アバウト・タイム/愛おしい時間について RE-2616

作品紹介

公開年月  2013/09/04
ジャンル  ラブロマンス/SF/コメディ
原作  なし
監督  リチャード・カーティス
脚本  リチャード・カーティス
製作  ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ほか
製作国  イギリス、アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

イギリス南西部コーンウォール、何をやっても上手くいかない冴えない青年のティム。
未だ恋人もいない21歳の誕生日、父親から一家の男たちにはタイムトラベルの能力があると衝撃の事実を告げられる。
驚くティムだったが、その能力を活用して恋人作りに奔走し、やがてロンドンで働き始めた彼はチャーミングな女性のメアリーと出会うのだった。

登場人物&出演者

ティム・レイク(演:ドーナル・グリーソン)
主人公。背が高くひょろっとしていて髪の毛はオレンジ色。彼女が欲しくてたまらない年頃。
ドーナル・グリーソンは代表作に『ジャッジ・ドレッド』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などがあります。
キットカットの彼氏のいとこ・シャーロットが滞在して、能力を駆使するも恋は実らず。
ロンドンに移り住んでから父親の友人である劇作家のハリーの家に住み、弁護士として働く。
メアリーと出会って運命を感じるが、様々な障害に遭い能力を使って彼女にアプローチする。
最後は子供が生まれる事で父親と別れを決意し、それ以降は能力を使わず一日を過ごす日々。

メアリー(演:レイチェル・マクアダムス)
ヒロイン。ジェイに誘われた真っ暗なバーで出会う。ケイト・モスの大ファンでマネをする。
レイチェル・マクアダムスは代表作に『シャーロック・ホームズ』シリーズ、『ドクター・ストレンジ』などがあります。
真っ暗なバーから出てティムと顔を合わせるが、終始にこやかで彼に対して好意を持った。
ティムがハリーの舞台を成功させようと能力を使ったせいで二人の出会いは消滅する。
新たにティムが強引な出会いをして運命を感じ、そのまま調子良く付き合って結婚をした。
最後は3人目の子供を望んだ事でティムに苦渋の決断を迫るが、より幸せになっていく。

ジェームズ・レイク(演:ビル・ナイ)
ティムの父。50歳で大学の教員を辞職。卓球では何度やってもティムには勝てない。
ビル・ナイは近年の出演作に『レッド・ノーズ・デイ・アクチュアリー』、『マリーゴールド・ホテル/幸せへの第二章』などがあります。
ティムが21歳になった時にタイムトラベル能力を教え、その正しい使い方を指導した。
人間としてまだ半人前のティムにとって良き父親で、良き能力の指導者として助言をする。
結婚式では最後にスピーチを頼まれるが、気に食わずにやり直して成功して満足する。
最後は余命数週間のガン宣告を受け、潔く決断してティムとビーチで最高の散歩をした。

メアリー・レイク(演:リンゼイ・ダンカン)
ティムの母。周りを気にせず自由で多忙。感情に流されない。昔はクイーンのファンだった。
リンゼイ・ダンカンは代表作に『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズ、『バードマン/あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡』などがあります。
メアリーに対して好意的であり、まるで娘のように扱ってなんでも話せる間柄になる。
ジェームズがガン宣告され、一番ショックを受けるが、彼の死を受け入れて新たな人生に。

キットカット/キャサリン・レイク(演:リディア・ウィルソン)
ティムの妹。常識な服装の家族と違って自然体。裸足で走り回る妖精のような存在。
リディア・ウィルソンは代表作に『スター・トレック/BEYOND』などがあります。
彼氏はチャラい男でティムも好んでいないが、テニスの引き立て役に誘うが逆効果に。
軽薄な彼氏に振る舞わされ、ケンカした際に酔ったまま車を運転して事故を起こす。
ティムは能力で彼氏と出会わないようにするが、子供の姿が変わる事で結局は止める。
最後はティムの友人であるジェイと結婚し、子供一人を授かって幸せな日々を送る。

デズモンド(演:リチャード・コーデリー)
ティムの母の兄。毎日きちんとした服装で過ごす。何を考えているのか分からない。
リチャード・コーデリーは代表作に『素敵なウソの恋まじない』、『ドラゴンハート/新章:戦士の誕生』などがあります。
夏の間滞在したシャーロットの存在を忘れて、最後のランチで初対面のような挨拶をする。
ジェームズが結婚式でのスピーチを最高の日と言い、彼の葬式が最悪の日だと語った。

