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恐怖!黒猫 RE-2551

恐怖!黒猫 RE-2551

作品紹介

公開年月  1981/04/04
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  エドガー・アラン・ポー 『黒猫』
監督  ルチオ・フルチ
脚本  ビアジオ・プロイエッティ、ルチオ・フルチ
製作  グィリオ・スバルギア
製作国  イタリア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

イギリスのある村で若い男女が失踪する事件が発生し、地元警察のウィルソン巡査部長とロンドン警視庁のゴーリー警部補は捜査を始める。
しかし、二人の居場所を突き止めたのは死者の声を聞く為、墓場へ度々出没する謎の霊媒師マイルズ。
遺跡を取材していたカメラマンのジルは、死体の撮影を依頼されると、独自に調査しているうちに連続殺人事件の裏にマイルズの黒猫が関わっている事を突き止めるのだった。

登場人物&出演者

マイルズ(演:パトリック・マギー)
霊媒師。夜な夜な墓場に行ってテープレコーダーを持って死者との会話を試している。
パトリック・マギーは代表作に『時計じかけのオレンジ』、『炎のランナー』があります。
不気味な黒猫を飼っているが、実際は自分を殺す為に棲み着いているだけだという。
娘の喪リーンが死体で発見されたが、すべては黒猫の仕業だと睨んで首を吊した。
しかし、復活した黒猫によって避けられない運命だと知って運命を委ねる事になる。
疑うジルを監禁して隠すも、黒猫の鳴き声で居場所がバレ、その場で逮捕される。

ジル(演:ミムジー・ファーマー)
アメリカ人の女カメラマン。村にある遺跡の撮影に来たが、事件が発生して巻き込まれる。
ミムジー・ファーマーは代表作に『スペンサーの山』、『ベレッタの女/最後の誘惑』がある。
村にカメラマンがいなかったという事でウィルソンたちの要請で殺人現場の撮影をする。
映した写真の遺体から猫によるひっかき傷を見つけ、それが黒猫の仕業だと知る。
黒猫が連続殺人の実行犯だが、その黒幕がマイルズだと予測するも逆に捕まってしまう。
最後はゴーリーたちがマイルズの家で彼女を発見して無事に助け出した。

ウィルソン(演:アル・クライヴァー)
地元警察の巡査部長。黙って墓の中い入ったジルに魂が呪われると注意していた。
アル・クライヴァーは代表作に『卒業生』、『青い体験/誘われて』などがあります。
事件について捜査を続けているゴーリーの助手役として無難にこなしていく。
ケガを負って満足に動けないゴーリーに代わってフリンに状況を説明する。
ゴーリーとともにマイルズの家を訪れると、そこで監禁されたジルを発見した。

ゴーリー(演:デヴィッド・ウォーベック)
ロンドン警視庁の警部補。若い男女が失踪した事で要請を受けて猛スピードでやって来た。
デヴィッド・ウォーベックは代表作に『夜明けの舗道』、『サスペリア2007』があります。
次々と起こる村での不可解な事故死について調査して関連性を見出していく。
ジルの宿泊先から帰る途中で黒猫に遭遇し、意識を奪われて歩かされ車に撥ねられて脱落。
派手に撥ねられたワリに左腕だけのケガで済むという強運の持ち主で捜査に復帰する。
マイルズの家で黒猫の鳴き声をたどり、隠されたジルを発見して無事に救出した。

リリアン・グレイソン(演:ダグマー・ラッサンダー)
マイルズの元妻。現在はマイルズの隣の家に住み、若い男を連れて一夜を過ごす。
ダグマー・ラッサンダーは代表作に『激しい女』、『誘惑のオブセッション/白い肌の淫らな幻想』などがあります。
マイルズの超能力でモリーンの居場所を突き止めるが、すでに死亡した事に悲しむ。
余計な事をしたとして黒猫に狙われ、家が火事になって火だるまとなり外へ身を投げ出す。

フリン(演:ジェフリー・コプルストン)
事故死したゴーリー警部補の代わりとしてやって来る。パイプを加えた中年の男。
ジェフリー・コプルストンは代表作に『ピンク・ロブスター』、『サスペリア2000』がある。
今度はジルが行方不明となって、ウィルソンとともに彼女の宿泊先で手がかりを探す。

感想

個人的な評価

本作はエドガー・アラン・ポーの同名短編小説を基に実写映画化した作品。
エドガー・アラン・ポーはインパクトのある名前で聞いた事があるけど、実際に彼の小説は一度も読んだ事がありません。
そんな本作で監督を務めるのはイタリア出身のルチオ・フルチとなっています。
ルチオ・フルチ監督と言えば、スプラッター映画の巨匠として知られ、ゾンビ映画『サンゲリア』が特に有名です。
ポーの特徴的な作風であるゴシック風の恐怖小説、そこにルチオ・フルチ監督のスプラッター描写が融合した作品となる。
それが上手くいけば素晴らしい作品になるが、世の中、そんなに甘いモノではないです。
本作はなんの前触れもなくいきなり始まるという準備運動もないスタートとなります。
心の準備ができないまま本編に突入するので、すぐに鑑賞モードにスイッチを入れないといけない仕様となっている。
この演出に関しての意味合いはよく分からないが、観ている側に余計な事を考えさせないという効果があるのかもしれない。
本作はとにかく、黒猫が次々と村の住人を殺していくが、その理由がハッキリと明言されていません。
黒猫にマイルズの魂が宿って殺しをしているヒロインが推測しているけど、それだけで本当の理由が解明されていない。
本作は70年代後半の独特な音のデカイBGMが冴え渡り、ルチオ・フルチ監督のスプラッター描写も控え目ながらちゃんとありました。
ただし、エドガー・アラン・ポーの小説とルチオ・フルチ監督のスプラッターは残念ながら調和していなかったです。
すべての始まりが唐突で説明がなく、そこにいきなり強烈な死体が映るので、非常にバランスの悪い作品に感じました。
欧米諸国では黒猫は不屈の象徴という迷信があって、そこから本作が誕生しているだろう。
特に西洋の魔女では儀式や使い魔などで多く登場しているので、不思議な力を持っていると信じられている部分もあります。
ただ、イギリスの一部地域では幸運の象徴とも呼ばれ、それを本作のオチに使っている可能性もあるのかもしれません。
そこら辺の予備知識がないと本作の深いところまでは理解できないのも少し痛いです。
やはり、ルチオ・フルチ監督は単純なスプラッター映画だけを作るべきで、有名な小説を原作にしちゃいけないと分かる作品でした。