作品紹介
公開年月 | 2016/08/05 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | DCコミックス(キャラクター) |
監督 | デヴィッド・エアー |
脚本 | デヴィッド・エアー |
製作 | チャールズ・ローヴェン、リチャード・サックル |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 購入ブルーレイ |
あらすじ
スーパーマンがいなくなった世界に最大の危機が訪れ、政府は最後の手段を用意する。
それは服役中の悪党たちによる最強の特殊部隊“スーサイド・スクワッド”を結成する。
彼らは減刑と引き換えにアマンダ・ウォーラーの命令に従い、到底達成不可能なミッションを託される事になるのだった。
登場人物&出演者
【スーサイド・スクワッド】
・フロイド・ロートン/デッドショット(演:ウィル・スミス)
暗殺者で超一流の狙撃手。離婚した妻との間にゾーイという娘がいる。
ウィル・スミスは近年の出演作に『素晴らしきかな、人生』、『コンカッション』がある。
本作ではスーサイド・スクワッドのリーダー的な存在としてチームを引っ張っていく。
原作の設定にあった自殺願望がないので、キャラクターの厚みに物足りなさを感じます。
それに演じているのがウィル・スミスだが、なんだかんだで結局はウィル・スミスだった。
・ハーリーン・クインゼル博士/ハーレイ・クイン(演:マーゴット・ロビー)
アーカム・アサイラムに勤務していた精神科医。ジョーカーによって人格が変貌した。
マーゴット・ロビーは近年の出演作に『アメリカン・レポーター』、『ターザン:REBORN』などがあります。
本作において最大のヒロインとして登場し、公開前から話題を独り占めしていました。
実際に劇中で動いているのを見て、マーゴット・ロビーのハマリ役ぶりが堪能できます。
更にジョーカーへの危険すぎる愛も描かれていて、実際に「プリンちゃん」と呼ぶ場面も見事に再現されています。
見た目は美しく可愛らしいが、中身は完全にぶっ壊れていて、何をするのか分からない
しかし、心の奥底にはジョーカーに対する一途な愛が見え隠れするキャラクターとなります。
・リチャード・フラッグ/リック・フラッグ(演:ジョエル・キナマン)
ウェストポイントを卒業した陸軍特殊部隊の大佐。スーサイド・スクワッドのリーダーとして起用される。
ジョエル・キナマンは近年の出演作に『チャイルド44/森に消えた子供たち』、『ラン・オールナイト』などがあります。
犯罪者ではないメンバーで、問題児の多いチームをまとめ上げるのが任務となる。
生粋の兵士で犯罪者たちをコマとして見ているせいで確執が生まれている。
でも、最後には和解してチームとなっていくという王道的な立場となっていく。
・ディガー・ハークネス/キャプテン・ブーメラン(演:ジェイ・コートニー)
ブーメランを自在に操る。みんなバットマンに捕まっているが、唯一フラッシュに捕まる。
ジェイ・コートニーは近年の出演作に『マン・ダウン/戦士の約束』、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』などがあります。
根はコソ泥気質であるが、他人を信じておらず、平然と裏切ってしまうクソ野郎。
何事もマイペースにやっていく自己中だが、自分の立場はよく理解している。
本作ではジェイ・コートニーのチンピラ風の容姿や性格がハマっている役となりました。
・チャト・サンタナ/エル・ディアブロ(演:ジェイ・ヘルナンデス)
ロサンゼルスギャングの元構成員。炎を自在に操る。誤って妻と子供を殺して自首している。
ジェイ・ヘルナンデスは代表作に『ホステル』、『テイカーズ』などがあります。
妻子を能力で殺したせいで後悔の念を抱いていて、当初は戦闘に消極的だった。
しかし、仲間を見つけた事で守るという信念に変わり、本来の能力を解き放つ事になる。
実は一番悲惨な過去を背負っているキャラクターで、その重さを上手く表現している。
