作品紹介
公開年月 | 2005/09/02 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | レイ・ブラッドベリ 『いかずちの音』 |
監督 | ピーター・ハイアムズ |
脚本 | トーマス・ディーン・ドネリー、ジョシュア・オッペンハイマー、ほか |
製作 | ハワード・ボールドウィン、カレン・ボールドウィン、ほか |
製作国 | アメリカ、ドイツ |
鑑賞方法 | 購入DVD |
あらすじ
タイムトラベルを可能にした西暦2055年、シカゴの大手旅行代理店「タイム・サファリ社」では6500万年前に戻って恐竜狩りを楽しむツアーが人気を博していた。
地球の歴史が変わらないようにツアーは厳格に管理されていたが、一人のツアー客が過去の生物を殺したせいで進化が大きく狂ってしまう。
それは“タイム・ウェイブ”として押し寄せ、次々と異変が起きる中、トラヴィス博士たちは元に戻そうと奮闘するのだった。
登場人物&出演者
・トラヴィス・ライヤー博士(演:エドワード・バーンズ)
主人公。生物学と遺伝子工学の専門家で有名人。「タイム・サファリ社」のツアーの添乗員。
エドワード・バーンズは代表作に『プライベート・ライアン』、『ワン・ミス・コール』などがあります。
ビジネスを最優先にするハットンのやり方を好まないが、貴重な研究として仕方なく従う。
外の様子がおかしく何かを持ち帰ったと分かると、修復しようとランド博士に協力を求める。
原因がミドルトンの踏んだ蝶々と分かり、スリングショットするべく大学までたどり着く。
最後は過去に戻ってジェニーに事実を話し、世界が元に戻ってランド博士に証拠を手渡した。
・ソニア・ランド博士(演:キャサリン・マコーマック)
タイムマシン「TAMI」の開発者。ハットンにすべてを奪われて開発者の名前が消されている。
キャサリン・マコーマックは代表作に『ブレイブハート』、『28週後…』などがあります。
タイム・サファリ社で行われるパーティに乗り込み、文句を放ち存在をトラヴィスに見せる。
何かを持ち帰ったせいでタイム・ウェイブが発生して、その原因を突き止めて修復に協力。
トラヴィスを過去にタイムトラベルさせる為に大学へ向かい、彼に賭けて送り出した。
最後はタイム・ウェイブで魚人の姿になるが、世界が元に戻ってタイムトラベルを訴える。
・ジェニー(演:ジェミマ・ルーパー)
「タイム・サファリ社」の社員でツアー添乗員。最年少でツアーでは撮影を担当している。
ジェミマ・ルーパーは代表作に『キンキーブーツ』、『ブラック・ダリア』などがあります。
父親が亡くなって天涯孤独になるが、その友人だったトラヴィスが引き取って育てられる。
トラヴィスの自由奔放な下半身に飽きられていたが、ボーイフレンドがバレて怒られた。
タイム・ウェイブを修復するべく行動し、水没した地下鉄のウツボ型生物に襲われ死亡した。
最後は過去で修復するトラヴィスと出会い、彼から譲り受けたデータで事実を知った。
・ペイン(演:デヴィッド・オイェロウォ)
「タイム・サファリ社」の社員でツアー添乗員。技術を担当し、あらゆる装備を点検する。
デヴィッド・オイェロウォは代表作に『すべてはその朝始まった』、『ラストキング・オブ・スコットランド』などがあります。
ツアーに慣れすぎているせいで危険な事をしている自覚がなく、職務怠慢が悲劇を招いた。
何を持ち帰ったのか探していると、出発前に1.3グラム増えている事を突き止めて挽回した。
タイム・ウェイブの修復に向かうが、途中で食人シダの毒を食らって動けなくなった。
最後はヒヒ型生物を引きつけて食われてしまうが、世界が元に戻って生き返った。
・ルーカス医師(演:ヴィルフリート・ホーホルディンガー)
「タイム・サファリ社」の社員でツアー添乗員。お客たちの健康状態を管理している。
ヴィルフリート・ホーホルディンガーは代表作に『ファイター』、『イングロリアス・バスターズ』などがあります。
ツアーではお客たちの状態をデリスに報告し、問題がないとしてしっかりと管理していた。
タイム・ウェイブで世界が変化していき、元に戻すべくトラヴィスたちに同行していく。
何かを持ち帰ったミドルトンの会社まで車を調達し、配線を直結させて発進させた。
最後は進化したコウモリ型生物に襲われて連れ去られるが、世界が元に戻って生き返った。
・デリス(演:アウグスト・ツィルナー)
新設されたタイムトラベル監視局の役人。厳しく装置をチェックして、誰とも仲良くしない。
アウグスト・ツィルナーは代表作に『マーサの幸せレシピ』、『ヒトラーの贋札』がある。
