アンダーワールド/ブラッド・ウォーズ MY-263

作品紹介

公開年月  2017/01/06
ジャンル  ホラー/アクション
原作  なし
監督  アンナ・フォースター
脚本  コリー・グッドマン
製作  トム・ローゼンバーグ、ゲイリー・ルチェッシ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入ブルーレイ

あらすじ

長老殺しの罪で同胞から追放され、孤独な逃亡生活を送るヴァンパイア族の処刑人セリーン。
ある日、新たなリーダーであるマリウスに率いられたライカン族の猛攻の前に劣勢を強いられたヴァンパイア族に呼び戻され、戦士の養成を依頼される。
だが、彼女の血を狙うヴァンパイアの裏切りに遭い、絶体絶命の窮地に陥るセリーンだった。

登場人物&出演者

セリーン(演:ケイト・ベッキンセイル)
主人公。ヴァンパイア族とライカン族に追われ、娘イヴの居場所も知らず孤独に生きる。
ケイト・ベッキンセイルは近年の出演作に『ミラクル・ニール!』、『天使が消えた街』などがあります。
逃亡する生活の中で前作で生き返らせたデヴィッドの助力で追っ手から逃げていた。
娘イヴの居場所は知らず、知るつもりはないと宣言しているが、心の中で求めている印象。
コルヴィナスの血を受け継いだ最強の戦士だが、本作では悲壮感がより際立っている。
そして、主人公の特権である新たな力を手に入れるも、意外にも弱くて微妙だった。

デヴィッド(演:テオ・ジェームズ)
ヴァンパイア族。前作でセリーンが持つコルヴィナスの血によって生き返っている。
テオ・ジェームズは代表作に『恋のロンドン狂騒曲』、『ダイバージェント』シリーズなどがあります。
セリーンの娘を探す目的で彼女とともに行動するが、ライカン族の勢力が増していると知る。
東の一族を束ねるセミラに気に入られるが、命を助けてもらったセリーンを選んでいる。
セリーンとともに北の一族を訪れると、母親が長老の一人であるアメリアの息子と判明する。
途中で離脱したセリーンの代わりに物語を進める主人公のような立ち回りもしました。

セミラ(演:ララ・パルヴァー)
東の一族を束ねる。元老院に選出されたばかりだが、更なる権力を手に入れようとする。
ララ・パルヴァーは代表作に『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『パッチ・オブ・フォグー/偽りの友人』などがあります。
急激に力をつけてきたライカン族からヴァンパイア族を守る為にセリーンを呼び出す。
名目上は処刑人の育成だが、実はビクターを殺したセリーンの血が目的であった。
セリーンを助けたトーマスを殺害するが、戻ってきたデヴィッドによって粛清される。

ヴァルガ(演:ブラッドリー・ジェームズ)
東の一族に属する処刑人。40体のライカン族を倒し、セリーンと張り合う。
ブラッドリー・ジェームズはテレビドラマ『魔術師マーリン』が代表作となります。
セミラにとって忠実な部下で兵士、更に愛人として彼女の為に働いている。
しかし、彼の信念は指導者を守る事で、反旗を翻したセミラと敵対し、デヴィッドにつく。

トーマス(演:チャールズ・ダンス)
西の一族を束ねていたリーダー。前作でデヴィッドを落胆させるも本作で仲直りする。
チャールズ・ダンスは近年の出演作に『チャイルド44/森に消えた子供たち』、『黄金のアデーレ/名画の帰還』などがあります。
セリーンの娘を引き渡した事を後悔し、彼女が息子を救ってくれた事に感謝する。
その恩返しとして、デヴィッドにセリーンを逃す為に命を賭してセミラたちを止めた。

カシウス(演:ジェームズ・フォークナー)
ヴァンパイア族の元老院の中心人物。保守的でセミラの選出にはあまりいい顔をしない。
ジェームズ・フォークナーは代表作に『ブリジット・ジョーンズの日記』、『バンク・ジョブ』などがあります。
攻めてきたライカン族を迎え撃ち、最後まで勇敢に戦っていました。

レナ(演:クレモンタイン・ニコルソン)
北の一族に属する長老の娘。神秘的な力を持ち、驚異的な身体能力を持っている。
クレモンタイン・ニコルソンは本作が映画デビュー作となります。
一度マリウスに敗れたセリーンを別の世界へ旅立たせ、新たな力を与える。
セリーンに呼応して、窮地に陥った東の一族を助ける為に協力する。

アレクシア(演:デイジー・ヘッド)
東の一族に属する若き処刑人。セミラの手足として主に外部での活動をしている。
デイジー・ヘッドは代表作に『Heart of Lightness』、『Fallen』などがあります。
実はライカン族のリーダーであるマリウスとは恋人関係でセミラの権力欲を危惧する。
セミラにはすべて筒抜けとなり、逆に利用される形になって呆気なく始末される。

マリウス(演:トビアス・メンジーズ)
ライカン族のリーダー。ライカン族をまとめ上げ、ヴァンパイア族を追いつめる。
トビアス・メンジーズは代表作に『007/カジノ・ロワイアル』、『ブラック・シー』がある。
前作でカプセルから逃げ出したマイケルを捕らえ、彼の血をすべて抽出する。
マイケルの血によってライカン族として更に進化し、身体能力と凶暴性の抑制をする。
相変わらずライカン族は雑な扱いだが、マリウスは最強なのに感じさせないのは逆に良い。

感想

個人的な評価

ついにヴァンパイア族とライカン族の抗争を描くシリーズが5作目となります。
元々は一作の構想だったが、作品がヒットした事で続編としてシリーズ化されている。
その為、一作目から少しだけ設定を修正しており、それが今後のシリーズに影響しています。
前作ではセリーンとマイケルの娘イヴが物語のカギとなっていました。
しかし、あまりにも強すぎるイヴの血、娘である彼女を守る為にセリーンは孤独を選択する。
その結果、本作の冒頭からセリーンは自らの宿命を呪いながらも受けているのです。
始祖であるコルヴィナスの血を受け継いだセリーンは強いが、さすがにヴァンパイア族とライカン族に追われる生活は厳しい。
そんな中でしきりに娘に対する想いを断絶するも、心のどこかで繋がりを求めている。
本作は上記の流れから分かるように、物語の根幹にはセリーンの心情が映し出されている。
そこに前作でコルヴィナスの血を使って蘇らせたデヴィッドの素性が明らかになる。
父親は気高いヴァンパイア族のトーマスで、母親は3長老の一人であるアメリアと判明する。
つまり、ヴァンパイア族の長老の血筋をデヴィッドが持っていて、元老院よりも立場が上という事になります。
さすがにセリーンとともに戦っただけあって、指揮能力に長けていて、攻め込んできたライカン族と激闘を繰り広げていく。
このような混乱の中でも、元老院の一人になったばかりのセミラは権力に対する欲望が強くなっていく姿も印象的です。
誰よりも強くなろうとしていて、その為に手段を選ばないのはシリーズの伝統とも言える。
最後にライカン族のリーダーであるマリウスだが、こちらも扱いは大きいようで小さいという微妙な立ち位置です。
確かにマリウスは手強い敵だけど、シリーズの伝統とも言える微妙さは健在でした。
本作はあくまでセリーンの内面を映し出す物語となっていて、ダークさ際立たせている。
前作までの謎だった部分がほとんど解消されているが、残っているのはセリーンとマイケルの娘イヴだけとなります。
次回作は確実にイヴが物語に登場と思われ、完結に向かうと予想されるだけに期待できる。