作品紹介
公開年月 | 2018/08/03 |
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ジャンル | ファンタジー/ドラマ |
原作 | A・A・ミルン 『クマのプーさん』 |
監督 | マーク・フォースター |
脚本 | トム・マッカーシー、アレックス・ロス・ペリー、ほか |
製作 | ブリガム・テイラー、クリスティン・バー |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
親友のくまのプーや仲間たちと別れて長い年月が経ち、大人になったクリストファー・ロビンは日々仕事に追われていた。
会社から託された難題と一緒に時間を過ごせない家族との問題にクリストファーは悩む中、突然現れたプーと仲間たち。
喜びと懐かしい日々を感じながらも仕事に戻らなければならないクリストファーは、大切なモノを届ける為にやって来たのだった。
登場人物&出演者
・クリストファー・ロビン(演:ユアン・マクレガー)
主人公。子供の頃に「100エーカーの森」で“くまのプーさん”と仲間たちと暮らしていた。
ユアン・マクレガーは近年の出演作に『ホンモノの気持ち』、『美女と野獣/2017年版』などがります。
大人になって結婚して子供を授かるも社会人として忙しくなり、家族と疎遠になってしまう。
プーさんと再会するもそれどころじゃなく、振り回されて森に帰すべく故郷へ帰る事になる。
娘がロンドンで行方不明になって会議を放り出し、そこで大切な家族愛を再確認した。
最後はプーさんの助言で仕事が成功し、休暇を過ごすべく家族とともに森で一緒に楽しむ。
・イヴリン・ロビン(演:ヘイリー・アトウェル)
通勤バスでクリストファーと初めて会う。そこで彼と意気投合して結婚する事になった。
ヘイリー・アトウェルは代表作に『ある公爵夫人の生涯』、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』などがあります。
娘のマデリンを授かるもずっと家から離れていたクリストファーとは疎遠になってしまう。
週末はクリストファーの故郷で過ごす予定をキャンセルされ、更に溝が深くなっていく。
ロンドンに行ったマデリンを探すべくクリストファーを呼び出し、プーさんたちの事を知る。
最後はクリストファーの家族を優先する姿勢で和解し、一緒に森で休暇を過ごした。
・マデリン・ロビン(演:ブロンテ・カーマイケル)
クリストファーの一人娘。多忙を送っていたクリストファーに構ってもらうべく頑張る。
ブロンテ・カーマイケルは代表作に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』、『追想』などがあります。
寄宿学校に入れられる事で家族の時間を大切にするが、クリストファーに拒まれてしまう。
クリストファーの故郷で勉強していたが、クリストファーがいてすぐに帰ると荒れる。
プーさんたちと出会って、ロンドンへ書類を届けるべく彼らを連れて勝手に出て行った。
最後はプーさんたちのおかげでクリストファーの家族愛が復活し、森で一緒に休暇を過ごす。
・ジャイルズ・ウィンズロウ(演:マーク・ゲイティス)
ウィンズロウ社の社長の息子。戦争によって会社の業績が落ちてカバン部門の閉鎖を考える。
マーク・ゲイティスは代表作に『バースデイ・ガール』、『ヴィクター・フランケンシュタイン』などがあります。
週末までクリストファーに書類をまとめるよう促し、家族との時間を削るべきだと説得する。
部下を切り捨てる役をすべてクリストファーに押しつけ、自身はゴルフを楽しんでいた。
娘を探す為に会議室を出たクリストファーのカバンの中身を見て、イカレたと主張していた。
最後はクリストファーの意見を取り入れた父親に説教され、発言できずに引っ込んだ。
【100エーカーの森の住民】
・プー(声:ジム・カミングス/吹替:かぬか光明)
ハチミツが好物のくまのぬいぐるみ。クリストファーとは大親友でずっと約束を守っている。
ジム・カミングスは代表作に『スモール・ソルジャーズ』、『ベイブ/都会へ行く』がある。
かぬか光明は代表作に『チベット犬物語/金色のドージェ』、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』などがあります。
森に仲間がいないと知ってクリストファーの家まで行くが、悪気なく迷惑をかけてしまう。
