パラドクス RE-2133

作品紹介

公開年月  2015/09/10
ジャンル  SF/サスペンス
原作  なし
監督  イサーク・エスバン
脚本  イサーク・エスバン
製作  サロモン・スケナシ、イサーク・エスバン、ほか
製作国  メキシコ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

刑事のマルコに追われた兄のカルロスと弟のオリバーが逃げ込んだ非常階段だが、1階の階段を下りるとそこは最上階の9階に出て、今度は下るとまた1階にたどり着いていた。
そうこうしているうちにマルコ刑事が追いつき、兄カルロスは足を撃たれ瀕死となり、ようやく状況を知った三人は途方に暮れる。
一方、別れた夫に子供たちを預ける為、サンドラは息子ダニエルと娘のカミーラを連れ、中年の恋人であるロベルトの運転する車で荒涼とした大地を横断するドライブに出る。
しかし、いくら走っても目的地に着かず、四人は同じ道を走っている事に気づき、カミーラは飲んだジュースの成分でアナフィラキシーの発作を起こすのだった。

登場人物&出演者

カルロス(演:ウンベルト・ブスト)
オリバー(演:フェルナンデス・アルバレス・リベイル)
刑事(演:ラウル・メンデス)
サンドラ(演:ナイレア・ノルビンド)
ロベルト(演:エルナン・メンドーサ)

感想

個人的な評価

2016年1月~3月開催の『未体験ゾーンの映画たち2016』で上映されました。
本作では冒頭から追われる兄のカルロスにはウンベルト・ブスト、弟のオリバーにはフェルナンド・アルバレス・リベイル、刑事にはラウル・メンデスが演じています。
ウンベルト・ブストは45作ほどの出演し、代表作には『世界侵略2012』があります。
物語の上ではカルロスの役目は決まっているが、ほとんど寝ているせいで誰でもいい。
フェルナンド・アルバレス・リベイルは12作ほどの出演し、長編映画として二作目となっています。
一応は主人公みたいな感じであるが、それは前半だけで後半は別の人が同じ役をやるのであまり印象に残らなかった。
ラウル・メンデスは50以上の作品に出演し、代表作には『レジェンド・オブ・ゾロ』があります。
本当の主人公という感じであるけど、ループの原因を知ってからはほとんど画面に映っていたが、あまりスッキリはしません。
家族の方ではサンドラにはナイレア・ノルビンド、ロベルトにはエルナン・メンドーサが演じています。
こちらも登場した時はもの凄く仲が良い恋人だけど、ループに入った時から豹変していく。
特にサンドラはあれだけロベルトを愛していると言ったのに、娘が発作を起こしてから別人のようにヒステリックになる。
何よりロベルトは助けようとするのに口汚く罵って、最後は諦めて抜け殻になるという残念すぎるキャラクターに。
そのロベルトはアル中だったようで、信用がなかったらしく、ループに入ってからは5年の禁酒がウソのように酒を浴びるほど飲む。
本作はループだが、あまりにも不条理すぎるし、後半では解説が入るのにとても難解である。
一度鑑賞しただけでは理解できず、本作を二度鑑賞しようとは思えないほど面白味もない。
登場するキャラクターは軒並み魅力がなく、まったく感情移入できないのが本作最大の失敗と言える。
難解な仕掛けは別に構わないが、それに付随するストーリーやキャラクターに魅力がないのは娯楽作とは言い難い。
同じループ物で『恋はデジャ・ブ』、『CUBE』、『ミッション:8ミニッツ』などは娯楽性が高い。
これらはループ物としての長所を活かしつつ、観ている側には楽しさを提供しています。
それと比べて本作は完全に製作側が上から目線で好き勝手に作って、観ている側を一切考えていないと感じた。
ループ物という意味では面白い仕掛けであるが、それを語る上でのストーリーやキャラクターが存在しない点は大きなマイナスだったと思います。