都市伝説:長身の怪人 RE-2687

作品紹介

公開年月  2015/04/07
ジャンル  ホラー
原作  ジョセフ・デラージ、トロイ・ワグナー 『Marble Hornets』
監督  ジェームズ・モラン
脚本  イアン・ショア
製作  ジミー・ミラー、M・ライリー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

様々な町でニュースを追っている記者のサラとマイロは、銀行に差し押さえられた家の中で一本のビデオテープを見つける。
早速と二人はビデオの中身を確認すると、そこには謎の黒いスーツの男と記号が映っていた。
やがてサラとマイロは家に住んでいた家族を見つけるが、彼らは“その男”に監視されている事に気づくのだった。

登場人物&出演者

マイロ(演:クリス・マークエット)
カメラマン。大晦日のパーティでも映像を撮るほどのカメラマニアで常に独り言を言う。
クリス・マークエットは代表作に『フレディ vs ジェイソン』、『フィアー・インク』などがあります。
無断で住人のいなくなった家を取材していると、ウィトロック家で不思議なモノを見る。
チャーリーにウィトロック家のビデオを確認するよう言われ、そのせいで人の気配を感じる。
首に印を付けられ、スーツを着た謎の男に追われ、サラに助けを求めるもチャーリーがいた。
最後は自殺で解決すると思い実行するが、スーツを着た謎の男に乗り移られて二人を殺した。

サラ(演:アレクサンドラ・ブレッケンリッジ)
新人リポーター。大晦日のパーティでトイレにて鎮痛剤を探していたところでマイロが来る。
アレクサンドラ・ブレッケンリッジは代表作に『ビッグ・ライアー』、『アメリカン・ピーチパイ』などがあります。
酔っていた勢いで初対面だったマイロと関係を持つが、現在は仕事の同僚となっている。
新しくやって来たディレクターのチャーリーとは仲良くやるが、マイロから忠告を受けた。
チャーリーとは肉体関係となって、家まで助けを求めたマイロに呆れて家を追い出した。
最後はスーツを着た謎の男に乗り移られたマイロに追いかけられ、バットで殴り殺された。

チャーリー(演:ジェイク・マクドーマン)
ボストン支局から来たディレクター。一流大学出身でマイロはあまり良く思っていない。
ジェイク・マクドーマンは代表作に『愛しのアクアマリン』、『アメリカン・スナイパー』などがあります。
ボストン支局から追われる形で赴任したせいもあって、ネタ探しに必死になっている。
スーツを着た謎の男を目撃したマイロがサラの家に来て、彼がイカれていると強く責める。
実際にカメラ越しにスーツを着た謎の男を見て、マイロがストーカーじゃないと分かる。
最後はスーツを着た謎の男に乗り移られたマイロによってバットで撲殺された。

ダン・ウィトロック(演:マイケル・ブーニン)
無断で姿を消した一家の大黒柱。スーツを着た謎の男に怯えてカメラでずっと撮影する。
マイケル・ブーニンは代表作に『タキシード』、『路上のソリスト』などがあります。
当初は一人でスーツを着た謎の男を監視していたが、次第に追いつめられてしまう。
周囲からイカれたと思われているが、本人はスーツを着た謎の男を見逃さないと主張する。
ようやく妻もカメラ越しでスーツを着た謎の男をるが、それでも解決にはならなかった。
最後は遠くに引っ越していたが、突然娘を殺して妻に襲いかかるも結局は逆に殺された。

ローズ・ウィトロック(演:アレクサンドラ・ホールデン)
ダンの妻。当初はカメラを回し続ける夫に不信感を持ち、まったく信じていなかった。
アレクサンドラ・ホールデンは代表作に『死にたいほどの夜』、『ラブリー・モリー』などがあります。
ある日、ようやくカメラ越しでスーツを着た謎の男を目撃して夫とともに怯える。
スーツを着た謎の男から逃げる為に遠くへ引っ越し、ひっそりと夫と娘とともに暮らす。
それでもスーツを着た謎の男に追われ、夫が娘を殺して反撃して家を燃やして一人助かる。
最後は顔に大火傷を負いながらも精神病院にいて、訪れたマイロたちを半狂乱で追い返した。

感想

個人的な評価

本作は『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017』にて上映された作品。
ジョセフ・デラージとトロイ・ワグナーによるはWebシリーズ『Marble Hornets』が原作で、7700万の視聴を記録しています。
その二人が強く映画化を熱望していて、それによって本作の製作に至ったという。
『ロンドンゾンビ紀行』の脚本家で知られるジェームズ・モランの長編映画監督デビュー作となっています。
本作の題材となっているスーツを着た謎の男というのは、2009年からアメリカで流行した都市伝説の一つ“スレンダーマン”が基になっています。
その特徴は外見は背が高くやせ形で異様に手足が長く、黒いスーツと白いシャツを着て、髪や顔がない怪人です。
基本的に直接的な攻撃性はないが、ターゲットをずっとストーキングして、心的外傷を与えて発狂させるという事をするらしい。
本作はそんな都市伝説を実写映画化していますが、この“スレンダーマン”を知らないとハッキリ言って意味不明な作品になってしまう。
ただ単にカメラ越しでしか映らない幽霊みたいな存在で、何もして来ないけど、なぜか当事者たちはおかしくなっていくだけ。
確かにスーツを着た謎の男は不気味に感じられるが、それは怖さに繋がっていません。
神出鬼没でありながらも、登場する時には前フリがハッキリと描かれる為、まったく怖くないという致命的なミスがある。
やはり、静かな場面でいきなり現れる方が怖さを演出できるだけに、なぜ前フリを入れたのか分かりません。
本作はPOVの手法であくまで視点はカメラのレンズだが、個人的に嫌いな手法でも今回はちゃんと意味がありました。
そのおかげでPOVが嫌いでも自然に観賞できた点は本作の設定がちゃんとリンクしていたからだと思います。
でも、前述の通り怖さがないし、面白いというワケじゃないので、スレンダーマンを紹介する作品という意味でしかありません。
もっと不気味に描ける可能性があったので、今回の実写映画化は失敗だとしか思えない作品でした。