ウォークラフト MY-259

作品紹介

公開年月  2016/06/06
ジャンル  ファンタジー
原作  ブリザード・エンタテインメント 『ウォークラフト』
監督  ダンカン・ジョーンズ
脚本  チャールズ・リーヴィット、ダンカン・ジョーンズ
製作  トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入ブルーレイ

あらすじ

長い平和な時代が続いていたアゼロスだったが、別世界のドラエナーに暮らしていたオーク族が荒廃した故郷を捨て、新たな定住の地として侵攻を開始する。
アゼロスの平和を守っていた人間たちは、強大な魔力を持つガーディアン、メディヴの力を借り、オークとの全面戦争を決意する。
そんな中、アゼロスの騎士ローサーは、人間とオークのハーフ・ガローナと心を通わせ、互いに協力して戦争を回避しようと模索していく。
一方、オーク族の気高き騎士デュロタンもまた、この戦いに疑問を持ち、人間との共存を願い大きな決断をするのだった。

登場人物&出演者

【アライアンス】

サー・アンドゥイン・ローサー(演:トラヴィス・フィメル)
アゼロス側の主人公。騎士で王妃の兄。妻は息子が生まれた時に亡くなっている。
トラヴィス・フィメルは代表作に『エクスペリメント』、『ギャングバスターズ』などがあります。
レイン王とは友人のような間柄であり、守護者のメディヴとも親交がある。
情報を聞き出す為に捕らえたガローナを最初疑うも、次第に心を通わせていきます。
物語の主人公としては活躍の場はそれほどなかったが、最後だけはちゃんと見せ場があった。

メディヴ(演:ベン・フォスター)
強大な魔力を持つガーディアン。アゼロスを守る為に存在する絶対的な守護者として君臨。
ベン・フォスターは近年の出演作に『最後の追跡』、『インフェルノ』などがあります。
オークがアゼロスを侵略してきた辺りから、頼りになる存在になるはずが弱体化している。
途中から行動が怪しくなっていき、予想通りの黒幕でしたという王道すぎるパターンでした。

レイン王(演:ドミニク・クーパー)
アゼロス・アライアンスを統べる王。政治力だけではなく、戦場でも勇猛果敢に剣を振るう。
ドミニク・クーパーは代表作に『マンマ・ミーア!』、『デビルズ・ダブル/ある影武者の物語』などがあります。
王らしく国を第一に思っていて、当初の作戦では防衛を中心にする辺りが分かりやすい。
権力に溺れるような王とは正反対であり、国を守る為に自らの命を使うほどの賢王でした。

カドガー(演:ベン・シュネッツァ)
キリン・トアから逃げ出した見習い魔法使い。オークの侵略にいち早く気づいた人物。
ベン・シュネッツァは代表作に『やさしい本泥棒』、『パレードへようこそ』があります。
一応、アゼロスの主人公はローサーだが、カドガーも主人公と言ってもいい活躍をしている。
アゼロスを守るはずだったメディヴがフェルに支配された時、最も頼りになってくれた。
その活躍は主人公と言ってもいいぐらいで、思っていた以上に仕事をしています。

タリア(演:ルース・ネッガ)
レイン王の妃でローサーの妹。囚われていたガローナに優しい言葉を与えて安心させる。
ルース・ネッガは主に舞台で活躍し、映画の代表作に『Loving』があります。
レイン王が戦死しても気丈に振る舞い、次なる戦いに兄のローサーを新たな王として迎える。

【ホード】

デュロタン(演:トビー・ケベル)
フロストウルフの若き氏族長。妻のドゥラガは息子を宿している。オークの習わしに忠実。
トビー・ケベルは代表作に『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』、『ファンタスティック・フォー』などがあります。
当初はアゼロスへの侵略に参加しているが、グルタンの恐ろしい力に疑問を持ち始める。
やがて、グルタンの力こそが真の敵と見定め、オーク族を守る為に立ち上がります。
確かに顔や体格をみれば、恐ろしい印象を受けるが、実は物事を正しく見極める人物である。
クライマックスではオークの戦士らしく、グルタンの危険さを自らの体で証明する。

ガローナ(演:ポーラ・パットン)
ヒロイン。オークと人間のハーフ。名はオーク族の言葉では“呪われた”という意味を持つ。
ポーラ・パットンは代表作に『デジャヴ』、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などがります。
グルタンからは奴隷のような扱いで、他のオークからも半端者として見下されていた。
人間に捕らわれた当初はオークらしい立ち振る舞いをするが、平等に扱ってくれる事で改心。
気づいたらレイン王と肩を並べてオークを倒していく大活躍をする立ち回りをみせる。

