アンシーン/見えざる者 VD-212

作品紹介

公開年月  2017/08/01
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ジェフ・レドナップ
脚本  ジェフ・レドナップ
製作  ジェフ・レドナップ、ケイティ・ウィークリー
製作国  カナダ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

妻ダーリーンと一人娘エバの8年前に姿を消したボブは、小さな街の製材所で働いていた。
ボブは次第に自分の体が透明になっていく原因不明の病気に冒され、その為に製材所を辞めて危険なドラッグの運び屋となる。
ダーリーンから連絡を受けたボブは娘に会おうとするが、突然エバは失踪してしまい、己の危険を顧みず必死の捜索をするのだった。

登場人物&出演者

ボブ(演:エイデン・ヤング)
主人公。体が段々と透明になる奇病を患っている。そのせいでアイスホッケーを引退した。
エイデン・ヤングは代表作に『山猫は眠らない』、『キラー・エリート』などがあります。
奇病のせいでエバやダーリーンの前から出て行って、製材所で働いてひっそりと暮らす。
仕事ができないほど体の痛みを感じて、それでクリスビーの運び屋として依頼を受ける事に。
ダーリーンの連絡を受けてエバに会うが、行方不明になると必死に探し出して連れ帰る。
最後は体が完全に透明化してエバがクリスビーに脅されると、助けると一緒に暮らしていく。

エバ(演:ジュリア・セーラ・ストーン)
ボブの一人娘。8年前に父親が家を出たせいで心を閉ざす。母親とモールとは険悪になる。
ジュリア・セーラ・ストーンは代表作に『おしゃべり魔法犬/ファン』、『誰のせいでもない』などがあります。
母親の言う事をまったく聞かず、どうしても祖父や父親がいなくなった事を気にしていた。
実は自分自身も体が透明化し始めていて、その原因が祖父にあるとして精神病院に行く。
中国人に捕まって実験体になってしまうが、そこにやって来たボブによって助け出された。
最後は父親と束の間の安らぎを得て、完全に透明化したボブと一緒に暮らす事になった。

ダーリーン(演:カミール・サリヴァン)
ボブの元妻。勝手に家を出たボブとは連絡先を知るが、パートナーのモールと仲良く暮らす。
カミール・サリヴァンは代表作に『フィア・ストーム』、『ネバー・サレンダー/肉弾無双』などがあります。
最近になってエバの態度が急変している事を心配し、モールからも強く指摘を受けていた。
同性愛者としてモールと暮らしていたが、戻ってきたボブとも険悪な仲というワケじゃない。
エバがいなくなってボブを頼って連れ戻すが、彼のケガを知ってすぐに対応をしていた。
最後は完全に透明化していくボブを家に送っていくエバをモールとともに見送った。

アメリア(演:マックス・チャドバーン)
エバの友人で高校の同級生。母親とモールとの関係が悪化したエバをいつも家に泊めていた。
マックス・チャドバーンは代表作に『Ace of Hearts』、『Status Update』などがあります。
エバがどうしても祖父の消えた原因を探ろうとして精神病院に入るも最初から拒んでいた。
そこで幽霊のようなモノを見かけ、更にエバの体が消えている事を知ってパニックとなる。
最後はエバの居場所を探りに来たボブに教え、彼女も体が消える奇病を冒されていると言う。

モール(演:アリソン・アラヤ)
ダーリーンとエバと暮らしているパートナー。同性愛者で仕事をして家計を支えている。
アリソン・アラヤは代表作に『ウルヴァリン:X-MEN/ZERO』、『ウォッチメン』がある。
最近はエバの反抗的な態度をよく思っておらず、なんとかするべきだとダーリーンに迫る。
その結果、家を出て行ったボブがやって来て、その姿を見て呆れたような顔をしていた。
ボブが透明化になる奇病を患っている事を知らず、ケガした彼を病院に連れて行こうとした。
最後はボブを家に送っていく為に車を運転するエバをダーリーンと一緒に見送っていた。

クリスビー(演:ベン・コットン)
ボブが暮らしている街を牛耳る麻薬の売人。最近になって多くの部下が警察に捕まった。
ベン・コットンは代表作に『夜明けのガンマン』、『アイス・アルマゲドン』があります。
そのせいで人手不足になっていて、ちょうど仕事をクビになっていたボブを運び屋に誘う。
簡単な仕事だとしてブツを運んでもらうが、ボブから連絡がなくてずっと焦っていた。
ボブが持ってきたブツを受け取ったが、中身は別物だと知って取引相手がなくなって怒る。
最後はボブの家に乗り込んでエバを脅すが、完全に透明化したボブに始末されてしまう。

感想

個人的な評価

本作は特殊メイクや特殊効果などを務めたジェフ・レドナップにとって長編映画デビュー作となります。
ジェフ・レドナップはこれまでに『デッドプール』や『ロボコップ』、それに『スター・トレック/BEYOND』などがあります。
ジャンルとしてホラー映画になっていますが、ベースは親子の絆を描いたヒューマンドラマと言えるだろう。
なので、透明人間を扱った『透明人間』や『インビジブル』シリーズとは一線を画す作品となっています。
確かに主人公は体が徐々に透明となっていくが、それは薬や研究ではなく、単純な遺伝による奇病という扱いになっています。
遺伝子の疾患と言えば、あまりにも強引すぎるこじつけだった『ジャンパー』を思い出す。
単なる遺伝子の疾患で時空に影響を与えるムリな設定ではなく、肉体が透明化していくのはまだ納得できます。
しかも、この透明化には苦痛を強いられるようで、主人公は決して喜んでいるワケじゃなく悲観的な将来を考えています。
主人公の父親も同じ奇病に冒されて姿を消しているが、実際は透明になって誰にも見えない状態になっているという。
透明人間の苦悩を親子の絆に置き換えている点では興味深いが、どうしても設定に期待していただけに地味すぎた展開に不満を持ってしまう。
なので、別に主人公が透明になる設定じゃなくてもいいし、周囲の関係も置き換えられる点でもストーリー性として弱いと感じた。
同じような設定の作品が多い分、オリジナリティのあるストーリーが重要だっただけに、既視感たっぷりの親子の絆をテーマにしたのは弱かったと思う。
何より透明になる奇病についての解明が一切ないので、もうなんでもアリ状態では面白味が半減してしまう。
やはり、本作はもっとオリジナリティのある展開がないと既視感のある設定を掛け合わせただけでは印象に残らないと感じました。