パージ:アナーキー RE-2461

作品紹介

公開年月  2014/07/18
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ジェームズ・デモナコ
脚本  ジェームズ・デモナコ
製作  ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

一年に一度訪れるパージの日、開始まで数時間まで迫っていた。
病気の父を抱え、娘のカリとともに低所得者が集まる地域に暮らすシングルマザーのエヴァは、マトモな防犯設備がないまま不安な夜を迎えようとしていた。
別居に向けた話し合いが進む夫婦シェーンとリズだったが、家に向かう途中で車が故障してしまう。
亡くなった息子の仇をとる為、この日を待ちわびていた男レオは、完全武装し、装甲仕様の車で街へ繰り出すのだった。

登場人物&出演者

レオ(演:フランク・グリロ)
警察官。ウォーレンの飲酒運転事故により息子を失い、パージの日に復讐を計画する。
フランク・グリロは代表作に『バトルフロント』、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などがあります。
本作において主人公的な存在であり、前作の唯一マトモだったジェームズを彷彿とさせる。
あくまで息子の復讐が目的だが、なぜか警察官としての正義に目覚めて厄介な事になる。
口では足手まといを切り捨てると言っているが、そこは主人公的な立場として結局は守る。
イライラさせるカリとリズもちゃんと助ける辺り、前作のジェームズを意識している。

エヴァ(演:カーメン・イジョゴ)
ウェイトレス。シングルマザー。少ない収入でパージの日を不安なまま乗り越える。
カーメン・イジョゴは代表作に『ネゴシエーター』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などがあります。
パージが始まってから祖父が富豪のパージの犠牲になった事で悲しみに暮れる。
レオと合流してから見捨てられそうなり咄嗟に車と引き換えに安全な場所を交換条件を出す。
娘がバカ発言と態度を取るせいで存在が空気と化し、足手まといになってしまう。
リズが覚醒してイライラ2号の汚名を返上したせいでめでたくその称号を引き継いだ。

カリ(演:ゾーイ・ソウル)
エヴァの娘。反パージ集団のリーダーに共感する。何かと強気で母親や祖父にも意見を言う。
ゾーイ・ソウルは代表作に『プリズナーズ』などがあります。
パージが始まってから祖父が命と引き換えに報酬を得る事に嫌悪感を強く持つ。
命の恩人レオが見捨てない交換条件を呑んだ事で「ダサい」と発言する空気読めないバカ。
なぜかレオに対して強気な態度で接するが、基本的に戦闘ではまったく役に立たない。
口だけ一丁前なのに何もできないイライラ1号として本作でかなり目立ちました。
なぜかレオには意見をする立場となって、そこだけしか存在感を示せなかった。

シェーン(演:ザック・ギルフォード)
妻のリズと別居の話し合いをしている。離婚をしたい妻と違って夫婦として続けたい。
ザック・ギルフォードは代表作に『ラストスタンド』、『デビルズ・バースデイ』がある。
パージが始まる直前に車が停止し、パージ集団から狙われて妻を必死に逃げ出す。
レオに助けてもらうが、近道をしようとしてマヌケにも罠にかかって危険を呼ぶバカ。
それに加えて、助けてもらったレオに対して聞こえるような声で疑い言葉を並べるバカ。
妻のリズはイライラさせられるだけの存在だが、パージ集団に向けて反撃する。
反撃したせいでケガを負ってしまい、最後の方ではまさかの犬死にという残念な結末。

リズ(演:キーリー・サンチェス)
夫のシェーンと別居の話し合いをしている。シェーンの無責任な言動に対して苛立つ。
キーリー・サンチェスは代表作に『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』、『ゾンビ・ホスピタル』などがあります。
パージが始まる直前に車が停止し、パージ集団から狙われて女らしくパニックになる。
シェーンのマヌケな行動でまたしても悲鳴だけを上げる一番の役立たずでした。
更にパージ集団から見つからないように息を潜めるのに、ネズミ程度で悲鳴を上げる。
本作ではカリに次いで役立たずのクセに余計な事をするイライラ2号でした。
しかし、終盤では夫の代わりに覚醒してまさの活躍で反パージ集団の一人となる。

カルメロ(演:マイケル・K・ウィリアムズ)
反パージ集団のリーダー。テレビではパージが施行される前から反対を訴える。
マイケル・K・ウィリアムズは代表作に『沈黙の傭兵』、『トリプル9/裏切りのコード』などがあります。
パージが施行された後も、テレビ放送を使って反対意見を強く述べるだけ。
その姿はどう見てもテロリストにしか見えないが、こっちの方が正論と言える。
終盤には富豪たちやパージを変えようと実力行使に出て、結果的にレオたちを救う事になる。

感想

個人的な評価

前作の『パージ』についてだが、個人的にはイライラするだけの作品でした。
まさにアイデアの一発勝負という感じで、ストーリーは完全にオマケというレベルでした。
特に主人公側のキャラクターは揃ってバカばかりで共感が一切湧きません。
これが監督の狙っている演出ならば、かなり上手いと思えるほどイライラさせられた。
しかし、そんなつもりじゃないという事ならば、完全に勘違いしてしまっている。
その為に続編となる本作には期待半分、不安半分という感じで鑑賞をした。
前作はアイデアだけで勝ち取った内容だが、本作はちゃんとそれを正統に進化させています。
実際に施行される『パージ』をもっと広い視野で捉え、登場人物もバラバラにしています。
主人公側の父親が空しい奮闘をして、家族は傷口に塩を塗り込むようなバカ行動が目立った。
ですが、本作はちゃんとサバイバルをしているし、何より戦闘力がほぼない四人を守る警察官レオを演じたフランク・グリロがカッコいい。
レオはパージの日を待ちわびていた一人だが、そこは警察官としての正義をあります。
だから見ず知らずの人を助ける行動に出る事で、彼の性格も表現され、冷たいようで正義の心を持っている効果的な演出でした。
驚くべきジェームズ・デモナコ監督の成長ぶりであって、このレオを作り出したのは非常に大きいと言えます。
だけど、前作から演出としてイライラさせるキャラクターをちゃんと用意しています。
口だけは達者だが役に立たないカリ、ただ悲鳴を上げるだけのリズというイライラ二人組。
もうこれはシリーズの伝統とも言えるようなキャラクターとしか思えないような言動でした。
だが、シェーンが無駄死にしたせいでリズが覚醒し、ヒロイン的な立場のエヴァがイライラ2号になる展開は逆に面白い。
本作はそれぞれの主要人物にドラマ性を持たせているおかげで説得力を生んでいる。
前作のイライラさせるだけで唐突な行動がないので、本作は数段面白く感じた。
これを第一作にすれば、かなり面白いシリーズになっただけに、前作は完全なる黒歴史としか思えない出来と感じてしまう。
どうやら三作目が公開を控えているようで、このまま順当に進化すれば、かなり期待のできる作品になるかと思います。