ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス CI-9

作品紹介

公開年月  2017/05/05
ジャンル  SF/コメディ/アクション
原作  ダン・アブネット、アンディ・ランニング

『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』

監督  ジェームズ・ガン
脚本  ジェームズ・ガン
製作  ケヴィン・ファイギ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  映画館

あらすじ

オーブを奪った事から同じはみ出し者たちと手を組み、思いがけず宇宙の危機を救ったスター・ロードことピーター・クイル。
こうして結成された“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”は家族のような絆で結ばれ、今や銀河中にその名を轟かせていた。
ある日、黄金の惑星ソヴリンの指導者アイーシャの依頼を受けるガーディアンズだが、ロケットの軽はずみな行動で彼女の怒りを買う。
危機に陥っていたガーディアンズを救ったのは、ピーターの父親と名乗る男エゴであった。

登場人物&出演者

ピーター・クイル/スター・ロード(演:クリス・プラット)
チームリーダー。地球人と古代の種族のハーフ。宇宙海賊の知識と戦術でチームを率いる。
クリス・プラットは近年の出演作に『パッセンジャー』、『マグニフィセント・セブン』などがあります。
ずっと父親のついて気になっていたが、ついにエゴと名乗る男が彼の前に立ちます。
それまで父親に憧れていたけど、いざ実際に目の前に立たれると戸惑いを感じるのでしょう。
前作ではやりたい放題で下ネタを平然と言って、仲間の為に無茶をした主人公でした。
しかし、本作では助けられる側になってパワーダウンするも本当の絆を知った時は感動する。

ガモーラ(演:ゾーイ・サルダナ)
サノスによって訓練された暗殺者。磨かれた暗殺術と身軽さを駆使するチームの調整役。
ゾーイ・サルダナは近年の出演作に『夜に生きる』、『スター・トレック/BEYOND』などがあります。
暗殺者として暗い過去を背負っていたが、チームに入ってから明るくなっている。
無茶ばかりする他のメンバーと違って、確実性を第一にして慎重な行動が目立っている。
本作ではピーターと対比するように、妹のネビュラとの姉妹関係が進展します。
お互い競うライバルであったが、本作でついに姉妹である事を再認識する事になる。

ドラックス(演:デイヴ・バウティスタ)
ロナンへの復讐の為に生きていた戦士。強靱な肉体と二本のナイフを使うチームの特攻。
デイヴ・バウティスタは近年の出演作に『ブレードランナー/2049』、『キックボクサー/リジェネレーション』などがあります。
思った事をストレートに言うデリカシーのないヤツだが、どこか憎めないところがある。
前作では復讐心に駆られて暴走するが、本作でも後先考えず無礼な言葉を口にする。
特にマンティスへの侮辱は凄まじいけど、そこには悪意がなく、不器用な愛情表現である。
本作ではアクションよりも存在感で目立っていて、彼の爆笑は良いギャグであった。

ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)
遺伝子改造されたアライグマ。武器の改造や製造、作戦の立案などを担うチームの頭脳。
ブラッドリー・クーパーは近年の出演作に『ウォー・ドッグス』、『ジョイ』があります。
チームの中で今でも壁を作っていて、ピーターとは憎まれ口をたたき合う仲となっています。
相変わらず容姿についてバカにされると怒るが、その体だからこそできる事があります。
本作では腹を割って話すタイプではないが、ヨンドゥとの会話で彼の思いが分かる。
最後に彼が流した涙には本当の仲間を知った事で流したモノだと言えるだろう。

ベビー・グルート(声:ヴィン・ディーゼル)
木のヒューマノイド。種族最後の生き残り。前作の犠牲から枝から成長している。
ヴィン・ディーゼルは近年の出演作に『ワイルド・スピード/ICE BREAK』、『トリプルX:再起動』などがあります。
本作ではようやく歩けるようになるけど、前作のように激しい戦闘はできません。
その代わり、チームのマスコット的なキャラクターとして冒頭から魅力を全開にする。
可愛らしい姿になっているが、前作と同じくキレると恐ろしい表情になります。
その小さな体はガーディアンズを助けるカギになるのは言うまでもないでしょう。

