ブラックパンサー MY-273

作品紹介

公開年月  2018/02/16
ジャンル  SF/アクション
原作  スタン・リー(原作)、ジャック・カービー(作画) 『ブラックパンサー』
監督  ライアン・クーグラー
脚本  ライアン・クーグラー、ジョー・ロパート・コール
製作  ケヴィン・ファイギ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入ブルーレイ

あらすじ

アフリカの秘境にあるワカンダは誰もが想像もできない最新テクノロジーを持つ超文明国で、世界を変えるほどのパワーを持つ鉱石“ヴィブラニウム”が存在する。
突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、この国に存在する多くの秘密を守る使命を帯びる事になる。
しかし、そんなワカンダの秘密を知った工作員のエリック・キルモンガーは、武器商人のクロウと組んでヴィブラニウムを手に入れようと暗躍を始めるのだった。

登場人物&出演者

ティ・チャラ/ブラックパンサー(演:チャドウィック・ボーズマン)
主人公。ワカンダ王国の新たな国王となり、同時にブラックパンサーの使命を帯びる事に。
チャドウィック・ボーズマンは代表作に『ドラフト・デイ』、『キング・オブ・エジプト』などがあります。
正式に国王となるべく王位継承の儀式を行い、挑戦したエムバクを実力で倒して納得させた。
過去に父親が弟を反逆罪で殺し、その息子であるキルモンガーを置き去りにした事に激昂。
ワカンダにやって来たキルモンガーと王座をかけて戦うも敗れるが、エムバクが助ける。
最後は国を守るべく暴走するキルモンガーを倒し、世界に目を向けて技術の提供を始める。

ナキア(演:ルピタ・ニョンゴ)
ヒロイン。ティ・チャラの幼馴染みで元恋人。現在はワカンダのスパイとして世界で活躍。
ルピタ・ニョンゴは代表作に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『ジャングル・ブック』などがあります。
ティ・チャラの恋人よりも世界にいる貧しい人々の為にスパイとして飛び回っていた。
王位継承の儀式が行われる事を知って、ティ・チャラの為に久しぶりの帰国をする事に。
キルモンガーによってティ・チャラが王座を奪われ、彼の母と妹を匿って逃がした。
最後はキルモンガーたちと戦い、国外にヴィブラニウムが持ち出されないように活躍した。

シュリ(演:レティーシャ・ライト)
ティ・チャラの妹でワカンダ王国の王女。ワカンダ王国では科学や発明を行っている。
レティーシャ・ライトは代表作に『トレイン・ミッション』、『レディ・プレイヤー1』などがあります。
古いしきたりや掟に縛れる中で、若者らしく否定するような行動を悪ふざけで取っていた。
天才的な頭脳の持ち主でブラックパンサーのスーツを改良し、車の運転も自由自在にこなす。
王座をキルモンガーに奪われた際、ナキアや母親とともにジャバリ族へ協力を要請する。
最後はヴィブラニウムが国外に出ないようエヴェレットにジェットの操縦を頼んだ。

オコエ(演:ダナイ・グリラ)
ワカンダ王国親衛隊“ドーラ・ミラージュ”の隊長。ワカンダに絶対的な忠誠を誓っている。
ダナイ・グリラはテレビドラマシリーズ『ウォーキング・デッド』で知られ、映画の代表作に『扉をたたく人』などがあります。
ワカンダ王国ではティ・チャラを除いて最強の戦士であり、ウカビの恋人でもある。
常に国王の傍で護衛を務めており、他者が気軽に王と接するだけでも許さない忠誠心を持つ。
ティ・チャラがキルモンガーに王座を奪われても、国王に仕える任務を放棄せず従った。
最後は復活したティ・チャラに従いキルモンガーと戦い、ウカビの暴走を抑える事に成功。

エヴェレット・ロス(演:マーティン・フリーマン)
CIA捜査官。元アメリカ空軍のパイロット。クロウを捕まえようとティ・チャラと再会する。
マーティン・フリーマンは近年の出演作に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ゴースト・ストーリーズ/英国幽霊奇談』などがあります。
当初はワカンダが貧しい農業国で、クロウ逮捕の邪魔をしないように注意をしていた。
クロウを捕まえて尋問している時にワカンダの真実を知るが、キルモンガーの襲撃で負傷。
ワカンダで治療を受けて全開すると、今度はキルモンガーが国王になって逃げる事に。
最後は国外に出る輸送機を撃ち落とす活躍し、ワカンダを理解する人間として協力する事に。

ウカビ(演:ダニエル・カルーヤ)
ワカンダの国境を警備するボーダー族のリーダー。30年前にクロウのせいで両親が死んだ。
ダニエル・カルーヤは代表作に『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』、『ゲット・アウト』などがあります。
ティ・チャラとは良き友で、王位継承の儀式では王族としての挑戦を廃棄して忠誠を誓う。
クロウの居場所を知ると、一緒に乗り込んで両親のカタキを取ろうとするも国に留まる事に。
ティ・チャラがクロウを逃してしまい、そのせいで信頼が薄れ、キルモンガーに協力する。
最後は支配者になろうとするキルモンガーに賛同するが、オコエの強い意志に負けて降伏。

