カンフー・パンダ3 RE-2710

作品紹介

公開年月  2016/01/29
ジャンル  カンフー/コメディ
原作  なし
監督  ジェニファー・ユー
脚本  ジョナサン・エイベル、グレン・バーガー
製作  メリッサ・コブ
製作国  アメリカ、中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

平和の谷を守っていたマスター・ファイブと、龍の戦士のポーはある日、彼の父親であるリーが現れ、パンダは全滅しておらず、秘密のパンダ村に避難して暮らしていると告げる。
その頃、「魂の王国」でウーグウェイ導師の気を吸い取り「肉体の王国」に蘇ったカイは、中国のマスターたちの気を次々と吸い取っていた。
シーフー老師が調べると、それに勝てるには気功を習得するしかない判明し、ポーはパンダ村で気功を習得する為に向かうのであった。

登場人物&出演者

ポー・ピン/シャオレン(声:ジャック・ブラック/吹替:佐藤せつじ)
主人公。龍の戦士となった現在、マスターファイブに教える立場になるも困惑してしまう。
ジャック・ブラックは近年の出演作に『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』、『ポルカ・キング』などがあります。
佐藤せつじは吹替の担当にT・J・ミラーを専門的に務めています。
そんな時に生き別れたはずの父親であるリー・シェンと再会して、教える事を忘れる。
かつてウーグウェイ導師の友人ですべてを奪おうとするカイを倒すべく、故郷へと帰る事に。
そこでパンダらしさを身につけるも気の修行ができず、困っていたが自分なりに対抗する。
最後は魂の王国でカイを倒すと、ウーグウェイ導師から認められ、真の龍の戦士となる。

リー・シェン(声:ブライアン・クランストン/吹替:浦山迅)
ポーと生き別れた本当の父親。ポーが持っていた肉まんの大食いの記録を余裕で塗り替える。
ブライアン・クランストンは代表作に『ドライヴ』、『アルゴ』などがあります。
浦山迅は吹替の担当にアンソニー・ホプキンス、ケン・ストットなどを務めています。
ポーを故郷に連れて帰ろうとして、襲って来るカイに対抗する“気”を教えると口にする。
故郷へ帰る道中に育ての親であるピンも同行し、そこでポーにパンダらしさを教えた。
実は“気”について何も知らず、子供を思う親としてポーにウソをついていた事が発覚する。
最後はみんな力を合わせてポーに“気”を送り、カイに逆転させて見事に勝利を掴んだ。

ピン(声:ジェームズ・ホン/吹替:龍田直樹)
ポーの育ての親。ガチョウ。ラーメン店を営んでいる。いつもポーの事を心配している。
ジェームズ・ホンは代表作に『ゴーストハンターズ』、『SAFE/セイフ』などがあります。
龍田直樹は吹替の代表作に『スター・ウォーズ』新三部作、『007/慰めの報酬』があります。
本当の父親であるリー・シェンが現れると、彼にポーを奪われるのではないと心配する。
その為、故郷へ帰っていくポーの荷物に紛れて同行し、結果的に一緒に帰る事となる。
当初はリー・シェンを快く思っていなかったが、ポーが立ち上がるべく協力して和解する。
最後はパンダたちとともに力を合わせると、魂の王国にいたポーを覚醒させて勝利した。

・シーフー老師(声:ダスティン・ホフマン/吹替:樋浦勉)
ポーやマスターファイブを育て上げた師匠。ポーの実力についてずっと疑問に思っている。
ダスティン・ホフマンは近年の出演作に『疑惑のチャンピオン』、『ボーイ・ソプラノ/ただひとつの歌声』などがあります。
樋浦勉は吹替の担当にアル・パチーノ、ゲイリー・ビジーなどを務めています。
「龍の戦士」となったポーに師匠として跡を継がせ、マスターファイブに教えるよう促す。
襲って来るカイについて調べると、気でしか対抗できないとしてポーに故郷で修行を勧めた。
最後は襲撃してきたカイを迎え撃つも敵わず翡翠にされるが、ポーの活躍に元に戻った。

