アンビュランス911 VD-303

作品紹介

公開年月  2015/09/29
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  アラン・スミシー
脚本  ポール・トラヴァーズ、ショー・ランデス
製作  ポール・トラヴァーズ、デイナ・トラヴァーズ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ブリストル郡のパインバレンに位置するアッシュ・パイン・ロードは、ハメを外した若者たちが“恐怖のドラッグレース”を楽しんでいた。
その一方で過去20年に渡り、この道を走行したと思われる31台の車の運転者が行方不明になるという“魔のバミューダ海域”とも言われた危険区域と言われている。
そんなある朝、エイミーは友人たちとドライブに出かけると、アッシュ・パイン・ロードで単独事故を起こしてしまうのだった。

登場人物&出演者

エイミー(演:ケイトリン・ハリス)
主人公。親友だったエンジェルがブラッドと付き合っているせいで疎遠になっている。
ケイトリン・ハリスは代表作に『Blood Is Blood』、『フォーエヴァー・マイ・ガール』などがあります。
何度もエンジェルに付き合いを止めるように忠告するが、その度にケンカをしていた。
エンジェルが不運の事故で亡くって悲しむが、近づいてきたジェイソンといい感じになる。
完全にエンジェルの事を忘れて豊胸手術し、レイチェルに似せて整形手術までしてしまう。
最後はダリルに捕まるも弟の裏切りで助かるが、救急車で突っ込んできたジョンに殺された。

メアリー(演:サッシャ・ノップ)
エイミーの母親。夫を亡くして以来、その妖艶な容姿でいろんな男と遊びまくる年増ビッチ。
サッシャ・ノップは代表作に『愛しのローズマリー』、『その男は、静かな隣人』がある。
胸が小さいとか性格が地味な娘とはまったく違い、積極的にいろんな男を相手にする。
今回はヒギンズ刑事と付き合っているが、決して夫の事を忘れていないと娘に強く言う。
ようやく付き合っているのがダリルだと紹介し、エイミーをレイチェルだと勘違いされる。
最後はダリルに疑われ、スクラップ工場に連れて行かれ、死体をエイミーに見せつけた。

ジェイソン(演:マックスウェル・ザコルスキー)
ジョーダンとは親友同士。何度もアッシュ・パイン・ロードでスピード競走を繰り広げた。
マックスウェル・ザコルスキーは代表作に『The Southernmost Point』などがあります。
恋人のレイチェルと悪ふざけをしていたが、エンジェルが死んだ事で後悔を感じてしまう。
それに加え、以前から目をつけていたエイミーに近づいて、ブルックにもブチ切れる。
整形してきたエイミーの変貌ぶりに驚きながらも、彼女とデートをするも兄弟に捕まる。
最後はなんとか逃げ出しエイミーを助けるが、救急車で突っ込んできたジョンに殺された。

エンジェル(演:ブランディ・サイラス)
エイミーの友人。ブラッドたちと付き合うようになってエイミーとは疎遠になっていた。
ブランディ・サイラスは代表作に『Hannah Montana: The Movie』などがあります。
エイミーが何度もブラッドたちとの付き合いを止めるように忠告されるも全部無視していた。
恋人のブラッドとともにアッシュ・パイン・ロードでスピード競走を楽しんでいた。
レイチェルが度胸試しをして盛り上がると、自分もやると宣言して車と車の間に立った。
最後は自分のマネをしたレイチェルのせいでバランスを崩し、車から落下して死亡した。

ヒギンズ刑事(演:ロバート・ボーグ)
ブリストル郡を取り仕切っている刑事。多発する車での事故に頭を悩まされている。
ロバート・ボーグは代表作に『True Blue』、『ララバイ』などがあります。
良く知っているエイミーの友人が事故死してしまい、学校に呼ばれて交通講義を頼まれた。
エイミーの父親は元同僚でずっと彼女を心配していたが、同時にメアリーに好意を持つ。
怪しいと睨んだダリルたちのスクラップ工場に来るが、手がかりを得ずにあっさりと見逃す。
最後はスクラップ工場に再び戻り、ブルックの惨状を見るも背後からダリルに刺されて死亡。