・ウェイロン・ジョーンズ/キラー・クロック(演:アドウェール・アキノエ=アグバエ)
皮膚が爬虫類のように変化しており、超人的な身体能力を持つメタヒューマン。
アドウェール・アキノエ=アグバエは近年の出演作に『コンカッション』、『トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男』があります。
見た目から一番分かりやすいキャラクターだが、中身は意外にもちゃんとしている。
自分の事をバケモノだと自覚した立ち振る舞いをするが、実は常識人な部分も持っている。
・タツ・アヤシロ/カタナ(演:福原かれん)
日本人の暗殺者。リック・フラッグのボディガードとして唯一志願しているメンバー。
福原かれんは本作が映画デビュー作となっています。
呪われた刀を持っていて、それで斬られた者は魂を吸われるという危険な力を持つ。
過去に夫がその刀で斬殺され、そこに宿る魂と涙を流しながら語るという場面がある。
・クリストファー・ワイス/スリップノット(演:アダム・ビーチ)
特殊な縄を使う暗殺者。すでに紹介されたメンバーと違い、出動直前でチームに加わる。
アダム・ビーチは代表作に『父親たちの星条旗』、『カウボーイ&エイリアン』があります。
出演時間が最も短く、原作の通りキャプテン・ブーメランに唆されて逃亡した際に首の爆弾が爆発する見せ物となりました。
【政府関係者】
・ジューン・ムーン博士/エンチャントレス(演:カーラ・デルヴィーニュ)
政府顧問の考古学者。発掘した洞窟から魔女の封印を解き、呪いを受けてしまう不運な人物。
カーラ・デルヴィーニュは代表作に『アンナ・カレーニナ』、『PAN/ネバーランド、夢のはじまり』などがあります。
本来はスーサイド・スクワッドのメンバー候補だったが、紆余曲折あって悪役に変わります。
しかも、最終的にスーサイド・スクワッドにとってラストボス的な感じになります。
ジューン・ムーンとしては描写が短く、かと言ってエンチャントレスとしても微妙な演出。
・アマンダ・ウォーラー(演:ヴィオラ・デイヴィス)
スーサイド・スクワッドに直接命令を下す米国政府の高官。人を利用する事が信条。
ヴィオラ・デイヴィスは代表作に『ダウト/あるカトリック学校で』、『ヘルプ/心がつながるストーリー』などがあります。
本作において最悪のクズとも言える人物であり、機密事項を守る為なら殺しは厭わない。
あくまで世界の為と言っているが、やっている行為は悪人と大して変わらない。
ただし、それをやるだけの強い信念を持っていて、犯罪者を前にしても引き下がらない。
もっとしっぺ返しが来ると期待していたのに、処分が特になかったのが本作で最大の失敗。
【その他】
・ジョーカー(演:ジャレッド・レト)
悪役。バットマン最大の敵でカリスマ。ハーリーン・クインゼル博士を変えた張本人。
ジャレッド・レトは近年の出演作に『ブレードランナー/2049』、『ダラス・バイヤーズクラブ』などがあります。
四代目ジョーカーとして現代的なアレンジを加えた新たなキャラクターとして生まれ変わる。
本作ではまさしくジョーカー的なポジションとして物語をかき回してくれています。
ラストボスはエンチャントレスだが、その影でコソコソと動いておいしいところ取りをする。
本来あるべきジョーカーの姿を本作で再現しているという点が他と違います。
もちろん、演じているジャレッド・レトは素晴らしい演技でもっと観たいという気持ちに。
歴代のジョーカーに負けず劣らず存在感があって、今後の出演作に期待ができます。
・ブルース・ウェイン/バットマン(演:ベン・アフレック)
ロビンとともにゴッサム・シティで自警活動をしていた。ロビンがジョーカーに殺害される。
ベン・アフレックは近年の出演作に『夜に生きる』、『ザ・コンサルタント』があります。
デッドショットと因縁があるような描写の為にワザワザ登場した感じでした。
・バリー・アレン/フラッシュ(演:エズラ・ミラー)
光の速さで移動する。キャプテン・ブーメランを捕まえた事で物語に登場する。
