レッドイーグル RE-1438

作品紹介

公開年月  2010/10/07
ジャンル  アクション/サスペンス
原作  なし
監督  ウィシット・サーサナティヤン
脚本  ウィシット・サーサナティヤン
撮影  スニット・アザウィニクン
製作国  タイ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

2016年のバンコク、不安定な経済は悪化の一途をたどり、政府は国の発展を理由に原子力発電の開発を進めていた。
地元住民による反対の声は政府に聞き入れられず、不安ばかり煽られる状況下で、法では裁けぬ悪人をたった一人で制裁を加える孤高のダークヒーロー“レッドイーグル”が現れる。
しかし、闇の組織マトゥリが送り込んだ冷酷無比の暗殺者“ブラックデビル”の出現によって事態は思わぬ方向へ動き始めるのだった。

登場人物&出演者

ダム/レッドイーグル(演:アナンダ・エヴァリンハム)
ワサナ(演:ヤリンダー・ブンナーク)
ディレク首相(演:ポンウット・サーラシン)
探偵ウッティクライ(演:ワナシン・プラスータクン)
ブラックデビル(演:ロン・スムーレンバーグ)

感想

個人的な評価

本作は2010年に公開されたアクション映画です。
この作品はウィシット・サーサナティヤンが監督と脚本を務めています。
ウィシット・サーサナティヤンはタイを代表する映画監督です。
あまり詳しい情報はないが、どうやら『怪盗ブラック・タイガー』が代表作となっています。
本作は1970年以前にタイで放映されていたアクションドラマシリーズが基になっている。
もちろん、そんな事は初めて知りましたし、本作は単にアメコミブームに乗っかったコピーじゃないようです。
それはそうとタイ映画と言えば、最初に連想するのはアクション俳優のトニー・ジャーです。
現代のCGを使ったスタントを否定し、あくまで生身でアクションをこなすのが世界中で話題になりました。
もちろん、そこにはタイの国技であるムエタイがあって、トニー・ジャーはアクションスターとして国際的に有名となりました。
トニー・ジャーの活躍によってタイ映画は注目され、次々とアクションを含めた作品が発表されています。
その中で本作はアメコミのヒーローを彷彿とさせるようなパッケージで、タイ映画としても相当力を入れているかと思います。
本作において孤高のダークヒーロー“レッドイーグル”であるダムを演じるのはアナンダ・エヴァリンハムです。
アナンダ・エヴァリンハムはタイでは多くの作品に出演しているが、日本では無名なのは言うまでもない。
しかも、アメコミのヒーローとは違って、明確な社会生活はなく、ダークヒーローというよりは単なる殺人鬼にしか見えなかった。
マトモな社会生活が送れていないのは仕方ないにしても、せめて普通になろうとする意思は欲しかったところです。
悪人を容赦なく殺すという点では、アメコミの『パニッシャー』に通じるところがあります。
しかし、パニッシャーには明確なバックボーンがあるけど、本作のレッドイーグルは単に悪人を殺しまくるだけ。
例え、徐々にレッドイーグルの素性を明らかにしても、これは物語の冒頭で伝えるべきです。
とりあえず、悪人を殺しまくっていて、そのやり方は容赦がなく、人によってはただの殺人鬼にしか見えないでしょうね。
本作にてヒロインで首相の元婚約者であるワサナを演じるのはヤリンダー・ブンナークです。
やはり、タイ映画という事で情報が少なく、多分だがヤリンダー・ブンナークにとってデビュー作となっています。
さすがにヒロインだけあって、それなりの容姿であるけど、キャラクターとしては非常に弱かったです。
子供向けのヒーロー物だと思っていましたが、平然とグロテスクなシーンがあって、雰囲気はダークな『グリーン・ホーネット』に肉体を使ったアクションが満載という感じでした。
レッドイーグルは特殊能力があるワケじゃないが、常人離れした運動能力は脳ミソにめり込んだ銃弾の効果だろうと思われる。
とにかく、圧倒的な肉体を使ったアクションが中心で、その中に生々しいグロさがあって、ストーリーは二の次、たまにあるギャグシーン、激しいまでのBGMという構成になっている。
それに上映時間が2時間弱というヒーロー物として長く、主な原因としては凝りに凝ったアクションシーンであろう。
2時間というワリにちっともストーリーが進まず、やっぱり最後の方では駆け足になってしまったようです。
タイ映画のアクションは確かにスゴイと思うが、できればストーリーの方をもう少し詰めて欲しいですね。
アクションが素晴らしいだけに、ストーリーがスカスカでキャラクターの背景を語るのが遅いなど、問題点は多いけど今後を期待させられる作品だと感じました。