ブルック(演:オリヴィア・アレクサンダー)
ジェイソンたちのグループにいる黒髪のビッチ。自分に自信を持っていてエイミーを嫌う。
オリヴィア・アレクサンダーは代表作に『アメリカン・パイパイ/ようこそ美乳天国へ』、『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』などがあります。
エンジェルの度胸試しを見ていたが、彼女が死んでしまうと事故について口裏を合わせる。
ジェイソンが自分のパーティにエイミーと一緒に来た事で切れて、真実をぶち撒けてしまう。
そのせいでジェイソンたちから嫌われてしまい、レイチェルと連絡が付かず孤独になる。
最後は事故を起こし、兄弟たちに捕まって火を付けられ、トドメに胸を刺されて死んだ。

ティム(演:ベン・シュナイダー)
ジェイソンたちの友人。アッシュ・パイン・ロードでの競走を後ろからカメラで撮影する。
ベン・シュナイダーは代表作に『Dig Two Graves』などがあります。
エンジェルを加えてアッシュ・パイン・ロードで走っていたが、彼女が死ぬと場面を映した。
当然のように彼女が勝手にやった事として口裏を合わせて、逮捕をなんとか回避した。
パーティでもカメラ片手に撮影していたが、ブルックが暴走したのを見てその場を去る。
最後はブラッドたちを追っていくと二人の死体を見て、ジョンに見つかって殺されてしまう。

レイチェル(演:マーガレット・キーン・ウィリアムズ)
ジェイソンの恋人。いつもブルックと連んでいるが、内心では自分が一番だと思っている。
マーガレット・キーン・ウィリアムズは代表作に『Wet Behind the Ears』、『Life Hack』などがあります。
いつものようにアッシュ・パイン・ロードで楽しんで、車と車の間に立って度胸を見せた。
エンジェルにマネされるとイラッとして、ジェイソンの運転を邪魔して彼女を死なせる。
葬式ではブルックと談笑して空気を読まず、ジェイソンを捨てて今度はブラッドを狙った。
最後は見事にブラッドとアッシュ・パイン・ロードでイチャイチャするも兄弟に殺された。

ブラッド(演:デヴォン・スペンス)
ジェイソンの友人。エンジェルの恋人で彼女をグループに引っ張り込んだ張本人。
デヴォン・スペンスは代表作に『Affluenza』、『Wait』などがあります。
そのせいでエンジェルと友人だったエイミーが疎遠になってしまうも罪悪感を持たない。
エンジェルが道教試しをしていたが、レイチェルのせいで死なせて一番悲しんでいた。
ブルックが開いたパーティに参加すると、今度はレイチェルが近づいて受け入れた。
最後はレイチェルと二人でアッシュ・パイン・ロードに行くが、殺人鬼兄弟に殺された。

ジョーダン(演:ジェイク・ロビンソン)
ジェイソンの友人。アッシュ・パイン・ロードでジェイソンと何度もスピード競走している。
ジェイク・ロビンソンは代表作に『Long Shot Louie』、『Life Itself』などがあります。
ピザ屋でバイトしている若い女の子とイチャイチャしていると、単独で事故を起こす。
実は過去にジェイソンと競走していた時に兄弟の母親を轢き殺し、隠し通していたという。
最後は気絶してまま、駆けつけた偽の救急隊員の兄弟によってあっさりと殺される。

ジョン(演:ケイン・ホッダー)
殺人鬼兄弟の弟。兄と同じく父親に事故現場まで連れて来られて強制的に教育を受けている。
ケイン・ホッダーは近年の出演作に『ヴィクター・クロウリー/史上最凶の怪人』、『ロビン・フッド/秘密の森』などがあります。
過去にダリルの手術で顔を傷つけられてしまい、そのせいでずっとマスクをする事になる。
少年院から帰ってきたダリルには逆らえず、まるで手下のように使われ不満を募らせる。
エイミーを殺そうとしたダリルをなぜか止めてしまい、粉砕器に頭を突っ込んで殺害する。
最後は助けたはずのエイミーやジェイソンに救急車を突っ込ませて二人とも轢き殺す。

