作品紹介
公開年月 | 2015/12/03 |
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ジャンル | ファンタジー/ラブロマンス |
原作 | なし |
監督 | インダル・ドジェンドゥバヴ |
脚本 | アレクセイ・アルセーニエフ、マリアナ・ディアチェンコ、ほか |
製作 | ティムール・ベクマンベトフ |
製作国 | ロシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
遠い昔、ロシア辺境の国では魔物ドラゴンに生贄として若い女性を捧げていた。
生贄にされたミラは、空から現れた荒れ狂う魔物に海の孤島へ連れ去られ、島の洞窟に閉じ込められる。
絶望に沈むミラだったが、彼女の前に謎の青年が現れると、彼も島に囚われているという。
孤島で青年と過ごすうちにミラは惹かれていくが、実は彼には大きな秘密があった。
登場人物&出演者
・ミラ/ミロスラヴァ(演:マリヤ・ポエジエヴァ)
主人公。公爵の娘。婚礼を挙げていたところをいないと思われたドラゴンに連れ去れる。
マリヤ・ポエジエヴァは5作に出演し、映画として三作目となっています。
連れ去れた当初は戸惑い、ドラゴンへの恐怖もあって、どうする事もできずにいた。
しかし、アルマンと出会って触れ合っているうちに彼女も知らなかった恋をする事になる。
偽りの恋を抱いていた婚約者と違い、自分の身を捧げてもいいという深い愛は良かった。
最初は何もできない小娘だと思っていたが、孤独な男を救った強い女性だったのです。
・アルマン(演:マトヴェイ・リコフ)
洞窟でミラと出会う自分の名前すら忘れた男。ドラゴンである事に恐怖を持っている。
マトヴェイ・リコフは本作が映画デビュー作となっています。
自分がドラゴンであって、人を傷つける事を恐れ、ずっと孤独な人生を歩いていた。
だが、ミラの婚礼で歌われたドラゴンの歌によって彼女を無意識に連れ去ってしまう。
この行為はアルマン自身の人生を多く変える事になり、人間らしさを取り戻す。
ずっと後悔していたが、ミラとの出会いで大きく変わっていく様子が素晴らしかった。
・イーゴリ(演:ピョートル・ロマノフ)
過去にドラゴンを倒した男の孫。一族の名声だけで本人は至って普通の人。
ピョートル・ロマノフは本作が映画デビュー作となっています。
英雄の孫として人々から尊敬されるが、その目的は公爵の夫になる事だけだった。
・ヤロスラヴァ(演:イェヴァ・アンドレイェヴァイテ)
ミラの姉。結婚を逃していて独り身。結婚するミラに母親のように厳しく接する。
イェヴァ・アンドレイェヴァイテは12作に出演し、テレビドラマや映画で活躍しています。
実はイーゴリとの愛がない結婚に反対していて、ミラの身を案じていた。
・公爵(演:スタニスラフ・リューブシン)
ミラがドラゴンを倒した英雄の孫と結婚する事に喜んでいた。
スタニスラフ・リューブシンは63作に出演し、テレビドラマや映画で活躍しています。
本当の愛をイーゴリではなく、ドラゴンに捧げたミラを理解する心の広い人だった。
感想
個人的な評価
ロシア映画と言えば、『ナイト・ウォッチ』や『デイ・ウォッチ』が有名だろう。
その昔は芸術性の高い作品が多く、日本で公開される映画も多くなかった。
本作についても劇場公開されず、ビデオスルーとなっています。
しかし、本作は上記の映画を監督したインダル・ドジェンドゥバヴが製作総指揮を務める。
更にVXFチームを再結成し、美麗な映像やCGをふんだんに使っています。
ドラゴンという題材は何度も使われていて、新たな試みが非常に難しいと思う。
その中で本作はロシア映画らしい、美しい映像によって新たなドラゴン像を生み出した。
普通は単なるアクション映画になるところを、本作はラブロマンスに仕立てている。
これはロシア映画の底力を垣間見る事ができるほど、バランスがいいと言えます。
物語の大半は主人公のアルマン、ヒロインのミラの二人が過ごす時間に尺を割いている。
これによって両者の間にある愛が芽生えていく過程を丁寧に描いています。
しかも、触れ合う事ができないからこそ、精神的に繋がっている点も大きな魅力となる。
安易に触れ合わず、心が通じ合っているからクライマックスのシーンが活きてくる。
個人的にはもう少しアクションがあるかと思えば、それがなかったのはマイナスでした。
他の超大作に対抗するには、やはり、派手なアクションがあった方がいいと思います。
そうじゃないと、ドラゴンである必然性がなく、別の怪物でも良かった気がする。
その点だけが不満であるが、全体的に素晴らしい出来の良作だと言えます。