役人らしく儲ける事を考えておらず、あくまで与えられた仕事をしっかりとやるだけ。
実際はハットンから賄賂を受け取っており、バイオフィルターを切っている事を見逃した。
世界を元に戻そうとするトラヴィスたちについて行かず、タイム・サファリ社に残った。
最後はヒヒ型生物に襲われてしまうが、トラヴィスたちが世界を元に戻して生き返る。
・ミドルトン(演:コーリー・ジョンソン)
ツアーの参加者。会社の経営者で独身。エックルズを誘ってタイム・サファリ社へ行く。
コーリー・ジョンソンは代表作に『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』、『ヘルボーイ』などがあります。
終始に渡って何も怖くないという態度を出して、ビビるエックルズを小バカにしていた。
実際に白亜紀までタイムトラベルすると、圧倒的な光景に驚き、トラブルですぐ逃げ出した。
実はタイム・ウェイブの原因を作った張本人で、変化した世界で植物の毒で凶暴化する。
最後はトラヴィスたちを攻撃するが、
・エックルズ(演:ウィリアム・アームストロング)
ツアーの参加者。会社の経営者でお金持ち。友人のミドルトンとタイム・サファリに来る。
ウィリアム・アームストロングは代表作に『エイリアン2』、『ダークナイト』があります。
人生に満足していると口にするが、ミドルトンに張り合いがないと言われて納得していた。
タイム・サファリに参加する前後からビビっていて、その度にミドルトンにからかわれる。
銃の故障で慌てて逃げ出し、その際に何かを持ち帰ったとしてトラヴィスたちに疑われる。
最後は持ち帰っったのは自分じゃないと話し、世界を元に戻そうようトラヴィスに頼んだ。
・チャールズ・ハットン(演:ベン・キングズレー)
「タイム・サファリ社」の社長。タイムトラベルを使ってビジネスを展開して金儲けをする。
ベン・キングズレーは近年の出演作に『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』、『シャッターアイランド』などがあります。
口から先に生まれたかのような弁舌を使い、不平不満を言う顧客を説得して賛同させている。
監視局との付き合いを上手くかわし、派遣されたデリスに多額の賄賂を渡して黙らせていた。
バイオフィルターを消していたせいで何かを持ち帰り、そのせいで世界がメチャクチャに。
最後はヒヒ型生物がタイム・サファリ社を襲い殺されるが、世界が元に戻って生き返った。
感想
個人的な評価
本作はレイ・ブラッドベリの短編小説集『太陽の黄金の林檎』に収録される「いかずちの音」が原作となります。
この作品は監督の降板、セットが風雨で破壊され、制作会社が倒産という憂き目に遭ってもピーター・ハイアムズはなんとか完成させました。
そもそも、ピーター・ハイアムズは監督だけに限らず、様々な分野で才能を発揮して、似たような事も実現しています。
ただ、本作はかなり厳しい状況にあって、完成してもCGの出来が酷くて公開されてからも酷評が飛び交っていました。
特にメインとなる恐竜のCGはドキュメンタリー番組よりも低クォリティで迫力がなく、そのシーンだけを切り取ると酷評されてもおかしくないだろう。
あとは未来の街並みのCGも粗くて、走っている車の造形はアニメーションと思うほど擁護できない出来だと言えます。
ですが、何をやりたかったのかしっかりと伝わっていて「タイム・ウェイブ」で起きる進化の表現はかなり面白いと思います。
これだけハンデを背負った状況であっても、進化する度に変化する動物たちの造形が素晴らしく、なかなか興味深いです。
タイムトラベル系の映画は数多くあるが、本作はパラレルワールド、マルチバースという概念はなく、あくまで時間軸は一本となっています。
過去に何かを変えてしまうと、未来に大きな影響を与える「バタフライ効果」を取り上げており、それが物語の核にもなっています。
登場人物については魅力的なキャラクターはいなかったが、やはり、この中ではベン・キングズレーの存在感が別格な印象でした。
詐欺師のような語り口調でお客たちを説き伏せる迫真の演技は、こんな作品の中でも相当のインパクトを与えていると思います。
やはり、本作はタイム・ウェイブで起きる進化が一番面白く、最初は植物、次は虫、その次は脊椎動物、最後は人間が異形な進化する姿は興味深かったです。
確かに本作はCGが低クォリティで残念ですが、ちゃんと資金と環境さえ与えれば、もっと派手で面白い作品になるだけにリメイクはずっと待っています。