ダリル(演:ビル・モーズリイ)
殺人鬼兄弟の兄。絶対的な力を持つ父親から虐待を受けながら育ったせいで性格が歪む。
ビル・モーズリイは近年の出演作に『ザ・バトル/ネイビーシールズ vs ミュータント』、『ポゼッション・エクスペリメント』などがあります。
事故現場に連れて来られると、父親が死体の血をなめ回している姿を見てショックを受ける。
ちょっとしたケガでも父親に怒鳴られて薬をかけられるなど、弟よりもヒドイ目に遭う。
成人して父親に反旗を翻し、ロボトミー手術で廃人にして、救急隊員に扮して殺人をする。
最後はエイミーをレイチェルだと思って追い詰めるが、なぜかジョンに裏切られて殺された。

マーサ(演:スーザン・マクブライエン)
ダリルとジョンの母親。暴力で支配するジミーの言いなりで兄弟の虐待を見過ごしていた。
スーザン・マクブライエンは代表作に『フィクサー』、『キアヌ』などがあります。
ダリルがちょっとしたケガをして薬品をかけらると、さすがに見過ごせずに助け出した。
何度も夫のジミーから暴力を振るわれるが、成人した息子たちを使って復讐をした。
最後はスピード競走していたジョーダンの車に轢かれてしまい、即死してしまう。

ジミー(演:ケネス・シモンズ)
ダリルとジョンの父親。マーサの夫。元々は衛生兵で戦争が原因でおかしくなっていた。
ケネス・シモンズは代表作に『キック・アス』、『Tri』などがあります。
暴力で家庭を支配していて、血への要求から救急隊員に扮してケガ人を殺していた。
兄弟に対する教育を徹底していて、自分が血を舐める様子をずっと見せていた。
最後は成人した息子たちに囚われると、ロボトミー手術を受けて廃人と化してしまう。

感想

個人的な評価

本作は『マシンガン・プリーチャー』や『ディヴァイド』の製作総指揮を務めたカイル・ディーン・ジャクソンが参加しています。
何より本作ではケイン・ホッダーとビル・モーズリイが共演している点が大きいだろう。
まず、ケイン・ホッダーは『13日の金曜日』でジェイソン役や『ハチェット』シリーズでヴィクターなどの殺人鬼を演じてきた人物。
それに対してビル・モーズリイは『悪魔のいけにえ』や『マーダー・ライド・ショー』シリーズで知られています。
どちらも殺人鬼をテーマにした作品に出演している二人の共演で、しかも兄弟という設定はファンにとって見逃せないでしょう。
そんな兄弟たちは救急隊員に扮して、お決まりのセリフ「心配するな、救急隊員だ」と言ってケガ人を連れ去ってぶっ殺していきます。
これを単純にしてやればいいのに、なぜかちゃんとしたストーリーを付けてしまい、兄弟の回想を挟み込んでテンポを悪くしている。
やはり、みんなが見たいのはビル・モーズリイとケイン・ホッダーのコンビによるスプラッターのシーンだけです。
本作に登場するバカ者(若者)たちはみんなクズであるが、地味な主人公までラストの方で謎の行動をしてくれます。
親友が事故死しているのに、その原因を作った男といい感じになって、豊胸手術と整形手術してイメチェンをする予想の斜め上を行く展開を見せました。
何より主人公が整形したのは、親友を死なせた元凶の女に似せるという不謹慎極まりない展開は誰も予想できないだろう。
兄弟たちが殺人鬼になったのは父親のせいだが、今回の殺人は単なる母親を殺したバカ者たちに復讐するという動機の食い違いが発生している。
結局は主人公たちをつけ回す理由が欲しくて途中で流れを変えてしまい、せっかくの救急隊員に扮する殺人鬼兄弟の設定がブレてしまう。
そして、なぜか急に兄を弟が裏切って殺すが、最後に主人公たちを救急車で轢き殺す結末も一貫性がなくて何がしたいのか分からなかった。
ただ、ケイン・ホッダーは撮影当時で還暦を迎えているが、相当鍛えているのが分かるぐらいスタイルがとてもいいです。
もちろん、兄を演じるビル・モーズリイの不気味さもしっかりと出ていて、両者の良さはそれなりに出ていたのは救いだったと思います。
しかし、これはあくまでケイン・ホッダーとビル・モーズリイを知っている前提で、彼らを知らなければ本作は当然のように鑑賞する価値はありません。