作品紹介
公開年月 | 2015/07/10 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | なし |
監督 | ターセム・シン |
脚本 | アレックス・パストール、ダビ・パストール |
製作 | ラム・バーグマン、ピーター・シュレッセル、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
建築家で大富豪のダミアンは老いと病に勝てず、ガンで余命半年と宣告されてしまう。
そんな彼の元に謎の研究所を運営する科学者のオルブライトが現れ、最先端クローン技術で作り出した若い肉体にダミアンの頭脳だけを転送するという話しを持ちかける。
その提案を受け入れたダミアンは、身寄りのない若い男エドワードの若い肉体を得て新たな人生を始める事に。
ところが、その新たな肉体がクローンなどではなく、マデリーンという妻と幼い娘を持つ特殊部隊兵士のマークであり、その秘密を知ったダミアンは組織から狙われる事になるのだった。
登場人物&出演者
・若いダミアン(エドワード・キドナー)/マーク(演:ライアン・レイノルズ)
主人公。若いダミアンの素体となるクローン。謎の組織が無から作り上げた肉体と言われる。
ライアン・レイノルズは近年の出演作に『クリミナル/2人の記憶を持つ男』、『デッドプール』などがあります。
無事に記憶の転送が完了し、ダミアンは再び若さを手に入れて新たな人生を再スタートした。
若い肉体を得て、アントンと知り合ってから毎晩のように女性を連れて楽しんでいた。
しかし、無から作られた肉体ではなく、マークという特殊部隊の兵士だった事が判明する。
偉大な建築家という設定をいきなり忘れ、中身が68歳の年寄りとは思えない頭の悪さ。
・マデリン(演:ナタリー・マルティネス)
ヒロイン。歩けない病気を持つ娘の治療費が払えず、夫が亡くなっていると思っていた。
ナタリー・マルティネスは代表作に『デス・レース』、『ブロークン・シティ』があります。
過去の記憶をたどってやって来たダミアンを夫だと信じるが事実を知りショックを受ける。
ずっと泣いているようなイメージしかなく、まさに悲劇のヒロインという鼻につく存在。
見た目が夫なのに中身が別人だが、なぜか金持ちと知って色目を使い出す悪い印象に。
・オルブライト(演:マシュー・グッド)
科学者。クローン技術を応用した記憶転送の研究をする。ダミアンに記憶転送を勧める。
マシュー・グッドは代表作に『ウォッチメン』、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などがあります。
極めて被験者が少ないせいで多額の資金を必要するが、一方で素性がまったく分からない。
実は記憶を転送する研究を完成させたジェンセン博士が肉体を移した姿である。
終盤まで居場所が分からない完璧な匿名性を持つが、なぜかダミアンに簡単に見破られる。
・マーティン(演:ヴィクター・ガーバー)
ダミアンにとって最も信頼するべき友人。ダミアンの病状を一番知っている。
ヴィクター・ガーバーは代表作に『タイタニック』、『ミルク』などがあります。
新たな人生を送る為に死を偽装するダミアンが最期を看取る人物として選んでいる。
ダミアンにとって信頼できる人物だったが、実際は息子も謎の組織で生き長らえている。
息子の肉体は無から作られたと信じるも、事実を知ってダミアンに協力する。
・アントン(演:デレク・ルーク)
マークの肉体に記憶を転送したダミアンがバスケで打ち負かした相手。
デレク・ルークは代表作に『アントワン・フィッシャー/きみの帰る場所』、『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』があります。
娘がいるけど、女房とは別居して月に一回だけしか会えない。自由気ままな生活を送る。
なぜか若いダミアンを気に入って、毎晩のように飲み明かして遊ぶ生活をする。
実は組織の手先であり、ダミアンを監視する為に友達として付き合っていた。
これまで何度も記憶を転送しており、短い間に黒人から白人へと姿を変えている。
・ダミアン(演:ベン・キングズレー)
ニューヨークを創った男として知られる建築家。ガンによって余命半年と宣告されている。
ベン・キングズレーは近年の出演作に『アウトバーン』、『ザ・ウォーク』などがあります。
歴史に名を刻むほどの成功を収めるが、娘とは疎遠になっていて唯一の心残りとなる。
残された短い時間の中で、自身の記憶を若い肉体へ移す決意をして多額の金を支払う事に。
感想
個人的な評価
ターセム・シン監督によるSFであり、アクションであり、サスペンス映画である作品。
2000年に公開された『ザ・セル』で衝撃的なデビューを果たしたターセム・シン監督。
とにかく、凝った映像で知られるターセム・シン監督の作品として期待値が高い。
しかし、実際に蓋を開けてしまえば、彼らしくない普通の映画になっている。
映像の工夫として主人公が幻覚症状を起こす時に歪むシーンだけで後は普通な映像。
では、今回はストーリーに力を入れたと思ってしまうが、残念ながらそうでもなかった。
主人公にライアン・レイノルズ、脇にベン・キングズレー、ヴィクター・ガーバー、マシュー・グッドを起用している。
それぞれがきちんと役割を果たしているが、そもそも設定がすべて雑すぎました。
主人公のダミアンは老体の時、有名な建築士だが、その要素がまったく活かされません。
ベン・キングズレーの演技は相変わらず見事ですが、すぐに退場するのでもったいないです。
若い肉体を得たダミアンのライアン・レイノルズもいい演技をしています。
ただ、こちらも中身が68歳の年寄りとは思えないほど頭の悪い行動をしています。
ヴィクター・ガーバーは見た目通りのいい人だが、今一つインパクトがない。
個人的にマシュー・グッドの演じた中身がジェンセン博士という設定は良かった。
ですが、本作では出番がなぜか少なく、そのキャラクターを活かす構成ではなかった。
SF映画としてユルユルで、アクションとしても既視感たっぷり、サスペンスもガバガバすぎて見どころがない作品となっている。
ターセム・シン監督の特徴である映像も引きつけられる要素がないのも残念すぎる。
なぜかアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『シックス・デイ』とダブる印象を持った。
特に敵役となるアントンがダメになった肉体をすぐに入れ替えて登場する場面とか。
役者は揃っているのに普通すぎた作品に新鮮味はなく、ターセム・シン監督としては惨敗と言える内容でした。