エズラ・ミラーは近年の出演作に『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』がある。
完全なオマケだが、エズラ・ミラーのフラッシュが見られただけでも意味があったと思う。
感想
個人的な評価
ついにやって来た“DCエクステンデッド・ユニバース”の三作目。
すでにマーベルではMCUを大きく展開し、フェイズ3に突入しています。
当然のように世界的に大ヒットしていて、今後の展開も更にスケールが大きくなっていく。
アメコミの老舗であるDCコミックスは『マン・オブ・スティール』から始まる同一の世界を舞台にした作品群が展開されている。
ただ、マーベルはディズニーと提携しているおかげで、大きくエンターテイメント性が向上しています。
それに対して、DCコミックスはマイナーな製作会社と組んでいるせいで今一つの印象。
基本的にDCコミックスの実写映画は暗く、元々の世界観も決して明るいモノではないです。
『バットマン』や『スーパーマン』の実写映画から分かるように、本作もマーベル作品のような明るさはありません。
本作に登場するチームは犯罪者を集めたメンバーなので、必然的に明るい作品ではない。
しかし、マーベルと違って、本作は正義の味方じゃない犯罪者がチームとして活躍する点がDCコミックスが最初にやっています。
『ジャスティス・リーグ』や『アベンジャーズ』は、ほとんどメンバーがすでに単独の実写映画を持っているのが特徴です。
だが、本作に登場するスーサイド・スクワッドは初登場のキャラクターばかりです。
ほとんどバットマンが直接捕まえたキャラクターだが、一人だけフラッシュに捕まっている。
本作はスーサイド・スクワッドのメンバーが主役であるが、有名なジョーカーが少しだけ出演し、バットマンやフラッシュがカメオ出演しています。
ベン・アフレックのバットマンはすでに披露されているけど、エズラ・ミラーのフラッシュは本作が本格的に登場となっているのが大きい。
スーサイド・スクワッドは有名なキャラクターはいないが、その代わりウィル・スミスやマーゴット・ロビー、ジェイ・コートニーとメジャーな作品に出演している俳優がいます。
映画が公開される前からウィル・スミスの出演、マーゴット・ロビーの美しきハーレイ・クインが話題となりました。
ですが、実際に鑑賞した感想から言って、評判通りに二人は活躍しているが、個人的にはジェイ・コートニーのキャプテン・ブーメランが一番好き。
ジェイ・コートニーは微妙な役ばかりで個性がなかったけど、今回のチンピラ風のキャプテン・ブーメランはハマっていると感じました。
マーゴット・ロビーは確かにハマリ役だったが、あまり注目されていないジェイ・コートニーも同じぐらいハマっていたと思います。
他にエル・ディアブロのジェイ・ヘルナンデスも悲しみを背負った役としても良かった。
登場人物が多いので一人ひとりの描写をやっていたら、あっという間に尺がなくなる。
なので、中心人物をデッドショット、ハーレイ・クイン、リック・フラッグに絞っている。
それはいいのですが、他の登場人物があまりにも数合わせになってしまっている。
その中で顕著なのがスリップノットで、なんの為に出てきたのか分からないレベルです。
それなのにスーサイド・スクワッドの一員として集合写真に写っているのが逆におかしい。
あとは最大の悪役と言ってもいいジョーカーだが、こちらも描写として抑え気味だった。
ただ、ジョーカーをあまり前に出すと、映画そのものが変わってしまう可能性がある。
ジョーカーは難しい役だが、ジャレッド・レトは歴代のジョーカーたちと違うキャラクターに変化させています。
上述でも言ったように、本作は基本的に暗いトーンで続くせいで今一つ盛り上がりに欠けてしまっている。
これは“DCエクステンデッド・ユニバース”に言える事なので、作風として考えるべきだろう。
それでも期待を裏切る事がない作品として、今後もどうDCエクステンデッド・ユニバースに絡んでくるか楽しみである。