作品紹介
公開年月 | 2017/09/29 |
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ジャンル | アクション/コメディ/犯罪 |
原作 | なし |
監督 | ダグ・リーマン |
脚本 | ゲイリー・スピネッリ |
製作 | ブライアン・グレイザー、ブライアン・オリヴァー、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
天才的な操縦技術を誇り、民間航空会社のパイロットとして何不自由ない暮らしを送っていたバリー・シール。
そんな彼の元にある日、CIAのエージェントがスカウトに訪れ、極秘作戦に偵察機のパイロットとして加わる事となる。
その過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、バリー・シールは運び屋としての才能を開花するのだった。
登場人物&出演者
・バリー・シール(演:トム・クルーズ)
主人公。パイロット。大手航空会社での勤務に退屈している。裏では密輸を敢行していた。
トム・クルーズは近年の出演作に『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』、『ジャック・リーチャー/NEVER GO BACK』などがあります。
そこに注目をCIAのモンティから得ると、高速機に乗って中米の状勢をカメラで撮影する。
命懸けの仕事でもやり甲斐を感じて、単なる運び屋ながら使い切れない大金を手にする。
結局はすべてがバレると、彼を雇っていた者たちはトカゲの尻尾切りとして利用される事に。
最後はメデジン・カルテルの手先から逃亡生活を送るが、結局は居場所がバレて射殺された。
・モンティ・シェイファー(演:ドーナル・グリーソン)
CIAのエージェント。優秀なパイロットでありながら密輸するバリー・シールをスカウト。
ドーナル・グリーソンは近年の出演作に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『マザー!』などがあります。
独立航空コンサルタント社というダミー会社を作り、そこで中米の状勢を空撮させた。
バリー・シールが麻薬組織の運び屋をしていた事を知っていたが、何も言わず黙認していた。
更にニカラグアの親米反政府組織に武器の密輸など、大いにバリー・シールを利用した。
最後はバレる前にバリー・シールとの繋がりを消し去り、何事もなかったように昇格した。
・ルーシー・シール(演:サラ・ライト・オルセン)
バリーの妻。大手航空会社で安定した収入を得ていたバリーの転職について反対していた。
サラ・ライト・オルセンは代表作に『ガールズ・アタック』、『恋するブロンド・キャスター』などがあります。
安定した収入を得ていた暮らしに文句はなく、無事に出産するもバリーの転職を知らず。
しかし、バリーが麻薬組織と打ち合わせている時に捕まり、状況は大きく変わってしまう。
生活を田舎町に移して事実を知らされるが、それでも彼から離れず最後まで付き合う。
最後は麻薬組織に狙われるバリーの願いから故郷に戻り、彼が射殺された後も平和に暮らす。
・JB(演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)
ルーシーの弟でバリーにとって義理の弟。どうしようないクズでマトモに仕事ができない。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは代表作に『ノーカントリー』、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などがあります。
大儲けしているバリーの家に転がり込む形となり、格納庫での掃除をして給料をもらう。
しかし、格納庫で大金の入ったバッグを見つけると、勝手に盗んで車を購入してバレる事に。
その後も大金が入ったバッグを抱えて町中を歩き、地元の保安官に捕まって刑務所に入る。
最後は逃亡生活をさせようとバリーは考えるが、麻薬組織によって車を爆破されて死亡。
・ホルヘ・オチョア(演:アレハンドロ・エッダ)
メデジン・カルテルの幹部。コロンビアでは後の麻薬王のパブロ・エスコバルと組む。
アレハンドロ・エッダは代表作に『DJファントム・イン・ザ・ハウス』などがあります。
英語をしゃべれる人物としてバリー・シールとの通訳を担って取引を進めていた。
その為、三人いる幹部の中で一番バリー・シールと親しく、最初に彼を出迎えていた。
当初は無茶ぶりをして運び屋として重宝しており、ついに家族ぐるみの付き合いまでなる。
最後はバリー・シールの裏切りを知ると、怒り心頭となってパブロとともに殺し屋を送った。
・パブロ・エスコバル(演:マウリシオ・メヒア)
メデジン・カルテルの幹部。後に麻薬王として知られる。英語はカタゴト程度しか話せない。
マウリシオ・メヒアは代表作に『パブロ・エスコバル/悪魔に守られた男』などがあります。
当初はバリー・シールの腕前を信用しておらず、できなれば撃ち殺せと言い放つ危険な男。
バリー・シールがキッチリと仕事をこなす男だと知って、ようやく笑顔で打ち解ける。
情勢が厳しくなってくると殺気立っていたが、バリー・シールの贈り物で再び笑顔で迎える。
最後は裏切り行為をしたバリー・シールにブチ切れ、当然のように殺し屋を送り出した。
感想
個人的な評価
本作は実在したバリー・シールの半生を描いた伝記映画となります。
バリー・シールは大手航空会社に勤めていたが、あまりにも退屈な日々に悪戯を仕掛けるような男でした。
それだけに飽きたらず、今度は機長という立場を利用して密輸をしていたという。
バリーの行動に目をつけたCIAのシェイファーにより、彼の運命は大きく変わる事になる。
主人公であるバリー・シールは“運び屋”としてなんでも引き受け、キッチリと予定通りに動いていた事で評判が高かった。
それは本人が想像する以上の状況に変わっていき、CIAから麻薬取締局のDEA、最後はホワイトハウスに雇われる事になります。
とにかく、彼の半生は壮絶な運命を辿っていて、まさしく「現実は小説より奇なり」を地でいくような展開でした。
札束が家のあっちこっちに溢れるほど大金を手にして、何不自由ない日々を送っていきます。
しかし、それは大きなリスクを背負う事になり、バリー・シールがやっていた仕事は決して褒められるようなモノではないのです。
そんな彼を利用したCIAやDEA、それにホワイトハウスは無責任であり、危険が及ぶと彼をトカゲの尻尾切りされてしまう。
バリー・シール自身は単純に金儲けをしたかっただけで、他が彼の腕を買って勝手に利用していたに過ぎなかった。
なんでも「はい」と承諾するしか選択肢なかった彼にとって、それは果たして本当にやりたかった仕事なのか疑問でした。
それでもできてしまうバリー・シールの腕前は確かであり、国や麻薬組織から信頼を得ていたのは分かります。
実際はどうなのか分かりませんが、本作からは家族を大切にして、その為に危険を承知で仕事を請け負う男に見えました。
国の為に働く事は誇らしいが、法律を破るような行為には必ず訪れる悲劇的な最期を体現した人物でもありました。
追い込まれてもバリー・シールは「なんとかなる」という強い確信があったのも、彼がここまで大きな物事に巻き込んだ長所であり短所でもある。
演じたトム・クルーズはどうしてもアクションに目を持っていかれるが、本作での暴力を振るわない男の役もなかなか良かった。
その根底にあった家族の為に仕事をする男として理解できる一方、彼を使い捨てにする国のやり方には腹立たしい部分がありました。
ただ、本作は伝記映画特有の淡々としてエピソードを語っているので、結末が分かっている以上、そこに向かっていく展開に抑揚があまりない。
さすがのトム・クルーズは上手く立ち回っていたが、逆にアクションのイメージがある俳優だけに現実的な危機をあまり感じられなかった。