インデペンデンス・デイ:リサージェンス VD-32

作品紹介

公開年月  2016/06/24
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  ローランド・エメリッヒ
脚本  ニコラス・ライト、ジェームズ・A・ウッズ、ほか
製作  ディーン・デヴリン、ローランド・エメリッヒ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

20年前、エイリアンとの戦いに辛うじて勝利し、独立を高らかに宣言した人類は、再び迎えるであろうその時に備え、強固な地球防衛システムを築き上げてきた。
しかし、ついに再び地球に襲来したエイリアンたちは、人類の想像を遙かに超える進化を遂げていた。
元合衆国大統領ホイットモアの愛娘パトリシアの恋人で、20年前の戦いで両親を失った戦闘機パイロットのジェイクは、人類の存亡を懸けた過酷な戦いに身を投じるのだった。

登場人物&出演者

ジェイク・モリソン(演:リアム・ヘムズワース)
空軍中尉。パトリシアの婚約者。前作で両親を失い孤児に。現在は月面基地で作業員である。
リアム・ヘムズワースはクリス・ヘムズワースの弟で、代表作に『ハンガー・ゲーム』シリーズなどがあります。
元は戦闘機パイロットだったが、演習中にディランの戦闘機に接触して道が絶たれてしまう。
操縦は超一流だが、命令を無視して勝手な行動に出るという典型的な主人公タイプ。
だけど、クライマックスまで微妙な立ち回りになって、個人的なエピソードも無意味になる。

デヴィッド・レヴィンソン(演:ジェフ・ゴールドプラム)
ESD(地球防衛司令部)部長。誰よりもエイリアンの侵略に軽快をしている生活に。
ジェフ・ゴールドプラムは近年の出演作に『チャーリー・モルデカイ/華麗なる名画の秘密』、『グランド・ブダペスト・ホテル』などがあります。
前作では単なるケーブルテレビの技師が世界を救うという設定だったから魅力があった。
本作はすでにESDの部長という肩書きを持ってしまい、前作の良さを完全に食い潰した。
一応、前作同様に勝利のきっかけを生み出すが、その後は微妙な立ち回りだった。

ディラン・ヒラー(演:ジェシー・T・ユーシャー)
スティーヴン・ヒラーの義理の息子。戦闘機のエースパイロットでレガシー飛行部隊の隊長。
ジェシー・T・ユーシャーは主にテレビドラマで活躍し、映画として二作目となります。
まさに親の七光りを体現したようなエリート階層になっている残念なキャラクター。
パイロットとしての腕は一流だろうが、キャラクターとして三流レベルとなった。
とにかく、本作で一番キャラクター設定を間違えた人物で最後の方では可哀想だと思った。

トーマス・J・ホイットモア(演:ビル・プルマン)
元合衆国大統領。エイリアンのテレパシーによる影響で現在はパトリシアの介護を受ける。
ビル・プルマンは近年の出演作に『エージェント・ウルトラ』、『イコライザー』がある。
ついに立ち上がった元大統領はもはや英雄的な存在になっていて、みんなが頭を下げる。
ただ、本人はそのような感じがなく、あくまで人類の為に立ち上がっている人間の鑑。
前作のアメリカバンザイを提唱した人物だが、今度は英雄的な死で伝説になろうとする。
だけど、彼が犠牲になってからグダグダと続いたせいで、英雄的な死が忘れ去れる。

パトリシア・ホイットモア(演:マイカ・モンロー)
ホイットモアの愛娘。大統領補佐官。かつて戦闘機パイロットを目指していた。
マイカ・モンローは代表作に『とらわれて夏』、『イット・フェローズ』などがあります。
ヒロイン的なポジションになるはずが、群像劇のせいで埋もれてしまう。
クライマックスではフラグが立っていたパイロットとして、それなりの感じで活躍する。
ほとんど父親においしい場面を持っていかれたので、かなり存在感がなくなっていた。

ブラキッシュ・オーキン(演:ブレント・スパイナー)
博士。20年前はエリア51の研究チーフ。エイリアンのテレパシーで昏睡状態だった。
ブレント・スパイナーは『新スタートレック』ではデータ少佐として有名です。
エイリアンの襲来で目を覚まし、前作同様に興奮状態で率先して研究の仕事を進めていく。
人類の救いに来たバーチャルな存在の球体に接触して今後の可能性を感じて興奮する。
更に相棒的なアイザックス博士と友情劇を繰り広げるという意味不明な展開に。

ジョシュア・T・アダムズ(演:ウィリアム・フィクナー)
将軍。対エイリアン作戦の指揮を執る。死んだ大統領の代理として任命される。
ウィリアム・フィクナーは近年の出演作に『ゲティスバーグ演説』、『セイント・セバスチャン』などがあります。
頭の固い軍人ではなく、それらしい雰囲気を持つが、キャラクターとして印象が薄い。

ディケンベ・ウンブトゥ(演:デオビア・オパレイ)
アフリカの武装集団の長。マチェーテを二振り持ち、エイリアンを何体も殺してきた。
デオビア・オパレイは代表作に『ムーラン・ルージュ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/命の泉』などがあります。
エイリアンのテレパシーの影響を受けていて、そのおかげで彼らの言語が分かる。
接近戦ではマチェーテによる斬撃が的確で頼れるが、その活躍がたったの一回だけ。