オーグリム(演:ロバート・カジンスキー)
フロストウルフ族の戦士。デュロタンとは幼馴染みで、彼にとって信頼するべき右腕。
ロバート・カジンスキーは代表作に『パシフィック・リム』、『キューティ・コップ』などがあります。
グルタンを倒す為に人間と組む事に最初は同意するも、途中で考えが変わって裏切る。
しかし、幼馴染みであったデュロタンが正しいと気づいて戻ってくる。

ブラックハンド(演:クランシー・ブラウン)
ブラックロックの氏族長。オーク族の中で大きな勢力で同時に戦士長を務めている。
クランシー・ブラウンは代表作に『ショーシャンクの空に』、『スターシップ・トゥルーパーズ』などがあります。
人間の襲撃で戦士が倒れた事をグルタンから責められ、オークの習わしで死の罰を受ける。
だが、デュロタンの介入で左腕だけを切り落とされた事で命を取り留める。
グルタンからフェルの力を浴びて力が増大するも人格が失われてしまう。

グルダン(演:ダニエル・ウー)
オーク族を束ねる魔術師。滅びの魔法であるフェルを操り、オークの習わしすら無視する。
ダニエル・ウーは映画監督しても活躍し、俳優としての代表作に『香港国際警察/NEW POLICE STORY』があります。
荒廃したオークの世界を捨てて、ポータルを開いて豊かなアゼロスへの侵略を企てる。
フェルの力で他のオークよりも圧倒的な強さを持っているが、戦士として誇りは失っている。

感想

個人的な評価

姉妹作である『スタークラフト』とともに全世界で大ヒットし、未だにトップクラスの売上を誇っているMMORPG。
ゲーム原作映画では『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』が興行収入1位だったが、本作はそれを抜き去り単独の1位を獲得しています。
ただ、批評家からは評価があまり良くないらしいが、これはゲーム原作映画なら珍しい事ではありません。
そもそも、ゲーム原作映画はストーリー性よりもゲーム性が高い為、ドラマの部分が弱いのは仕方ない事だと思う。
MMORPGについてだが、基本的にコンピュータゲームだが、過去に一度だけやった事があるけど、ハマる人はとことんハマるゲームだと思う。
とにかく、本作はゲームで作り上げた独自の世界観を進歩した映像技術で表現しています。
これまでファンタジー映画の名作と言えば、ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』だろう。
しかし、『ロード・オブ・ザ・リング』ではなるべくCGを使わず、昔ながらの技法を多く使っていました。
そんな本作は現代の映像技術を象徴するような作品になっていると思います。
革新的な映像技術が最も実感できるのは、侵略してきたオーク族たちの表情でしょう。
これまで作り物のCGっぽさが多かったけど、本作はまるで本当に存在しているかのような自然すぎる動きに驚きました。
特に表情が細部まで役者とCGが調和していて、これほど映像技術の進歩を実感できる作品だと言えるだろう。
ストーリーの方は王道的な侵略する者と守る者と戦であるが、ちょっとした仕掛けがある。
これは本作だけの為ではなく、完全にシリーズ化を狙ったような布石となっている。
さすがに歴代1位の興行収入を得ている本作は、このままシリーズ化してもいいと思う。
多くの批評家から芳しくない評価を受けているけど、それについては彼らの見ているところと、本作が目指し地得るところが違うからでしょう。
本作は独特な世界観と映像技術を魅せる事が第一であり、そこにストーリーやドラマ性を求めるのはあまりにも欲張りすぎる。
多分、重厚なストーリーを作るとすれば、とても1本の映画には収まらないのでしょう。
だけど、本作はちょっとずつ良いところを摘んでいて、深く見るには物足りないが、シリーズの第一歩としては充分すぎる。
まさにエンターテイメントという感じの作品であり、だからこそヒットしていると思う。
今後はシリーズ化される事に多大な期待があると同時に、少しばかり不安がよぎってしまう。
一作目は世界観の説明、映像技術の進歩、今後の布石としていいが、今後の二作目からはどう展開させるかにかかっている。
二作目の方向性を間違えてしまうと、かなり残念な作品になってしまうと思う。
なので、製作側の真価が問われるのは二作目であり、監督のダンカン・ジョーンズが続投すれば、彼の実力にもかかってくるはずだろう。