ゴースト・ボイス RE-2816

作品紹介

公開年月  2003/05/03
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  トム・サイラ
脚本  トム・サイラ
製作  レベッカ・サイラ
製作国  アメリカ
鑑賞方法   レンタルDVD

あらすじ

夫を亡くしたアリスは彼が死ぬ前に愛を誓い「僕は必ず戻ってくる」と言い残していた。
だが、アリスには愛人がいて、葬儀の後、夫に関するものに異変が起こり始める。
そして、ついに殺人事件が発生し、アリスは何かの声に追いつめられるようになるのだった。

登場人物&出演者

アリス・ダロウ(演:ステファニー・コレット)
主人公。最愛の夫マイケルを病気で亡くす。夫は信心深かったけど、自身は信じておらず。
ステファニー・コレットは本作が長編映画デビュー作となります。
夫が亡くなってから数日、夜中の電話やコーヒーカップの嫌がらせに悩まされている。
マイケルの幽霊が追いつめられて本性を現し、スティーヴを誘惑するビッチと化してしまう。
実体化したマイケルにスティーヴが妻殺しだというウソを吹き込まれ、一度不仲になる。
最後はスティーヴに誤射され、死の淵でマイケルをあの世に送り、自身も死に同じ事をする。

スティーヴ(演:ウェンデル・ウィラット)
アリスの友人で仕事仲間。過去に妻を亡くしている。夫を亡くしたアリスに共感していた。
ウェンデル・ウィラットは代表作に『Follow the Bitch』などがあります。
悪ふざけが大好きだが、アリスが遭っている謎の嫌がらせについて真剣に聞いていた。
途中までガマンしていたが、完全なるビッチと化した主人公の宣言でタガが外れてしまう。
一度はマイケルによって妻を殺したとアリスが騙され、警察に事情聴取されて不仲になる。
最後は元凶がマイケルだとして銃で応戦しようとしてアリスを射殺し、今度はターゲットに。

ケリー(演:コリー・ヘニンガー)
アリスの親友。マイケルを亡くしたアリスを励ます。心霊現象などの本を読み漁っている。
コリー・ヘニンガーは代表作に『コピーキャット』、『ネゴシエーター』などがあります。
夜中の電話やコーヒーカップについて相談するアリスに、冗談半分で夫の仕業だと口にする。
嫌がらせの原因がマイケルだと判明し、アリスに相談されて占い師のところへ連れて行く。
マイケルを成仏させる為に彼の遺言書を若い神父が墓前で読み上げる際、一緒に参加した。
最後はマイケルに騙されてスティーヴを疑ってショックを受けていたアリスを励ました。

アリスの母親(演:フランシス・リー・マッケイン)
半分意識が別の世界に飛んでいる。夫の死を報告されると、意味深な言葉を告げた。
フランシス・リー・マッケインは代表作に『グレムリン』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などがあります。
普段はアリスと離れて精神病院に暮らしていて、なぜか死んだマイケルと会話をしている。
突然アリスに連絡がいって、亡くなった事を知らされ、最後に「マイケル」と呟いていた。
最後はアリスの前に姿を現して何かを指差して訴えるが、理解できないうちに消えてしまう。

マイケル・ダロウ(演:ティム・パルシック)
アリスの夫。小学校の教師。不治の病で寝たきり状態となり、ついに勝てず亡くなる。
ティム・パルシックは代表作に『Brad’s Untitled Restaurant Project』などがあります。
生前から信仰心が強く神秘的な魅力を持っていて、保守的な考え方をするタイプであった。
亡くなる寸前にアリスへ「戻る」と言い残すが、数日後に奇妙な出来事が起き始める。
実はスティーヴに好意を持っていたアリスの罪を知っていて、死んだ後から姿を現す事に。
最後は死の淵にいたアリスを迎えに来るが、土壇場で裏切られてあの世に送られた。

感想

個人的な評価

本作は低予算映画で監督と脚本を務めるトム・サイラにとってデビュー作となります。
トム・サイラは『スター・ウォーズ』のエピソード1やエピソード4ではノンクレジットで声の出演をしています。
始まってすぐに分かる低予算作品だという映像、微妙な容姿の役者陣から安心する典型的な作品だと言える。
本作はまるで『ゴースト/ニューヨークの幻』を彷彿とさせるような展開だが、大きく違うのは主人公がビッチという点でしょう。
上記の作品ではまさに純愛物語だったのですが、本作は夫を亡くして片想いの男にアプローチを始める主人公の行動に唖然としてしまう。
本作にはどんでん返しが用意されていて、意外にも悪くない仕掛けだと思うけど、致命的に主人公がビッチすぎました。
あんなに夫を「愛している」と言っておきながら、実は別の男が好きでしたという展開はあまりにも印象が悪すぎました。
それを感じたのか、監督はスティーヴに悪者のミスリードをさせて、マイケルをいいヤツにしようとした結果がどんでん返しに繋がったと思う。
結果的には良かったのか知れないが、主人公のビッチさだけが目立ってしまい、最終的にスティーヴという男はあまりにも可哀想すぎた。
妻を自殺で亡くしていて、好きになった未亡人に妻殺しと疑われ、最後はその女に呪いみたいな言葉を言われる。
スティーヴが不憫すぎる展開だし、彼はビッチと化した主人公の誘惑を断って、ちゃんとケジメを付けてから行動した常識人でした。
これはどう考えても主人公がすべての元凶であり、悲劇のヒロインを演じているから尚更タチが悪すぎました。
素材自体は悪くなかったのですが、主人公を性悪女にするならば、もっと徹底的にするべきで救いようのないビッチなら盛り上がったはず。
それを永遠の愛を誓った夫、純情なスティーヴを振り回し、自分だけが悲劇のヒロインとなって去る展開はどうにも微妙でした。