムループするのかよく分からない。
70分とかなり短い尺となっているので、色々とショートカットされていて、テンポ良く展開していくのはいいと思います。
現行のストーリーを進めながら、小出しで回想を挟んでいくタイミングも良く、テンポを壊さない構成は上手いと思いました。
ただ、タイムループより主人公と疎遠になった妻とのエピソードが邪魔に感じた。
単純にタイムループだけをやってしまうと味気ないだろうが、本作はしっかりとした世界観があったからもったいないと思った。
回想で出てくる街並みやアンドロイドはSF映画として魅力的で、それをベースに物語を作っても充分に面白くできると思いました。
しかし、本作は大昔からやっている男女の複雑な関係に集約してしまい、せっかくの世界観も意味がなくなってしまっている。
そうなってくると、宇宙空間である必然性がなくなって一気につまらないと感じた。
ただ、タイムループを絡んだ設定は面白く、ずっと映っていた惑星の輪の正体は予想もしなかった分、秀逸なオチでした。
だからこそ、主人公とヒロインとの複雑な関係が作品の良さを潰してしまっていると感じた。
あと、タイムループ系の映画では、まず失敗を見せてから、それを主人公たちが変えるという作業が生きてきますが、本作には失敗例の過程がないせいで彼らの選択の良し悪しが分からないのは不親切だと思う。
本来なら90分の作品でも良かったので、足りない20分を失敗例に使うべきだっだと思う。
映像もちゃんと作り込んでいるので、男女の複雑な関係じゃなく、タイムループを中心に物語をもう一度作って欲しいです。