エムバク(演:ウィンストン・デューク)
ワカンダの山奥に住むジャバリ族のリーダー。ハヌマンというゴリラの神を信仰している。
ウィンストン・デュークは本作が長編映画デビュー作となります。
ワカンダ王国に忠誠を誓う他の部族と違い、忠誠を誓わず山奥に住んで王座を狙っている。
ティ・チャラが王位継承の儀式を受けていた時、王族としての挑戦をするも敗れ去る。
キルモンガーによって王座を奪われ、瀕死の状態だったティ・チャラを助けていた。
最後はキルモンガーに協力して暴走するボーダー族にジャバリ族の力を示して鎮めた。

ズリ(演:フォレスト・ウィテカー)
ワカンダの王位継承の儀式を取り仕切る高僧。若い頃はアメリカでスパイをしていた。
フォレスト・ウィテカーは近年の出演作に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『メッセージ』などがあります。
ティ・チャラにとって良き相談相手であり、父親を知る人物として多大な信頼を置いている。
しかし、過去に王の弟を監視していて、彼がワカンダを裏切っている事を報告した。
そのせいで命を狙われたが、王によって弟が処刑され、彼の子供を置き去りにしていた。
最後は復讐へやって来たキルモンガーに己の罪を告白し、彼の槍によって殺された。

ユリシーズ・クロウ(演:アンディ・サーキス)
武器商人。キルモンガーと結託してワカンダのヴィブラニウムの密輸をしようとする。
アンディ・サーキスは近年の出演作に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『猿の惑星:聖戦記』などがあります。
30年前に国王の弟と結託して一部のヴィブラニウムを盗み、国境を爆破して犠牲者を出す。
その後も何年にもヴィブラニウムを狙うが、ウルトロンに左腕を切り落とされてしまう。
追ってきたティ・チャラに一度捕まってしまうが、キルモンガーにより救い出される。
最後はキルモンガーに裏切られて殺され、その遺体はウカビに差し出される事になった。

エリック・キルモンガー/ウジャダカ(演:マイケル・B・ジョーダン)
元アメリカの秘密工作員。ティ・チャラの従兄弟。父を殺害した叔父一家の復讐を企む。
マイケル・B・ジョーダンは近年の出演作に『クリード/チャンプを継ぐ男』、『ファンタスティック・フォー/2015年版』などがあります。
過去に父親がワカンダを裏切った事で国王で兄に殺され、置き去りにされて恨みを持つ。
長年に渡って秘密工作員として活動していたが、それはすべて父を殺した者への復讐の為。
ティ・チャラとの王座に挑む闘いで一度勝ち、国王となって世界に武器を渡そうとする。
最後は復活したティ・チャラと対決し、国を守ろうとした彼に負けて、そのまま死を選んだ。

感想

個人的な評価

本作は『マーベル・シネマティック・ユニバース』として第18作目となっています。
更にシリーズとして展開しているフェイズ3で第6作目となり、折り返し地点の作品である。
フェイズ3の役目として、マーベル・シネマティック・ユニバースに新たな世界観を与える作品が多くなっています。
それは『ドクター・ストレンジ』や『スパイダーマン:ホームカミング』から分かるように、それまで登場しなかった新たなキャラクターが出てきています。
同時に彼らの持つ新たな世界観が加わる事によって、大きくマーベル・シネマティック・ユニバースの世界が広がりました。
そんな本作は以前から名前だけが取り上げられていた「ワカンダ王国」がようやく本格的に登場する事になります。
最先端のテクノロジーを持つアイアンマンことトニー・スターク、国家組織のS.H.I.E.L.D.も同様に優れたテクノロジーを持っています。
しかしながら、本作に登場するワカンダ王国は完全に外界から遮断した独自の発展した超文明を有しています。
それを支える鉱石であるヴィブラニウムはあらゆる可能性を秘めていて、国を統治する国王に重大な責任が与えられます。
本作は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からの影響が非常に強く、そこから本編が始まっていく感じです。
この作品ではブラックパンサーだけじゃなく、ワカンダ王国が今後どのように世界へ関わっていくのか描かれている物語でもあります。
アフリカの大自然と最新のテクノロジーが融合した不思議な光景は強烈なインパクトと同時に美しさも兼ね備えています。
次々と飛び出していくテクノロジーの凄さはもちろんですが、その根底にある昔からの掟というアフリカの部族らしい点も面白いです。
ストーリーとしては王道そのものであり、主人公は成長していく過程で挫折を味わい、立ち上がって巨悪を倒す構図が非常に分かりやすいです。
予想すれば予定調和で物語が進んでいきますが、やはり、圧倒的な映像の凄さが単純なストーリーをカバーしていると思います。
何より今まで取り上げなかったワカンダという王国の魅力が充分に伝わる作品でした。
ずっと偉大な父を見てきた息子が間違っていた気づき、国が生み出した間違えを正す主人公の正義に燃える心が伝わります。
それに対して、憎しみだけで生きてきた悪役の心も伝わっていき、両者の対極とする考えでの衝突は納得ができるラストだったと思います。