作品紹介
公開年月 | 2014/10/06 |
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ジャンル | ファンタジー/ホラー |
原作 | ジョー・ヒル 『Horns』 |
監督 | アレクサンドル・アジャ |
脚本 | キース・ブーニン |
製作 | アレクサンドル・アジャ、リザ・アジズ、ほか |
製作国 | アメリカ、カナダ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
恋人を殺され、容疑者となったイグは怒りと絶望の日々を送っていたある日、目覚めると頭に角が生えていた。
その角は他者に真実を語らせる力が宿っていて、イグは「告白の角」を使って最愛のメリンを殺した真犯人を探す。
人々の欲望や本音が押し寄せる中、ついにイグは真犯人の手がかりを見つけるが、そこにはもっと悲しい秘密が明らかになるのだった。
登場人物&出演者
・イグ(演:ダニエル・ラドクリフ)
主人公。最愛の恋人メリンを失い、今では酒に溺れる日々を送る。恋人殺しの容疑を受ける。
ダニエル・ラドクリフは近年の出演作に『フライト・リミット』、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』などがあります。
世間から恋人殺しの悪魔としてマスコミにも追いかけられるが、無実の罪だと主張していた。
いつしか角が生えて、周囲の人間が本音を話し始め、更に悪の心を容赦なく見せられる。
角の力で真犯人が親友のリーだと知り、彼に自首するように説得するも逆に殺される事に。
最後は角の力で復活して再びリーに自首を勧めるが、拒否されて悪魔となって復讐を果たす。
・メリン(演:ジュノー・テンプル)
イグの恋人。何者かに殺されてしまう。子供の頃に引っ越して、イグにひと目惚れしていた。
ジュノー・テンプルは代表作に『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』、『マレフィセント』などがあります。
その後、壊れた十字架を直して戻したイグと距離を縮めて、大人になって恋人となった。
過去に母親をガンで亡くしていて、その痛々しい姿や父親の苦しむ姿に心を痛めていた。
プロポーズしたイグを拒否するが、実際は母親と同じガンに冒され苦心の決断をする。
最後は悪魔に身を捧げてリーを罰したイグが天国に行き、彼と再会してずっと一緒に過ごす。
・リー(演:マックス・ミンゲラ)
イグの友人で弁護を担当していた。子供の頃にイグからもらった爆弾で指を失っている。
マックス・ミンゲラは代表作に『アレクサンドリア』、『ソーシャル・ネットワーク』などがあります。
両親ですら疑っていたイグの無実を誰よりも信じていて、なんとか弁護しようと奔走する。
子供の頃にイグが拾ったメリンの十字架を修理し、結果的に二人をくっつける役を担う。
実はずっとメリンに片想いしていて、勘違いで彼女に迫るも拒まれて勢いで殺してしまう。
最後はイグに自首を勧められるも拒絶するが、悪魔となった彼のヘビによって殺された。
・テリー(演:ジョー・アンダーソン)
イグの兄。ジャズミュージシャン。イグと違って父親と同じミュージシャンの道を歩む。
ジョー・アンダーソンは代表作に『パラサイト・バイティング/食人草』、『ヘラクレス』などがあります。
メリン殺しの容疑をかけられたイグを信じていて、落ち込んでいた彼をなんとか励ました。
角の力を手にしたイグに正直となって、メリンに好意を持っていて彼女の死を見ていた。
ずっと後悔してクスリ漬けとなっていて、イグの力によってオーバードーズで入院していた。
最後は真犯人のリーを追い詰めるが、足を撃たれてしまい、イグの最期を看取る事になる。
・グレンナ(演:ケリ・ガーナー)
イグやテリーの女友達。子供の頃からイグたちと一緒にいた。イグの無実を信じている一人。
ケリ・ガーナーは代表作に『アビエイター』、『遠距離恋愛/彼女の決断』などがあります。
子供の頃からイグに好意を持っていたが、テリーたちに見放されないように気を使っていた。
誰とでもすぐに寝てしまうビッチになっていて、酔っていたイグとベッドを共にしていた。
角の力で正直になってイグに好意を伝えるも叶えられず、八方美人だった事を告白する。
