ABC・オブ・デス2 RE-2205

作品紹介

公開年月  2015/08/22
ジャンル  ホラー/コメディ
原作  なし
監督  E・L・ガンツ、ジュリアン・パラット、ロドニー・アッシャー、ほか
脚本  ヴィンチェンゾ・ナタリ、大畑創、梅沢壮一
製作  アント・ティンプソン
製作国  ティム・リーグ
鑑賞方法  アメリカ

概要

世界中から集められた気鋭のフィルムメーカー26人の精鋭監督が、振り分けられたアルファベットをテーマにして「死」を描くオムニバス・ホラー第2弾!

作品&監督

AMATEUR/アマチュア

E・L・カッツが監督を務めています。
とある殺し屋がダクト伝って一室に侵入するも行き着いた頃には満身創痍となる。
ドジっ子殺し屋がダクトに挟まって餓死するけど、最後はちゃんと目的を達成するブラックコメディ。

BADGER/アナグマ

ジュリアン・バラットが監督を務めています。
原子力発電所の影響でアナグマが全滅した事実を伝える撮影クルーが現場で別の何かを発見。
モキュメンタリー形式で傲慢なリポーターが真っ二つになるちょっとしたグロテスクなコメディです。

CAPITAL PUNISHMENT/死刑

ジュリアン・ギルビーが監督を務めています。
村の少女を殺したとして容疑者に対して怒り狂った村人が加える私刑が展開される。
勘違いから生まれた冤罪に田舎の村のクセに高級車を台無しにするが首切りはリアルでした。

DELOUSED/駆除

ロバート・モーガンが監督を務めています。
謎の集団に殺された男が虫によって復活して復讐を遂げていく、クレイアニメ。
登場する集団の見た目がグロテスクすぎるけどなぜか愛嬌がある感じでした。

EQUILBRIUM/平衡

アレハンドロ・ブルゲスが監督を務めています。
無人島に流れ着いた二人の男だが、そこへ美女が加わって両者のバランスが崩壊する。
究極のテーマで結果が目に見えるけど、終始に渡ってサイレントで展開するが、ワンカットですべて見せているのは上手い。

FALLING/落下

アハロン・ケシャレスナヴォット・パウシャドが監督を務めています。
イスラエルの女戦士が落下傘で敵国に侵入するも大木に引っかかり、そこへロバに乗った壮年が登場する。
その高さで足が折れるワケないけ、それ以上に頭を打って死ぬのはもっとないというギャグ。

GRANDAD/祖父

ジム・ホスキングが監督を務めています。
家に住み着き金をせびる孫に祖父の怒りが爆発した時、それは起きてしまった。
同じような髪型の二人だが、孫の調子に乗った感じと祖父の怪しい雰囲気は悪くない。

HEAD GAME/駆け引き

ビル・プリンプトンが監督を務めています。
口づけをする男女がトンでもない超展開を繰り広げる、アニメーション。
単純な構図ながら小学生が考えそうな荒唐無稽のバカすぎる展開に圧倒されるだけ。

INVINCIBLE/無敵

エリック・マッティが監督を務めています。
悪霊に憑依されて殺しても絶対に死なない老婆を殺害しようとする子供たち。
興味深い作品であって、ホラーとコメディを上手く調和させている良作でした。

JESUS

デニソン・ハマーリョが務めています。
宗教に反すると幽閉させるゲイカップルを壮絶な拷問が果てしなく続く。
典型的な狂信者による残虐行為をムリヤリ正当化した皮肉が効いて誰が本当の悪か分かる。

KNELL/凶兆

クリスティーナ・ブオジーテブルーノ・サンペルが監督を務めています。
なんの前触れもなく空に黒い月が浮かぶ時、地上ではあり得ない惨劇が起こる。
シリアスな雰囲気はギャグを主体した本作では珍しくハラハラさせられた。

LEGACY/遺物

ランスロット・オドゥワ・イマスエンが監督を務めています。
あるアフリカ部族の王にかけた呪いによって一族は怪物に襲われる。
内容が濃すぎるせいで尺が足りずにもったいない印象があった。

MASTICATE/かみつき魔

ロバート・ブーチェックが監督を務めています。
狂気に駆られた男が失禁して汚れたままのパンツ姿で通行人に襲いかかる。
どうやら本作は一般公募から採用されている。
ほぼスローモーションで展開される内容は見応えがあって、もう少し観たい感じだった。

