死霊院/世界で最も呪われた事件 RE-2998

作品紹介

公開年月  20178/12/08
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ザヴィエ・ジャン
脚本  チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ
製作  ピーター・サフラン、レオン・クラランス、ほか
製作国  アメリカ、イギリス、ルーマニア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アデリーナという23歳の修道女が三日間監禁された後に死亡する事件が起きた。
逮捕されたのは同じ修道院のディミトリ神父で、彼はアデリーナを拘束し悪魔祓いを行ったと証言した。
ジャーナリストのニコールは、真相を究明するべくルーマニアに向かい、アデリーナに取り憑いた悪魔の調査を始めるのだった。

登場人物&出演者

ニコール・ローリンズ(演:ソフィー・クックソン)
主人公。ジャーナリスト。叔父の新聞社に勤務し、直接頼み込んで事件の取材をする事に。
ソフィー・クックソンは代表作に『キングスマン』シリーズ、『スノーホワイト/氷の王国』などがあります。
以前は海外を飛び回り、その間に母親が末期ガンとなって治療法を見つけるも拒まれた。
そのせいで信仰に対して疑問を持ち、ディミトル神父の悪魔祓いはウソだと決めつけていた。
取材するうちに悪魔の存在を感じるようになり、取り憑かれると理解するも手遅れとなる。
最後は悪魔に取り憑かれるが、主人公補正を使って簡単に祓い、天国の母親にも会っていた。

アントン司祭(演:コルネリウ・ウリチ)
ルーマニアの司祭。アデリーナの葬儀に参加し、彼女に対して祈りを捧げていた。
コルネリウ・ウリチは代表作に『デビル・インサイド』、『スコーピオン・キング4』などがあります。
取材にやって来たニコールの質問に答え、彼女が信仰に対して疑念を持っていると知る。
葬儀に参加していたバドゥバやステファンの事を話し、事件の詳細を知る司教を紹介した。
ブカレストを訪れた後、再びやって来たニコールに悪魔の情報が載っている本を渡した。
最後は悪魔に取り憑かれたニコールに悪魔祓いを敢行し、主人公補正によって見事に救った。

シスター・バドゥバ(演:ブリタニー・アシュワース)
アデリーナの幼馴染み。一緒に暮らしていて、本当の姉妹のような親密な関係だった。
ブリタニー・アシュワースは代表作に『ホスティル』、『アクシデントマン』があります。
葬儀の時に誰よりもアデリーナの死を悲しむが、ディミトル神父の悪魔祓いを信じている。
取材にやって来たニコールを迎え入れると、アデリーナを殺したのは悪魔だとハッキリ言う。
ステファンには内緒にしていたが、アデリーナはドイツの青年にやり捨てされたと話す。
最後はステファンとともに真実を記事にして欲しい思いを持つが、ニコールを信じていない。

ステファン(演:イヴァン・ゴンザレス)
シスター・アデリーナの兄。葬式に来ていて、泣き崩れていたバドゥバを支えていた。
イヴァン・ゴンザレスは代表作に『ディヴァイド』、『ブラックハッカー』などがあります。
ディミトル神父が行った悪魔祓いは正しいと主張しているが、誰にも信じてもらえない。
取材にやって来たニコールに最初は不信感を持つが、真剣に話し聞く姿勢に真実を話す事に。
実はアデリーナはドイツで男と関係を持ち、後悔して懺悔を求めている事実を知らない。
最後は立ち去っていくニコールに真実を記事してくれと頼むが、どう見ても信じていない。

ゴルニック司教(演:マシュー・ザジャック)
ブカレストにあるジョセフ大聖堂の司教。ディミトル神父の教会を管轄下に置いている。
マシュー・ザジャックは代表作に『クライムダウン』、『ヴァルハラ・ライジング』がある。
ディミトル神父が勝手にアデリーナの悪魔祓いをしていて、それを止めてしまった人物。
最後は取材にやって来たニコールにディミトル神父は間違っていると結論をつけた。

ディミトル神父(演:カタリン・バブリュック)
ルーマニアにある教会の神父。悪魔に取り憑かれたアデリーナの為に悪魔祓いを敢行した。
カタリン・バブリュックは代表作に『Portrait of the Fighter as a Young Manko』、『ASSASSIN/アサシン』などがあります。
儀式の途中で邪魔されてしまい、アデリーナは命を落とし、自身も逮捕されてしまう。
取材にやって来たニコールに対して正直に起きた出来事を話し、悪魔祓いをしたと主張する。
訪れたニコールこそが神が遣わした者だと信じて、ルーマニアに行く彼女の無事を祈った。
最後は法廷で有罪判決が下され、7年の服役を経て町に戻って再び悪魔祓いを敢行する。

シスター・アデリーナ(演:エイダ・ルプー)
ルーマニアの修道女。ドイツに旅行していた時に地元の男性と関係を持ってしまう。
エイダ・ルプーは代表作に『Eastern Business』などがあります。
悪魔に取り憑かれてしまい、悪魔祓いの経験がないディミトル神父が三日かけて儀式を行う。
帰国した当初は問題なかったが、父親のような存在の神父が投身自殺をしてから一変する。
最後は途中で儀式を止められてしまい、悪魔が勝利を確信して命を奪われてしまった。

感想

個人的な評価

本作は『モースト・デンジャラス・シネマグランプリ2018』にて上映された作品です。
更に『死霊館』シリーズの製作陣が参加しているが、残念ながら配給元はアルバトロスフィルムとなっています。
同時期に『死霊館のシスター』が公開されたが、本作は非常に紛らわしい邦題になって混乱する人は多いと思います。
一応、本作は『死霊館』シリーズの製作陣が参加しているけど、肝心のジェームズ・ワンはまったく関わっていないので別物だと考えた方がいい。
ただし、『死霊館のシスター』は作り話であるに対して、本作は実話をベースにしている物語となっています。
どうしてもタイトルを似せている『死霊館のシスター』と比べてしまうと、本作はホラーの要素は少しばかり弱い気がする。
典型的なアメリカン・ホラーの演出を取っていて、取り憑かれて死んだシスターが突然現れて、怖い顔と叫びで驚かせるパターンが何回も繰り返される。
実話をベースにしているのでドキュメンタリーのように淡々と進んでしまう点でも、本作は今一つインパクトに欠けてしまう。
それに本作は宗教色が強い作品ですので、キリスト教に馴染みが薄い人間にとってもファンタジーのような展開に感じるかもしれない。
ずっと似たような恐怖の演出が続いて飽きていたところで、クライマックスになってようやく映画らしい悪魔祓いの派手な展開がありました。
ただ、実話をベースにしているのであくまで映画的な描写であって、実際にはベッドの上で行われたと思います。
あれだけ引っ張ったのにあっさりと悪魔祓いが出てきてしまい、冒頭で三日間もやっていた神父が無能としか言えない結末はあまりにも救われない。
しかも、ニコールは記事を書いたのか分からないし、逮捕されたディミトル神父は有罪となって7年も服役しています。
結果的に本作はニコールが死んだ母親に謝って前に進むだけが目的となり、他は救われないという主人公だけが得する物語になってしまった。
やはり、本作は『死霊館のシスター』と比べると格落ちしてしまうのは仕方ないだろう。