最後はイグの言葉で自身を大切にするように言われ、夢だった都会に行く事を決心させた。
・エリック(演:マイケル・アダムスウェイト)
イグやテリーの友人。子供の頃から一緒に遊んでいて、いつも仲間内で強がっていた。
マイケル・アダムスウェイトは代表作に『ボンテージ・ポイント』、『ウォークラフト』などがあります。
大人になってから地元の警察官になり、メリンを殺害した容疑でイグを逮捕していた。
ずっとイグに対する憎しみを持っていて、自分の手で彼を殺したいと告白をした。
実はゲイで子供の頃にゲイ雑誌を盗んだ事が親にバレて、激しい体罰を受けていたという。
最後はテリーと一緒にリーを追い詰めるが、ショットガンを取られて頭を吹き飛ばされた。
・デリック(演:ジェームズ・レマー)
イグとテリーの父親。メリン殺しの容疑をかけられたイグをなんとか励ましていた。
ジェームズ・レマーは代表作に『48時間』、『パシフィック・ウォー』などがあります。
イグの角によって本音を引き出され、テリーと違って思い通りの育たなかった事を後悔する。
最後はクスリの過剰摂取で入院していたテリーを夫のデリックと一緒に待機室で見守った。
・リディア(演:キャスリーン・クインラン)
イグとテリーの母親。メリン殺しの容疑をかけられたイグを表向きに心配していた。
キャスリーン・クインランは代表作に『アポロ13』、『ヒルズ・ハブ・アイズ』があります。
角の力を得たイグによって本音が引き出され、幸せの邪魔だとハッキリと告げてしまう。
最後はクスリの過剰摂取で入院していたテリーを夫のデリックと一緒に待機室で見守った。
・ベロニカ(演:ヘザー・グラハム)
ダイナーのウェイトレス。イグがメリンにプロポーズしようとして現場に居合わせていた。
ヘザー・グラハムは代表作に『スクリーム2』、『オースティン・パワーズ:デラックス』などがあります。
警察にはメリンの拒否にイグが逆上して殺害の意思があるというウソの証言をしていた。
その理由は有名になりたいという勝手な考えからで、自身の容姿に絶対の自信を持っている。
最後は角によって真実を暴いたイグによって、ヘビに顔を噛まれて醜い姿に変わり果てる。
感想
個人的な評価
本作はスティーヴン・キングの息子であるジョー・ヒルの小説が基になっています。
監督は『ヒルズ・ハブ・アイズ』、『ピラニア3D』などで知られるアレクサンドル・アジャが務めています。
この作品は宗教的な要素が絡んでいるが、キリスト教じゃなくても理解できる内容である。
恋人殺しとして世間から「悪魔」呼ばわりされる主人公だが、実際に角が生えて周囲の人間が告白するようになる。
そこから恋人を殺した真犯人を探していくが、どこまでも主人公を囲む環境が見せかけだったのか分かります。
相手の心が読めるまで行かなくても、人間が持つ悪の心を間近で聞くのは精神的にキツイと思わせる展開でした。
自分は疎まれる存在だと薄々勘づいていても、実際に肉親から見放されるような言葉ほど突き刺さるモノはないと思わせる。
更に信頼していた親友すらも裏切られてしまうなど、あまりにも主人公を追い詰める展開は肉体的よりも精神的な苦痛が大きい作品でした。
主演を務めたダニエル・ラドクリフはずっとハリー・ポッターのイメージが強く、それを変えようとしてチャレンジした役だと言える。
タバコ、酒、ドラッグと絶対にハリー・ポッターがやらない事をやって、そのイメージを大きく覆していると思います。
個人的には『ハリー・ポッター』という作品はあまり好きじゃないが、本作のダニエル・ラドクリフは素晴らしい演技をしています。
あそこまで追い詰められながらも、必死に恋人を殺した真犯人を探す執着心は過酷な環境すら覆す強さを与えていました。
主人公を裏切った周囲の人間は「悪」であるが、個人的に殺された恋人こそが「極悪」だと感じてしまいました。
周囲の人間に多大な影響を与えてしまい、主人公の人生をメチャクチャにしたのに、理由を告げずに一方的な別れを告げたせいでよりおかしくしている。
確かに主人公は角が生えて悪魔のような姿になるが、それ以上の「無自覚な魔性の女」ほど恐ろしいモノはないと感じてしまった。
ラストは主人公にとって幸せな結末になったが、やはり、その恋人が起こした無責任な悪事は一番のホラーだと分かりました。