追い詰められ声を荒げたクリストファーの前から姿を消すが、約束した場所で彼を待つ。
疲れ切ったクリストファーに助言をしていたが、彼は分からなかったが最終的に理解した。
最後はクリストファーが仕事で成果を上げ、家族の大切さを知って一緒に森で過ごした。
・ティガー(声:ジム・カミングス/吹替:玄田哲章)
お調子者の虎のぬいぐるみ。破天荒な性格でいつも動き回って仲間に迷惑をかけてしまう。
玄田哲章は近年の代表作に『劇場版 幼女戦記』、『劇場版 シティーハンター』がある。
プーさんの為に森まで探しに来たクリストファーがピグレットを追って再会を果たす。
ズオウと戦ってやっつけた事でクリストファーとの再会を認識し、一番はしゃいでいた。
マデリンと遭遇しクリストファーの書類を取り替えた事が問題となり、届ける原因を作る。
ロンドンの街でも自由に暴れ回り、マデリンとプーとはぐれるもクリストファーと遭遇する。
最後はクリストファーが家族の大切を知り、一緒に森へ帰って彼の家族を休暇を過ごした。
・イーヨー(声:ブラッド・ギャレット/吹替:石塚勇)
陰気なロバのぬいぐるみ。何事も悲観的に捉えてしまい、友達思いで寂しがり屋である。
ブラッド・ギャレットは代表作に『キャスパー』、『ナイト・ミュージアム』シリーズなどがあります。
石塚勇は代表作に『カントリー・ベアーズ』などがあります。
プーさんの為に森まで探しに来たクリストファーが川に流されているところで再会する。
最初はズオウの仲間だと思われたが、クリストファーがズオウと戦う姿を見て納得させた。
最後はマデリンの案内でクリストファーの元にたどり着き、彼の家族と森で休暇を過ごした。
・ピグレット(声:ニック・モハメッド/吹替:小形満)
臆病なコブタのぬいぐるみ。プーの大親友。体が小さく自信がなくても仲間から信頼が厚い。
ニック・モハメッドは代表作に『オデッセイ』、『ブリジット・ジョーンズの日記/ダメな私の最後のモテ期』などがあります。
小形満は代表作に『銀河英雄伝説外伝/黄金の翼』、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄』などがあります。
プーさんの為に森まで探しに来たクリストファーと再会するもズオウだと勘違いされる。
みんなの元に逃げてクリストファーを道案内してしまい、仲間から非難されてしまう。
クリストファーの書類を届けるべくロンドンに向かうプーさんに説得されて一緒に行く。
最後はクリストファーの家族とともに森へ戻って、一緒に休暇を楽しむ事となった。
感想
個人的な評価
本作は1926年にA・A・ミルンが発表した児童小説『クマのプーさん』を基に作れています。
監督のマーク・フォースターは『ワールド・ウォーZ』、『007/慰めの報酬』、『主人公は僕だった』などで知られています。
「くまのプーさん」は世界的に有名なキャラクターであり、特にぬいぐるみは絶大な人気を博しています。
そんな有名なキャラクターがアニメではなく、まさかの実写映画化で多くの人が驚いたはず。
当初のイメージ画像では背景の暗さでホラー的な印象を持たれたが、実際に鑑賞すると真逆の感想を抱くだろう。
本作こそ、忙しい現代人が観るべき作品であり、疲れ切って余裕のない人が観れば心に訴えるモノがあると思います。
ずっとマイペースでノンビリとしたプーさんの存在は癒しになっていて、彼に流れるゆったりとした時間は現代社会の忙しさと対極にあります。
主人公であるクリストファー・ロビンは家族を守る為に仕事を優先し、いつしか本末転倒な状況に陥ってしまう。
これは多くの日本人に見覚えのある状況で、家族の為に仕事をしていたが、いつの間にか家族との縁が薄くなって崩壊していく。
その寸前で現れたプーさんは救いの主であって、道に迷っていた主人公に現状を示して的確なアドバイスを与えています。
時間に余裕のない現代人にプーさんの生き方は多くのモノを思い出させてくれるし、一度立ち止まって「何もしない」事もまた一つの答えだと教えてくれた。
本作が実写映画として意味がないと思う人も少なからずいるが、これは実写映画じゃないと伝わらないメッセージが込められています。
そこを分からない人は社会の厳しさを知らない甘ちゃんで、本作を観て涙を流す人こそ作品の意味がしっかりと分かっていると思います。
生活が荒れて迷っている人は特に鑑賞するべき作品であって、本作を観て自身の現状を振り返る映画だと感じさせました。