ヘルゾンビ RE-3248

作品紹介

公開年月  2007/03/16
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ハル・メイソンバーグ
脚本  ハル・メイソンバーグ、ディール・ミントン
製作  クライヴ・パーカー、マット・ミンチ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ある日突然、世界の9歳以下の子供が昏睡状態に陥り、その後は生まれてくる新生児たちも同じく昏睡状態となっていた。
そんな子供たちは日に二度、同じ時刻に激しい痙攣を起こす以外は反応を示さない。
10年後、昏睡状態だった子供たちが一斉に目を覚まし、凶暴化した彼らは大人たちを次々と血祭りに上げていくのだった。

登場人物&出演者

トム(演:ジェームズ・ヴァン・ダー・ピーク)
主人公。保護観察で仮釈放された。久しぶりに故郷へ帰るも兄からはあまり歓迎されず。
ジェームズ・ヴァン・ダー・ピークは代表作に『テキサス・レンジャーズ』、『とらわれて夏』などがあります。
甥がずっと昏睡状態で様子を見に行くが、10年も寝たきりとは思えないほど逞しく成長。
ついに覚醒した子供たちに兄がぶっ殺され、旧友と一緒に病院まで元妻を助けに行く。
ジーンと合流して安全な基地に向かうが、他の仲間がぶっ殺されて二人で逃げ出す。
最後は子供たちに囲まれるが、聖書からのヒントで自分を捧げ、ジーンを助ける事になる。

ジーン(演:イワナ・ミルセヴィッチ)
地元で医者をしている。元夫の兄の息子が昏睡状態になり、他の子供たちの診察で忙しい。
イワナ・ミルセヴィッチは代表作に『ペイチェック/消された記憶』、『007/カジノ・ロワイヤル』などがあります。
10年後も昏睡状態でも普通に成長する子供たちの診察をして、看護師たちに管理を任せる。
保護観察で仮釈放された元夫のトムと再会するが、ずっと怒りを持って彼を許していない。
子供たちの覚醒で大人たちがぶっ殺され、病院に来たトムと合流して安全な基地を目指す。
最後は子供たちに囲まれ、トムが身代わりで消えると、一人で平穏に暮らしていた。

サム(演:ブラッド・ハント)
トムとは学生時代の旧友。一緒にサッカーをしていた。トムが戻ってきて挨拶を交わした。
ブラッド・ハントは代表作に『ジャスティス』、『ダーウィン・アワード』などがあります。
みんながよそよそしい態度を見せる中で、友人としてトムとフレンドリーに会話をした。
子供たちが覚醒して大人をぶっ殺すと、トムが甥に襲われているところで彼を助け出す。
病院では隠れていたスタッフと合流するが、結局は殺され、身を守る為に仕方なく殺した。
最後は教会でトムたちを待っていたが、銃器を手にした子供たちに襲撃されて殺された。

キップ(演:ジョシュア・クローズ)
昏睡状態となった子供たちの一つ上の世代。恋人のクレアと町に残って空き巣をしていた。
ジョシュア・クローズは代表作に『エミリー・ローズ』、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』などがあります。
何度も保安官事務所に連れて来られるが、盗みはせずに昏睡状態の子供に話しかけていた。
子供たちが覚醒して大人をぶっ殺し始めると、仲間だと思われてなんとか襲われずに済む。
トムたちと合流したせいで狙われるようになるが、クレアを置いていけず一緒に行動する。
最後は銃器を取りに行ったクレアが撃たれ、自身も撃たれ、手を繋いだまま死亡した。

クレア(演:ブリタニー・スコビー)
昏睡状態となった子供たちの一つ上の世代。恋人のキップと一緒に町で残った最後の若者。
ブリタニー・スコビーは代表作に『SLIME/スライム』、『グリーンリバー・キラー/史上最凶の殺人鬼』などがあります。
家々を荒らして子供たちに話しかけていたようだが、その真意は終わっても分かりません。
大人に対して不信感を持っていて、一時的には覚醒した子供たちの味方になっていた。
母親が子供たちにぶっ殺されたと分かり、強い憎しみを持ってジーンと武器を探しに行く。
最後は仲間のフリをするもバレて撃たれると、キップも撃たれ、手を繋いだまま死亡。

デヴィッド(演:アルネ・マクファーソン)
トムの兄。息子が発作を起こし、昏睡状態になって急いで病院に運ぶと同じ光景を見る。
アルネ・マクファーソンは代表作に『ストーン・エンジェル』、『ホースメン』があります。
10年後、意識のない息子を必死に家で介護をして、病院で使うような機材を購入していた。
保護観察で仮釈放になった弟のトムを家に泊めるが、明らかに歓迎していない表情を浮かぶ。
発作が起きた息子を抑えるが、成長した体を止めるのは難しくトムの助けに感謝していた。
最後はついに息子が目を覚ますが、それを見る事なく、寝ている間に頭をかち割られて死亡。

感想

個人的な評価

本作は作家、脚本家、映画監督として知られるクライヴ・バーカーが製作を務めています。
邦題はゾンビ映画を彷彿とさせますが、残念ながら本作はゾンビ映画ではありません。
原題は『The Plague』となっていて、ゾンビとの関連性はまったくないと言えるだろう。
そのせいでゾンビ映画と期待して鑑賞すると、まったく違う内容に唖然としてしまいます。
内容としてはキーアイテムに『怒りの葡萄』というジョン・スタインベックの小説が引用されていますが、細かい説明はごっそりと削られています。
9歳以下の子供が昏睡状態になって、10年後に目を覚まして、理由も語らずに仲間じゃない大人たちを容赦なくぶっ殺していきます。
これはどうやら1976年に公開されたスペイン映画『ザ・チャイルド』に似ているようだが、残念ながら未鑑賞なのでなんとも言えません。
子供たちが昏睡状態になって覚醒する説明はなく、主人公はちょっとしたヒントを出してくれるが、上記の小説を知っていれば何を伝えたいのか分かる仕組みになっているはず。
劇中には聖書の一文も出てくるようで、その意味合いから戦争を起こす人間に対する神の裁きという事になります。
戦争をする大人たちを排除し、昏睡状態だった新世代の子供たちに新たな未来を託すというファンタジーが物語の根幹にあると思います。
小難しい設定をダラダラと流すのはダメだが、同じぐらい説明がほとんどなく、ヒントを小出しにする作品も不親切すぎます。
そもそも、どれぐらいの人がジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』を知っていて、どれぐらいの映画好きが知っているのか、どう考えてもマニアックすぎる。
これはスルメのような映画でもなく、例え、ジョン・スタインベックの小説を読んでいたところで面白くなるワケじゃない。
どうせなら微妙なヒントを与えるぐらいならば、何も説明せずにただ殺戮マシーンと化した子供たちがぶっ殺す描写に力を入れた方が面白かっただろうと思う。
でも、クライヴ・バーカーはメッセージ性のある作品にこだわったのか、結果的に意味不明で退屈な展開になってしまったと思う。