【宇宙海賊ラヴェンジャーズ】

ヨンドゥ(演:マイケル・ルーカー)
宇宙海賊ラヴェンジャーズのリーダー。前作でストーンの偽物を掴まされるも逃していた。
マイケル・ルーカーは近年の出演作に『ザ・ブラックナイト』、『独房の生贄/悪魔が棲む213号室』などがあります。
本家のラヴェンジャーズが守るべき掟を破り、恩人であるスタカーから追放されていた。
なんとか理解してもらおうとするが、突き放され、それを見た仲間から不信感を買われる。
結果としてテイザーフェイスたちの反乱でリーダーを降ろされ、ロケットたちと逃亡する。
エゴがピーターの父親であるが、育てたのが自分で立派な男になった事を誇りに思っていた。

クラグリン(演:ショーン・ガン)
ヨンドゥのラヴェンジャーズのメンバー。ピーターばかりを可愛がる事に嫉妬していた。
ショーン・ガンは代表作に『トロメオ&ジュリエット』、『スーパー!』などがあります。
テイザーフェイスに従ってヨンドゥに反旗を翻すが、途中で間違っている事に気づく。
真のラヴェンジャーズとして戦死したヨンドゥの矢を引き継ぐ事になる。

テイザーフェイス(演:クリス・サリヴァン)
ヨンドゥのラヴェンジャーズのメンバー。テイザーフェイスという名前を誇りに思う。
クリス・サリヴァンは代表作に『クライム・ヒート』、『夜に生きる』などがあります。
ピーターを見逃した事で不信感を持ち、腑抜けとなったヨンドゥに反旗を翻す事に。
人質になったロケットから名前をバカにされ、実は仲間からもおかしいと笑われていた。

スタカー・オゴルド(演:シルヴェスター・スタローン)
本家の宇宙海賊ラヴェンジャーズのリーダー。掟を破ったヨンドゥを追放している。
シルヴェスター・スタローンは近年の出演作に『ゲットバッカーズ』、『リベンジ・マッチ』などがあります。
ラヴェンジャーズはガーディアンズと同じく、家族のような絆を持っていると語った。
ヨンドゥを追放したが、それは決して本意じゃなく、それを示すように最後は彼を見送る。

【その他】

ネビュラ(演:カレン・ギラン)
ガモーラとともにサノスの元で育った。ソヴリンの電池を盗もうとして捕まった。
カレン・ギランは近年の出演作に『バレー・オブ・バイオレンス』、『マネー・ショート/華麗なる大逆転』などがあります。
ソヴリンを侵略した巨大なエイリアンを倒す代わりに、ガーディアンズへ引き渡される。
ガモーラに対して異様な敵意を持っていて、ガーディアンズのやり方を理解できない。
ヨンドゥをリーダーから引き下ろす事になるが、その目的はあくまでガモーラただ一人。
ガモーラの謝罪を受けて妹として仲間にスカウトされるも拒否して、単独で父を倒すへ出る。

アイーシャ(演:エリザベス・デビッキ)
惑星ソヴリンの指導者。黄金でできた惑星の支配者で、自分たちこそ完璧な生命体と語る。
エリザベス・デビッキは代表作に『コードネームU.N.C.L.E.』、『エベレスト3D』がある。
自国民の犠牲を許さず、侵略した巨大なエイリアンをガーディアンズに退治を依頼した。
そこでロケットの手癖の悪さが働き、大事な電池を盗まれた事でガーディアンズを極刑に。
自分たちこそが一番だと思っているので、出し抜かれた事実に耐えられずどこまでも追う。
多くの損失を出した責任を問われるが、転んでもただじゃ起きない危険な思想に変わる。

マンティス(演:ポム・クレメンティエフ)
額から二本の触手が伸び、触る事で相手の感情を知り、多少なら変える事ができる。
ポム・クレメンティエフは代表作に『オールド・ボーイ』などがあります。
幼虫の頃にエゴに拾われ、眠れない彼を眠らせる為に付き従っていた。
エゴの計画を知っていて怯えていたが、頼れるガーディアンズにすべてを話す。
他人と関わった経験がないせいで、笑顔は非常にブサイクで、ドラックスから指摘される。
ドラックスと仲良くなって醜いと言われるが、それは彼なりの愛情表現だと受け止める。

