ジャッカルズ RE-2761

作品紹介

公開年月  2018/01/06
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ケヴィン・グルタート
脚本  ジャレド・リヴェット
製作  トミー・アラストラ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

1983年、カルト教団に入信した息子ジャスティンを取り戻す為、パウエル一家は非常手段に出てしまう。
母親、父親、兄、息子の恋人の四人は、カルト対策の専門家ジミーを雇い、ジャスティンを教団から逆に強制拉致する。
人里離れた山荘に監禁し、洗脳を解く為に治療を開始するが、その夜、仮面を被った狂気のカルト集団“ジャッカルズ”に包囲されるのだった。

登場人物&出演者

アンドリュー・パウエル(演:ジョナサン・シェック)
パウエル家の父親。カルト対策の専門家であるジミーを雇ってジャスティンを拉致した。
ジョナサン・シェックは代表作に『ヴァンパイア・ハンター』、『ザ・ヘラクレス』がある。
キャシーと離婚していて、金持ちであったが、仕事を第一に考えて家族の事を放置していた。
ジャスティンの問題は自分の責任だと強く思っていて、なんとかしようと懸命に行動する。
家にカルト教団のメンバーが侵入すると、素人とは思えないほどの戦闘力で二人を殺害する。
最後はキャシーとキャンベルを助けようとするが、結局は物量に負けて殺されてしまう。

キャシー・パウエル(演・デボラ・カーラ・アンガー)
パウエル家の母親。カルト教団に入信した次男のジャスティンをずっと心配している。
デボラ・カーラ・アンガーは代表作に『サイレントノイズ』、『サイレントヒル』がある。
アンドリューとはすでに離婚していて、ジャスティンの恋人サマンサと同居している。
常にアルコールを飲んでいる状態で軽いアル中だが、最後までジャスティンを信じていた。
カルト教団に捕まったキャンベルを助けようとするが、当然のように捕まってしまう。
最後は目の前でアンドリューが死ぬと、あっさりと首を切られて何も言わずに死亡した。

キャンベル・パウエル(演:ニック・ルー)
パウエル家の長男。子供の頃はジャスティンと仲が良かった。すぐにキレる短気な性格。
ニック・ルーは代表作に『レモネード・マウス』などがあります。
ジャスティンの洗脳を解こうとする専門家のジミーに対し、まるで信用していない。
そもそも、勝手に家を出て行ったジャスティンを見限っていて、バカバカしいと思っている。
それでも弟を取り戻そうと協力するが、カルト教団に囲まれると弟を見捨てるべきだと主張。
最後は助けを求めて走るが、捕まってしまい、両手を燃やされて、そのままショック死した。

サマンサ(演:チェルシー・リケッツ)
ジャスティンの恋人。元々は学生だったが、妊娠が発覚した事で退学して出産した。
チェルシー・リケッツは代表作に『バトル・ライダー』、『グローリー・ショット/栄光への軌跡』などがあります。
当初はジャスティンを父親として必要ないと口にしたが、彼がいなくなって後悔していた。
現在はキャシーの家で娘のゾーイとともに暮らし、何不自由な日々を送っていた。
カルト教団の目的がジャスティンだと知りながらも、絶対に引き渡さないと強く意見する。
最後はジャスティンが昔の自分を取り戻し、逃げ出すも結局は教団のメンバーに捕まる。

ジャスティン・パウエル(演:ベン・サリヴァン)
パウエル家の次男。元々は優しく繊細な性格。恋人のサマンサとの間に娘のゾーイを授かる。
ベン・サリヴァンは代表作に『Stonewall』、『Pretty Little Dead Girl』などがあります。
勝手に家を出てカルト教団に入信すると、自分の事を「タナトス」と称する洗脳ぶりを発揮。
ジミーとアンドリューによって拉致されると、洗脳を解こうとするもムリだと判断される。
家族には耐え難い罵声を浴びせ、カルト教団こそが本当の家族だと心の底から信じている。
最後は両親と兄が殺される寸前になり、サマンサとゾーイを逃がして教団に喜んで戻った。

ジミー(演:スティーヴン・ドーフ)
カルト対策の専門家。息子のジャスティンを助けるべく、パウエル家に雇われる事になる。
スティーヴン・ドーフは近年の出演作に『レザーフェイス/悪魔のいけにえ』、『アメリカン・ヒーロー』などがあります。
過去に兄からの暴力を受けていて、その復讐をしようと海兵隊に入隊した経歴を持つ。
アンドリューに雇われてジャスティンの洗脳を解くが、キャンベルからなぜか信用されず。
上手くジャスティンを拉致して洗脳を解く手順を踏むが、カルト教団が来た事で窮地になる。
最後はカルト教団のメンバーを追った時に捕まり、拷問を受けて帰ってくるも死亡した。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2018』にて上映された作品です。
80年代に実際に起きた事件がモチーフとなっており、監督は『ソウ』シリーズで知られるケヴィン・グルタートが務めています。
実話を使ったホラー映画という事で多少の期待をしましたが、残念ながら世の中は思っているようにいかない事が多いと分かる作品でした。
カルト教団というステレオタイプな設定、洗脳という分かりやすい設定、それを守ろうとする家族の設定も王道と言えます。
しかしながら、カルト教団の目的は分からず、洗脳は解くのがムリ、家族の絆は最初から崩壊している点から本作は欠点だらけでした。
まず、本作の肝となるのはずのカルト教団ですが、全員がジャッカルに似せた革製の仮面を被っている事だけが分かります。
あとはカルト対策の専門家が推測で話した程度の事しか分からず、何がしたいのか本作では一切の説明がありません。
そのカルト教団の目的は捕らわれた同胞なのか、兄弟なのか、息子なのか、分からないパウエル家の次男ジャスティンを取り戻す事となります。
そもそもジャスティンはカルト教団にとって、数人の犠牲者が出ても連れ戻すほどの重要な人物なのか分かりません。
この時点で疑問だらけとなり、次に洗脳を解くのがムリと言った専門家があっさりと死んでしまうところも意外性があっても面白さに繋がっていない。
残された家族はどう見ても太刀打ちできそうにないし、彼らの絆は最初からないので、誰が死んでもいいという感じになった。
あとはカルト教団がどれだけ家族たちを料理していくかがポイントになるが、結局は彼らの自滅という形で終わっている。
結局、本作のカルト教団は何がしたかったのか目的が分からず、ジャスティンを本格的に仲間入りさせるなら、やり方としては温すぎる。
カルト教団がジャスティンを深い洗脳に落とすべく、両親や兄を自らの手で殺させ、最後は恋人と娘を生贄に捧げるぐらいの事をしてくれないといけません。
それを期待したのに、なぜか恋人と娘を逃すという意味不明な行動に出てしまいます。
いくら本作が実話をベースにしているとは言え、分からない事が多すぎて観ていてもモヤモヤするだけで終わってしまう。
どうせなら、思い切って脚色を入れて、ジャスティンの暴走をもっと描き出すべきだと感じさせる残念な作品でした。