作品紹介
公開年月 | 2019/11/28 |
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ジャンル | ホラー/アクション |
原作 | ルイボ・カオ 『末世人間道』 |
監督 | スカイ・ワン |
脚本 | スカイ・ワン、ウー・バイイン、ほか |
製作 | ハワード・チェン、シューシャン・チェン、ほか |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
とある超高級ホテルで突如得体の知れない人喰いゾンビが出現し、逃げ惑った市民が次々と襲われていく。
ホテル最上階のスイートルームに閉じ込められたボスから助けの電話を受け、運転手のジャックはトランクから金属バットを手に駆けつけた。
感染者に占領されたホテルで生き残った年齢や性別がバラバラの5名は、安全な軍事基地への脱出を試みるのだった。
登場人物&出演者
・ジャック(演:マーティン・ヤン)
リッチの運転手。病気である母の看病をして費用を稼ぐ為に大学を中退している。
マーティン・ヤンは本作が長編映画デビュー作となります。
リッチが母親の治療費を全額払ってもらった恩として、永遠に彼をボスとして従うという。
ボスが会食していたホテルでゾンビが現れると、命令された通りに金属バットを持っていく。
ホテルを脱出する際にヘレンとシンディを助け出し、施設でなぜか仲良くなっていく。
最後はリッチとタイマンするも負けるが、ヘレンとシンディに助けられ、二人の為に犠牲に。
・ヘレン(演:チャン・イーナン)
テレビの有名なリポーター。ボクササイズをして体を鍛えていて出世の為なら手段を選ばず。
チャン・イーナンは本作が長編映画デビュー作となります。
党委員会のウー書記に枕営業をして、自分の地位を確実にしようと覚悟を決めていた。
ホテルにゾンビが出現すると、やって来たジャックとともにボクササイズで倒していった。
施設に到着するとジャックと距離を縮めるが、グレッグに監禁されるも脱出を果たす。
最後はリッチを銃で撃って、ジャックが車を押して犠牲になってシンディと安全な場所へ。
・シンディ(演:キアナ・チェン)
ホテルの地下駐車場で車に閉じ込められていた少女。両親がゾンビ化するも一人助かった。
キアナ・チェンは代表作に『ガーディアンズ:呪われた地下宮殿』、『Yellow Rose』などがあります。
車の中で泣いているところをジャックとヘレンに助けられ、二人を信頼して付いていく。
ウー書記と会話をして一人だけ生き残ろうとする彼の考え方を変えるほどの影響力を発揮。
裏切ったグレッグに部屋まで連れ出されるが、油断した彼を昏倒させて脱出した。
最後はジャックの犠牲によってヘレンが運転する車でウー書記から聞いた避難所へ向かう。
・マイケル(演:レイ・ワン)
テレビのリポーター。ヘレンとは同僚のような関係。家族持ちで安定した生活を送る。
レイ・ワンは代表作に『The City of the Family』などがあります。
ジャックとは大学時代の友人で、彼が母親の為に中退した事を知って援助しようとした。
ホテルで会食するリッチに頼まれて酒を持ってきたジャックとエレベーターで再会を果たす。
ゾンビに襲われそうになるが、なんとか助かってジャックの代わりに生存者を探しに行く。
最後は車で脱出しようとしたジャックの前にゾンビ化した状態で現れ、そのまま轢かれた。
・リッチ(演:ヤン・ミンイー)
ジャックのボス。大学との契約で学食の食材を仕入れている。傲慢でジャックをアゴで使う。
ヤン・ミンイーは本作が長編映画デビュー作となります。
頭の悪いジャックを常に小バカにするような口調だが、実は彼の母親の治療費を支払った。
ジャックを凡人として見下しているが、ゾンビたちが来て偵察に向いていると認める。
施設にやって来ると、グレッグとの取引で情報を引き渡し、一人だけ有利な立場となる。
最後はジャックとのタイマンで勝つが、ヘレンに撃たれ、ゾンビの大群が来て自殺をした。
・グレッグ(演:シンプソン・タング)
党委員会が所有する施設の責任者。ゾンビが発生するとすぐに行動して安全を確保した。
シンプソン・タングは本作が長編映画デビュー作となります。
ウー書記がやって来ても正体が分からなかったが、女性陣を見て残念だと諦めてしまう。
名前をウー書記に呼ばれた事で彼らを施設内に避難させ、ちゃんとした食事を与えた。
実は極度のロリコンでずっとシンディに目をつけて、リッチとの取引をして手に入れる。
シンディに揃えた可愛い服を見せると、なんとかご機嫌を取ろうと優しい言葉を口にする。
最後は油断してシンディに昏倒され、目を覚ますもみんなゾンビになっていて食われた。
・ウー書記(演:ジア・フェンツ)
党委員会の書記。大きな影響力を持っていて、大学の移転について決定権を持っている。
ジア・フェンツは代表作に『Mild Afternoon』、『Hai dai』などがあります。
リッチたち大学側の人間から会食に招かれ、豪勢な食事を振る舞われるも移転に強固な姿勢。
ホテルがゾンビたちに支配されると、安全な場所を記した地図を覚えてすぐに破棄した。
自分さえ生き残ればいいと考えていたが、シンディとの会話で心変わりをしていく。
最後はシンディに避難所の場所を伝えると、ゾンビの大群を引き寄せる囮となって死亡。
感想
個人的な評価
本作は『シカゴ国際ジャンル映画祭』や『ニューヨーク映画祭』を含めた多くの映画祭で受賞とノミネートされています。
映画賞獲得数が156部門でノミネートが58部門となり、撮影日数が15日間ながら反響を及ぼした作品となります。
どうやら本作は中国の漫画が原作のようですが、情報が少なくて詳細まではよく分からない。
上記のように本作は色々と箔が付いていて、更に韓国のゾンビ映画『新感染/ファイナル・エクスプレス』を彷彿とさせるタイトルとジャケットになります。
中国のゾンビ映画というのは初めてで、本土ではないが台湾や香港では一応ゾンビ映画が製作されています
本作ではほとんどの出演者が長編映画デビュー作となっている事から、残念ながら豊富なチャイニーズ・マネーの恩恵を受けていない低予算映画だと分かります。
まず、本作はオリジナリティがほぼ皆無であり、ゾンビ映画を多く観ている人にとっては非常に物足りない作品です。
ゾンビ・パンデミックの原因など究明する余裕がなく、登場人物たちは生き残るだけの物語になっています。
その為、ストーリーとしてはゴールを目指すだけになるが、サバイバルよりも人間ドラマに重点を置いています。
登場人物たちは後に助け出される少女を覗けば、なんらかの関係性を持っていて、そこに人間ドラマで尺を稼いでました。
この人間ドラマが面白ければいいのですが、残念ながら全員が記号的な役割以上の事を果たせずに深みがありません。
主人公は冴えないバカだが、正義感に溢れているけど、どう見ても頼りないしイケメンでもないし、母親と旧友のエピソードだけ本人の設定は薄っぺらでした。
ヒロインはリポーターとして枕営業も厭わない覚悟を持つが、噛まれたら感染するのにワザワザ露出の多い服装に着替える意味のなさ。
冒頭から主人公が雇い主に従っているが、あまりにも横柄な態度でどう見てもいい人間に見えない小悪党を貫いていました。
ゾンビはモダン型で全力疾走やジャンプしてくるけど、低予算の為にメイクが安っぽいし、エキストラのやる気があまり感じられなかった。
ここから中国がゾンビ映画のノウハウを知って、ちゃんとした作品を作る可能性もあるだろうけど、本作は退屈そのものでした。