エゴ(演:カート・ラッセル)
ピーターの父親。ピーターの母親に宇宙人だと正体を明かすも、二人は愛し合っていた。
カート・ラッセルは近年の出演作に『バーニング・オーシャン』、『ワイルド・スピード/ICE BREAK』などがあります。
その正体は天人(セレスティアル)と呼ばれ、元々は巨大な脳ミソで惑星を作っている。
ピーターを息子として迎え、惑星でともに暮らす事を提案して父親として接した。
しかし、その目的は宇宙にあるすべての惑星を自分と同期して支配者になるというモノ。
最終的に本当の絆を持つガーディアンズを守るピーターによって倒される事になる。

感想

個人的な評価

本作は『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの第15作目となります。
MCUでは初の宇宙を舞台にした前作では、決してメジャーではないキャラクターたちがチームを作って活躍しました。
アメコミでは有名なキャラクターたちが独自の世界観を提示する中、本作はそれらとは違った雰囲気をMCUにもたらしてくれました。
基本的にMCUはシリアスな物語が多い中、本作は70年代~80年代の音楽をバックに軽いノリで展開させていました。
これが大いに受けて、MCUシリーズの中でも高い評価となって、独自のポジションを築く事になりました。
個人的にノリの良い曲に乗せた物語と上手く調和し、個性豊かなキャラクターたちの活躍が非常に心地良かったです。
それぞれのガーディアンズにはちゃんとバックボーンがあって、彼らの共通点は孤独という点では逆に強い絆が生まれている。
ハッキリ言って、今までのスーパーヒーローと比べて欠点だらけのガーディアンズだが、それもまた彼らの魅力でもある。
そんな本作では宇宙でも認められるチームとなったガーディアンズだけど、相変わらずメンバーはそれぞれ自由な立場にあります。
リーダーと言いながらもチームの代表的な感じのピーター、あくまで事務的に進めようとするガモーラ、常に楽しんでいるドラックス、何かと余計な事をするロケット、マスコットキャラになったベビー・グルート。
メンバーの個性については冒頭から始まる巨大なエイリアン退治に集約されている。
本来ならアクションをメインにするべきだが、本作はそれをバックにベビー・グルートの可愛らしさをアピールしている。
このちょっと外した演出こそが本シリーズの持ち味であり、本作でもしっかりと魅せている。
しかも、MCUシリーズの中で広大な宇宙を舞台にしているので、スケールは比べ物にならないのです。
本作のメインとなるのは“家族の絆”となっていて、主にピーターが中核を担い、そこにガモーラとロケットの深い感情を描写しています。
それに加え、ピーターを誘拐した宇宙海賊ラヴェンジャーズのヨンドゥが意外な活躍をする。
上映時間は2時間半だが、それだけのボリュームのある濃い内容となっています。
ストーリーこそアメコミ原作映画らしく単純明快だが、本作では重厚な宇宙の映像描写は実に素晴らしいのです。
アクションはきちんとあるけど、本作ではガーディアンズよりも、ヨンドゥの活躍がかなりのウェイトを占めていた。
前作ではアクションがちょっとだけだったヨンドゥだが、本作では惜しみなく矢を飛ばして敵を倒していく姿がカッコいいのです。
何よりヨンドゥとピーターの関係性が誘拐した側と、誘拐された側だけじゃないと分かる。
“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”とは単なるビジネス仲間ではなく、彼らこそ本物の家族だと分かる物語は非常に熱いモノを感じさせる。
もちろん、前作から打ち出している70年代~80年代の音楽やカルチャーは味がある。
その時代を生きた人間には懐かしさと同時に共有する新しさを出した本シリーズは、新たなる可能性を魅せている作品だと思います。
基本的に本シリーズはコメディベースであるが、クライマックスではしっかりと泣かせてくれる感動がありました。
今後、ガーディアンズはアベンジャーズとどのように関わっていくのか、非常に楽しみです。