作品紹介
公開年月 | 2020/01/17 |
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ジャンル | アドベンチャー/ファンタジー |
原作 | なし |
監督 | ヴァッシュ・ヤン |
脚本 | リュウ・ボーハン |
製作 | アガン、シャン・ヨン |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
長らく妖怪の世界から人間を守っていたバリアが何者かに破壊されてしまう。
多くの妖怪が押し寄せる中、彼らを捕まえる為に凄腕の妖怪ハンターで小説家のプウが人間界へ送り込まれる。
プウは「陰陽の筆」の力を使い、邪悪な妖怪たちを地獄に封印するが、ある村でかつて人間だった妖怪に出会って難しい選択を迫られるのだった。
登場人物&出演者
・プウ・スンリン(演;ジャッキー・チェン)
主人公。凄腕の妖怪ハンターで小説家。陰陽の筆と経典で悪い妖怪たちを捕まえている。
ジャッキー・チェンは近年の出演作に『ザ・フォーリナー/復讐者』、『ポリス・ストーリー/REBORN』などがあります。
悪さをしない妖怪に勉学やカンフーを教え、子供たちから金を巻き上げて酒を買っている。
ヤンフェイと泥棒を捕まえる事で弟子となって、鏡の妖怪を封じて知事の娘を探す事に。
ツァイチェンとシャオチンの悲恋を知るが、抵抗する彼女を仕方なく経典に封じ込める。
最後はツァイチェンに筆を取り戻そうとするが、妖怪を逃されて踏んだり蹴ったりとなる。
・ヤンフェイ(演:リン・ポーホン)
衛門府の衛士。貧弱で携帯している剣の中身は竹光。悪者を捕まえたい気持ちは人一倍。
リン・ボーホンは代表作に『トランスフォーマー/ロストエイジ』、『オーバー・エベレスト/陰謀の氷壁』などがあります。
町で泥棒を働く者を捕まえようと推理するが、やる気のない隊長から邪魔者扱いされる。
うるさい事から衛士をクビにされてしまい、プウの元で弟子として強制的にやって来た。
シャオチンを捕まえる為に女性に変装するも意味がなく、解放された知事の娘に一目惚れ。
最後は衛門府の責任者に任命されるが、プウと逃げた妖怪を捕まえる旅に出かける事に。
・シャオチン(演:エレイン・チョン)
人間から妖怪へと化身した。若い女性の魂を吸い取らないと老いて死んでしまう。
エレイン・チョンは代表作に『芳華/Youth』、『モフれる愛』などがあります。
人間だった頃からツァイチェンと恋仲になっていたが、妖怪になってから彼を遠ざける。
しつこく妖怪に戻りたいツァイチェンを拒否し、苦しみは自分だけだと割り切っていた。
プウに経典へ封印されて拷問を受ける中、ツァイチェンが来て元の人間に戻される。
最後は暴走するツァイチェンを止め、地獄の炎で塵になる事を選択して彼とともに消滅。
・イエン・チュイシャ/ツァイチェン(演:イーサン・ルアン)
蛇の妖怪だったが人間へ化身した。シャオチンとは恋仲だったが人間になって離れた。
イーサン・ルアンは代表作に『モンガに散る』、『フライング・ギロチン』があります。
以前からシャオチンに接触して妖怪に戻りたいと話すが、なぜかずっと拒否されてしまう。
プウを利用してシャオチンから魂を取り戻そうとして、結果的に彼女は経典に封印される。
一度は記憶を改ざんされるも取り戻し、陰陽の筆を盗んで経典の中に入っていった。
最後は多くの妖怪を逃してしまうが、シャオチンと塵となった事でようやく一緒となる。
・鏡の妖怪(演:リン・ポン)
鏡の中の世界と人間界を行き来する妖怪。若い女性の魂を食う事で若さと寿命を保つ。
リン・ポンは代表作に『ラスト・ソルジャー』、『ドラゴン・ブレイド』などがあります。
人間から妖怪になったシャオチンを妹と認め、一緒に若い女性を捕まえていった。
上物の魂を手に入れると、町に来て男たちを虜にしながら酒を買って家に戻っていく。
シャオチンとツァイチェンの間柄を知っていて、邪魔な男を殺す協力する事を提案した。
最後はプウに捕まると経典で罰を受け、ツァイチェンが見ている前で地獄の炎で焼かれた。
感想
個人的な評価
本作はいわゆる「お金アルよ、チャイニーズ・ファンタジー」で、ついにジャッキー・チェンも仲間入りしました。
この作品が話題となるのはジャッキー・チェンがVFX技術で20代の姿に若返った映像だけとなっています。
冒頭から若いジャッキー・チェンの姿が出てくるが、正直言って「お前は誰だ?」と思ってしまうほど本人とは思えなかったです。
ジャッキー・チェンの若い頃を知っている人なら、中途半端な若さを演出したVFXの微妙な感じを受けてしまう。
肝心のストーリーは前半と後半で大きく違っていて、そのせいでジャッキー・チェンである必然性がなくなっていた。
前半はまだ世界観の説明やジャッキー・チェンの存在で引っ張っていくが、後半は本当にやりたかった事をして急激につまらなくなっている。
そもそも、前半はジャッキー・チェンじゃないと退屈で仕方なく、後半でほとんど出ていないから尚更つまらなさがハッキリと分かってしまった。
特に後半で突然始まる元妖怪と元人間の悲恋だが、二人の身勝手な行動のせいでジャッキー・チェンが捕まえた妖怪たちを逃すという迷惑極まりない事をしてしまう。
それなのにジャッキーは彼らをあまり責めず、逆にその悲恋を使って小説を書き上げるというクズみたいな行動をしていた。
物語としては悲恋をキレイな物語にしたかっただろうが、ジャッキーのキャラクターは小説を書いて酒を買う金にするから美化はされない。
逆にジャッキーのキャラクターをクズに貶めるなど、悲恋を描きたかったせいですべてを台無しにしてしまっている。
劇中に「蘭若寺」というキーワードが出てきて、これは『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』を意識した作品だとも言える。
悲恋を展開する二人も上記の作品を強く意識しているけど、ハッキリ言って、二番煎じにもならないほど使い方が下手すぎた。
身勝手な悲恋に振り回されるジャッキーのキャラがクズに落ち着いた点、仲間の妖怪のせいで事を複雑にしてもお咎めなしなど、ちょっとばかりご都合主義にもほどがあるような印象でした。
もうジャッキーは本格的なアクション映画から身を引いているとは言っても、どうしても期待しちゃうカンフーがないと物足りないと感じるのは致し方ないだろう。