フロイド・ローゼンバーグ(演:ニコラス・ライト)
デイヴィッドのところに派遣された会計官。アフリカの調査に同行するが邪魔者扱いに。
ニコラス・ライトは代表作に『ホワイトハウス・ダウン』、『「デビル・リbゲンジャー/復讐の殺人者』などがあります。
最初はみんなから邪魔者扱いされ、戦闘の素人という事でずっとオドオドしていた。
最後の方では兵士のような感じになっている典型的なパターンのコメディリリーフでした。

チャーリー・ミラー(演:トラヴィス・トープ)
孤児。ジェイクと兄弟同然に育った。左遷されたジェイクと一緒に月面基地の任務に就く。
トラヴィス・トープは代表作に『リトル・アクシデント/闇に埋もれた真実』があります。
存在自体が死亡フラグだったが、レインと一緒に行動したおかげで見事に回避した。

レイン・ラオ(演:アンジェラベビー)
レガシー飛行部隊に所属する中国人女性パイロット。月面基地司令官の姪。
アンジェラベイビーは香港出身で女優の他にファッションモデルとして活躍している。
どう見てもパイロットには見えず、中国資本の流入による強引な登場に首を傾げました。

ジュリアス・レヴィンソン(演:ジャド・ハーシュ)
デイヴィッドの父親。前作の体験を本にして公演活動する。ボートで悠々自適に暮らす。
ジャド・ハーシュはテレビドラマ『Dear John』でゴールデングローブ賞男優賞、演劇『Conversations with My Father』でトニー賞演劇主演男優賞を受賞しています。
エイリアンの巨大な宇宙船の襲来で無事に逃げ延びて息子のデイヴィッドと再会する。

ジャスミン・ヒラー(演:ヴィヴィカ・A・フォックス)
スティーヴンの妻でディランの母親。ストリッパーを辞めて看護師に転職している。
ヴィヴィカ・A・フォックスは近年の出演作に『シャークネード/カテゴリー2』、『エクスペンダブル・レディズ』などがあります。
エイリアンの巨大な宇宙船の襲来で街が崩壊する中で呆気なく死ぬという残念な扱い。

感想

個人的な評価

前作から20年の時を経て、待望の続編が登場しました。
全世界で大ヒットし、まさにアメリカバンザイ映画として有名になった前作。
ハリウッド映画の魅力を詰め込んだ前作はアメリカンじゃなくても熱くなる展開だった。
特にホイットモア大統領の演説の場面が一番盛り上がるシーンだったのは覚えている。
絶望的なエイリアンの侵略を地球人が負けない意志の力で勝利を掴んだ。
人類が一つになって大敵に挑む展開は当然のように熱い。
そして、続編となった本作は前評判から不安視され、公開されてから酷評を食らった。
どうしても前作の良すぎた出来に続編となった本作に不満を漏らす人が多い模様。
で、本作を鑑賞してみて思った事は、意図的に前作のような流れを作りつつ、新たな要素を取り入れている点です。
確かに前作と同じような展開であるが、これには2部構成という意味でやっていると思う。
前作は完成された作品であり、それに対抗する続編を作るには相当の覚悟が必要です。
では、一本の映画で収まるかというと、それはムリとローランド・エメリッヒ監督は判断していると思います。
だから2部構成にしていて、本作はあくまで2部目を盛り上げる為の作品になっている。
本作と作られるであろう続編と合わせて、一つの物語になって前作と並ぶような感じでローランド・エメリッヒ監督が考えているのだろう。
展開としては前作と似ているが、本作は決定的に登場人物の描写を減らしています。
前作は群像劇だったけど、主人公的な存在のデイヴィッドとスティーヴン、それにホイットモア大統領のキャラクターが立っていた。
しかし、本作ではデイヴィッドとホイットモアは過去の遺産、スティーヴンはもう死んだ事にして、キャラクターを軽視している。
新たに登場する若い世代も控え目なエピソードを与えて、さっさとメインの戦いに物語が入ってしまう。
20年前の侵略で孤児になったジェイク、ホイットモアの娘のパトリシアはまだいいが、スティーヴンの義理の息子ディランの扱いはヒドイ。
ディランについてはキャラクター設定を間違えているようにしか思えず、スティーヴンの良さを一つも残していない七光りにしか見えなかった。
それにデイヴィッドは中途半端、ホイットモアは英雄的な死を遂げるもその後が長くて忘れ去られるという残念な結果に。
なぜかオーキン博士と一緒にいたアイザックス博士と変な友情が芽生えるという意味の分からない展開も謎すぎる。
本作は前作の意図的な焼き回しであるが、キャラクターの設定を軽視してしまった。
その結果、引き込まれるような要素がなく、盛り上がる場面もなく、続編を期待した人は落胆するのだろう。
だが、それを踏まえた上で更なる続編の布石と考えれば、納得できる構成だと言えます。
だけど、一本の映画としては消化不良であり、もう少し盛り上げる演出が欲しかった。
それと気なったのは中国の進出で、前作では一切出なかったのに、本作では中国人女性パイロットがやたらと画面に映っていた。
戦闘機のパイロットなのに、まったく見えないアジア人の説得力のなさにガッカリした。