ハリー(演:トム・ホランダー)
ロンドンで劇作家をしている。ジェームズとは知り合いだったが変人だと片付けられる。
トム・ホランダーは代表作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』、『ハンナ』などがあります。
ジェームズのツテでティムが泊まる場所を提供するが、彼が訪れた時にネタが吹っ飛んだ。
何事も悲観的に捉えていて、別れた妻をボロクソに言うが、最終的に捨てられたと落ち込む。
舞台が失敗して自棄を起こしていると、ティムはそれを助けようと能力で成功させた。
その後も付き合いが続き、イベントごとがある度に誘われるも相変わらず愚痴をこぼす。

ローリー(演:ジョシュア・マクガイア)
法曹会の職場で1年半も雑務をこなしているが、名前をちゃんと覚えてもらえていない。
ジョシュア・マクガイアは大豊作に『ターナー、光に愛を求めて』などがあります。
同じく負け犬であるティムとは親友同士となっていて、職場では常に一緒に行動している。
ティムの結婚式でスピーチを任されるが、あまりにもヒドイ内容でリセットされる。
最後までフリーで恋人がいない状態であるが、本人は毎日を楽しく過ごしている。

ジェイ(演:ウィル・メリック)
ティムの友人。ティムと同じく赤毛だが冴えない。キットカットに片想いをしている。
ウィル・スミスは代表作に『The Rack Pack』、『Modern Life Is Rubbish』があります。
ロンドンで真っ暗なバーにティムを誘い、それがきっかで彼がメアリーと出会う事に。
ティムがダメ男と別れたキットカットに薦められた事で付き合って結婚して子供を授かる。

シャーロット(演:マーゴット・ロビー)
キットカットの彼氏のいとこ。ティムの家に2ヶ月滞在する事。魅力的で美人な女性。
マーゴット・ロビーは代表作に『ターザン:REBORN』、『スーサイド・スクワッド』などがあります。
ロンドンでティムと再会して誘うが、それは逆にメアリーへのプロポーズをさせる事に。

感想

個人的な評価

本作は脚本家として数多くのヒット作を生み出したリチャード・カーティスの脚本兼監督作品となります。
長編映画として本作が三本目となっていますが、残念ながら本作を最後に監督業を引退すると公言しています。
脚本家として『ノッティングヒルの恋人』、『ブリジット・ジョーンズの日記』と言ったイギリス映画が中心となっています。
そんなリチャード・カーティス監督にとって初となるSFタイムトラベル物となるが、その中身はいつも通りのラブロマンスである。
やはり、本作の土台は家族や恋人に対する愛情が中心となっていて、タイムトラベルはあくまで付加価値となっている。
タイムトラベルの作品は基本的にアクションが多いけど、本作はしっかりと愛情を中心に据えた構成でした。
そこはさすにリチャード・カーティス監督の作品だけあって最後までブレなかったです。
ただ、パッケージやあらすじから本作は純粋なるラブロマンスだと思っていたが、クライマックスでのシーンで少し違ったイメージを持ちました。
本作は主人公がヒロインに出会う映画ではなく、人生の先輩で誰よりも尊敬している父親との愛情の物語だと感じました。
あまりにも主人公とヒロインの歩む人生が上手くいっているので、二人の間にある愛情がなんだか薄っぺらだと思った。
他人同士が一緒になるならば、どんなに愛し合っても不具合が起きるモノだが、本作では二人の間に危機感はまったくありません。
そのせいで二人の関係性はファンタジーにしか見えず、現実的な印象を持てなかったせいで感動はあまりなかったです。
当初のラブロマンスじゃないと分かったのは、主人公と父親が最後の別れをするシーン。
そう、本作は男女の恋愛ではなく、核の部分にあったのは主人公と父親の愛情だったのです。
最後の別れをする時、父親は察して主人公がまだ子供だった頃に戻ってビーチで散歩するのだが、そのシーンは二人が築いたドラマが詰まっていました。
何よりカメラのアングルが素晴らしく、遠くから父と息子が楽しく海辺で遊んでいる構図は感動を呼ぶだけの素晴らしさがあった。
確かにリチャード・カーティス監督は恋愛映画の名手ですが、本作で描いた父と息子の愛情は最高の演出だったと思います。
なので、恋愛映画として全面的にみせている本作の宣伝の仕方にはちょっと不満を感じた。
それにもっと父親とのエピソードが欲しかったし、別れる際でのシーンももう少し欲しいと思うほど良いシーンでした。
不満点として主人公の生き方で、能力を使う必要がないと宣言するが、家族の誰かが失敗やケガをしたら絶対に使うだろうと思います。
結局、便利な能力はそう簡単に捨てる事はできず、もっと最悪の事をする可能性がある。
そう考えると今の幸せが続けばいいけど、これが崩壊した時に主人公は何をするのか分からない危険性を持っていて、ちょっとばかり危ない人間だと感じてしまいました。