NEXUS/連鎖

ラリー・フェセンデンが監督を務めています。
ハロウィンの日、それぞれが信号を渡ろうとした時にその連鎖が起こる。
これは別に不思議な事ではなく、あってもおかしくない事故を描いているだけ。

OCHLOCRASY(MOB RULE)/愚民政治

大畑創が監督を務めています。
ゾンビの特効薬ができた世界。ゾンビを殺した人々は裁判にかけられていた。
日本なのにどこで手に入れた拳銃に違和感がありまくり。
ゾンビのアイデンティティを崩壊させるコメディ。

P-P-P-P SCRAY!/ピピPS怖い!

トッド・ローアルが監督を務めています。
囚人服を着た怖がり三人組は暗闇の中を歩いていると、彼らの前に恐ろしい出来事が起きる。
まるで白黒時代の喜劇であり、ノリノリの音楽に合わせて消えゆく仲間、眼前には怖い笑顔のオッサン。

QUESTIONNAIRE/アンケート

ロドニー・アッシャーが監督を務めています。
街角では無料の知能テストのアンケートをやっていたが、実は恐るべき秘密があった。
恐ろしい人体実験のアンケートだと分かるけど、麻酔なしでやる意味があったのか。

ROULETTE/ルーレット

マーヴィン・クレンが監督を務めています。
地下室で死のロシアン・ルーレットを行う男女三人だが、その理由は最後に明かされる。
まるでカジノにいるような服装の三人だが、思っていたほどの心理的なドキドキ感がない。

SPLIT/破局

フアン・マルティネス・モレノが監督を務めています。
出張中の夫に電話をかけていた妻の元にドアベルを鳴らす殺人鬼が襲いかかる。
同時に数視点のカメラワークで見せる手法はなかなか良かったし、オチも悪くなかった。

TPRTURE PORN/残虐ポルノ

ジェン・ソスカシルヴィア・ソスカが同じテーマで監督を務めています。
ポルノ映画を撮影する男たちだったが、出演する女優はトンでもない者だった。
もうここまで来てしまったらなんでもアリ状態で何も感じなくなります。

UTOPIA/ユートピア

ヴィンチェンゾ・ナタリが監督を務めています。
容姿が美しい人たちしか生きられない世界では、ブサイクに人権など存在しません。
ブサイクというだけで取締の対象になる厳しい世界だが、これはこれでディストピア映画らしい設定でした。

VACATION/バカンス

ジェローム・サブルが監督を務めています。
バカンス先でドラッグに売春とハメを外すバカ者(若者)たちに襲う悲劇。
調子に乗った若者が受ける報いだが、いろんな意味で強烈な映像でした。

WISH/願い

スティーヴン・コスタンスキが監督を務めています。
ファンタジーの世界に迷い込んでしまった少年たちに待ち受ける地獄。
本作の為にフィギュアを作る意気込みはなかなかだが、意味不明すぎたのは痛い。

XYLOPHONE/木琴

ジュリアン・モーリーアレクサンドロ・バスティロが同じテーマで監督を務めています。
蓄音機を聴きながら新聞を読んでいた祖母だが、孫娘のメチャクチャな木琴で気分を害する。
確かにブチ切れるほどの雑音を奏でた孫娘をそこまで殺るのはメチャクチャだった。

YOUTH/若さ

梅沢壮一が監督を務めています。
もはや修復不可能となった壊れた家族に一人の少女の怒りが爆発する。
少女の綴っていくメールにより妄想が膨らんでいくが、現実はもっと辛い。

ZYGOTE/受精卵

クリス・ナッシュが監督を務めています。
夫の留守中に身ごもってしまった妻。出て行った夫が帰ってくるまで子供を産まない。
シュールすぎる内容の上にグロテスクすぎる描写は最後を締めくくるには相応しい。

総評

個人的な評価

総括するとクソみたいな内容がほとんどだけど、中には長編にしても面白そうな片鱗をみせる作品はあった。
ほとんどがギャグ寄りの構造になっている中、ちゃんとホラーをしている作品でバランスを取っていると感じた。
とりあえず、思ったのはオムニバス形式は書き込むだけで疲労感が半端じゃない。