【ゾンビだっていろんなタイプがいるんです】 脳内ミニシアター改的な分類をしてみた

ゾンビ映画に登場するゾンビは一見してみんな同じに見える。

ウロウロして、人間を捕まえ、食べるという単純な行動。

しかし、成熟したゾンビ映画はもっと細かい種類に分かれている。

どんな種類があるのか、軽く紹介していきます。

ゾンビが発生する原因のタイプ別

まず、映画によって発生源がハッキリ描かれるタイプと描かれないタイプがある。

この大前提によって大きく物語を左右していきます。

前者だと発生源の特定とサバイバルの物語となり、後者だと主人公たちのサバイバルがメインの物語となる。

今回は発生する原因として使われるタイプを紹介します。

呪いや儀式

ゾンビというのは大元がブードゥー教から来ています。

ブードゥー教のゾンビは司祭の儀式によって作られます。

その際に“ゾンビパウダー”なるモノを使い、ゾンビを作り上げる。

似たようなタイプだと悪魔が取り憑いてゾンビのような状態になる。

その代表作と言えるのが、サム・ライミの『死霊のはらわた』である。

悪魔が人間に取り憑き、ゾンビのようなグロテスクな姿になって襲ってくる。

この映画は2013年にリブート及びリメイクされています。

こちら現代版として蘇っているが、及第点という出来と言えます。

ウイルスや化学物質

今のゾンビ映画では定番となっている発生原因です。

化学兵器としてウイルスが作られ、それが何かの事故で流出する。

これが大体のゾンビ映画で使われている分かりやすい発生原因のタイプ。

ウイルスが原因として確定している映画だと『バイオハザード』シリーズが一番分かりやすいでしょう。

この映画はゲームが大ヒットし、実写映画化されていますね。

化学物質が発生原因の映画と言えば、ずばり『バタリアン』だろう。

ゾンビ映画マニアの中で高く評価する隠れた名作シリーズです。

ゾンビの行動パターンのタイプ

ゾンビが発生し、主人公たちが生き残る為のサバイバルをします。

その中で必ずゾンビと対峙して戦う事になる場面があります。

ですが、ゾンビのタイプによって戦えるレベルじゃない場合がある。

下記の名称は個人的につけているだけで一般的ではありません。

クラシック型

まさに古き良き元祖ゾンビの行動パターン。

それがノロノロと徘徊するだけで、基本的に数の暴力で迫ってきます。

普通に走れば振り切れる程度の歩くペースだが、なぜか脇役たちは簡単に捕まって食い殺されます。

全体的に動きは鈍いけど、人間の内臓を引きずり出す腕力、肉を食いちぎるアゴの力を持っています。

やはり、ゾンビ映画の第一人者であるジョージ・A・ロメロの“ゾンビ映画三部作”と呼ばれる『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、『ゾンビ』、『死霊のえじき』がクラシック型と言えるでしょう。

その中で個人的に好きなのは『死霊のえじき』です。

コメディ要素が非常に強い『ショーン・オブ・ザ・デッド』もクラシック型でありながら、イギリス映画らしいブラックジョークが盛り込まれています。

モダン型

現代のゾンビ映画で多く使われているタイプです。

最大の特徴として“全力で疾走してくる”という恐ろしいゾンビです。

ただでさえ、捕まったら食い殺されるのに、それが形振り構わず走ってくる姿は恐ろしいのは言うまでもない。

その代表作となるのはジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』をザック・スナイダー監督がリメイクした『ドーン・オブ・ザ・デッド』でしょう。

個人的に『ドーン・オブ・ザ・デッド』が一番のゾンビ映画です。

近年では更に進化して、全力疾走だけじゃなく、何も恐れず身を投げ出す大ジャンプを繰り出すゾンビを『ワールド・ウォーZ』が見せています。

ハイブリッド型

ついに登場するクラシック型とモダン型を掛け合わせたタイプ。

ほとんどはノロノロ歩いているが、特定のゾンビは全力疾走したり、人間の限界を超えた身体能力を発揮するタイプが新たに登場しています。

分かりやすい例として、漫画原作でありながら、邦画の実写化として成功した『アイアムアヒーロー』でしょう。

ぞれまで集合体の一部だったゾンビが、個々に違った特徴を持ち合わせ、生前の行動を繰り返していくという新たなタイプの登場となります。

ほとんど知られてない秀逸なアイデアを盛り込んだゾンビ映画。

それが『ゾンビマックス/怒りのデス・ゾンビ』というタイトルに“ゾンビ”を二回使うほどの斬新さです。

『マッドマックス!/怒りのデス・ロード』を意識した邦題だが、中身はなかなか面白い設定とテンポの良いストーリーで意外にも観やすい作品です。

まとめ

このようにゾンビと一口で言っても、発生原因や行動パターンによって様々な種類に分ける事ができます。

それだけにゾンビ映画というのは成熟したジャンルになっています。

ホラーはもちろんですが、ゲームではファンタジー、更にコメディやSF、近年ではラブロマンスやヒューマンドラマなどにも登場する。

ゾンビは一見して限られたところでしか使えないと思うかもしれないが、実はどんなジャンルでも親和性を見せる高い汎用性を持った素材なのです。

今後もまだまだ進化し続けるゾンビ映画。

この先どうなっていくのか、非常に楽しみである。