タイガー(声:アンジェリーナ・ジョリー/吹替:本田貴子)
マスターファイブの一人。メスの虎。ポーの良きライバルで実力も伯仲するほど強い。
アンジェリーナ・ジョリーは近年の出演作に『マレフィセント』、『ツーリスト』がある。
本田貴子は吹替の担当にエリザベス・バンクス、クリスタナ・ローケンなどを務めています。
だらしないポーに厳しい一面があるけど、それでも彼を「龍の戦士」として認めている。
カイが村を襲撃すると、他のマスターファイブと迎え撃つも歯が立たず一人だけ逃げ延びる。
なんとかパンダの里にたどり着くと、カイがやって来る事を報告して対策をポーに委ねる。
最後は魂の王国に行ったポーに力を与えると、覚醒した彼が勝利して、みんなと喜んだ。

・モンキー(声:ジャッキー・チェン/吹替:石丸博也)
マスターファイブの一人。身軽さと敏捷性を持ち、陽気でムードメーカー的な存在。
ジャッキー・チェンは近年の出演作に『カンフー・ヨガ』、『レイルロード・タイガー』などがあります。
石丸博也は吹替の担当にジャッキー・チェンを専門的に務めています。
カイがマスターたちの気を奪っていた状況に危機感を持たず、シーフー老師に注意される。
最後はカイの襲撃でなんとか善戦するも結局は翡翠にされ、ポーにより元に戻された。

ヘビ(声:ルーシー・リュー/吹替:朴璐美)
マスターファイブの一人。メスのヘビ。変幻自在に攻撃を避けて、ムチのような打撃をする。
ルーシー・リューは近年の出演作に『ティンカー・ベルと流れ星の伝説』、『かぐや姫の物語』などがあります。
朴璐美は吹替の担当にエヴァ・グリーン、ヒラリー・スワンクなどを務めています。
カイを倒すには気の習得が必要だとして故郷に帰るポーだが、師匠に習得ができるか尋ねた。
最後はカイの襲撃でなんとか善戦するも、やはり翡翠にされてポーの活躍で元に戻る。

カマキリ(声:セス・ローゲン/吹替:桐本拓哉)
マスターファイブの一人。一番体が小さいが鋭い鎌による一撃を持つ。ツルと行動する。
セス・ローゲンは近年の出演作に『40歳の童貞男』、『グリーン・ホーネット』がある。
桐本拓哉は吹替の担当にアンディ・ラウ、ソ・ジソブなどを務めています。
カイの様子を探る為にシーフー老師からツルとともに偵察へ向かっていった。
最後は他のマスターたちが戦いを挑み、その流れに乗るも翡翠にされ、ポーが戻した。

ツル(声:デヴィッド・クロス/吹替:真殿光昭)
マスターファイブの一人。唯一空が飛べる。主に敵の攻撃を優雅に受け流す戦い方をする。
デヴィッド・クロスは代表作に『ゴーストワールド』、『メン・イン・ブラック』シリーズなどがあります。
真殿光昭は吹替の担当にクォン・サンウを専門的に務めています。
カイの様子を探るべく唯一飛べるマスターとして、シーフー老師から指示を受ける。
最後はカマキリが翡翠にされて助けようとするも自身に翡翠となり、ポーに助け出された。

メイメイ(声:ケイト・ハドソン/吹替:佐古真弓)
パンダの里に暮らすメスのパンダ。故郷へ戻ってきたポーの為にリボンを使った舞いをする。
ケイト・ハドソンは代表作に『あの頃ペニー・レインと』、『バーニング・オーシャン』などがあります。
佐古真弓は担当の吹替にアンバー・ハード、ジェシカ・アルバなどを務めています。
ポーに対して色目を使っていたが、本人には伝わっていなかったがまったく気にしていない。
カイが里を襲撃する際には、ポーからリボンの技を見込まれてヌンチャクを使う事になる。
最後はカイの寄越した翡翠のマスターたちを迎撃し、気を送り込んでポーを覚醒させた。

ウーグウェイ導師(声:ランダル・ダク・キム/吹替:富田耕生)
カンフーの始祖でシーフー老師の師匠。現在は魂の王国で静かに瞑想しながら過ごす。
ランダル・ダク・キムは代表作に『マトリックス』シリーズ、『エアベンダー』があります。
富田耕生は吹替の担当にアーネスト・ボーグナイン、ウォルター・マッソーなどを務める。
500年越しにたどり着いたカイと対決するが、マスターたちの気を奪った彼に敗れ去る。
最後は魂の王国に来たポーに助言を与え、見事に勝利すると彼に跡を継ぐように言い渡した。

カイ(声:J・K・シモンズ/吹替:石井康嗣)
悪役。元は名だたる戦国武将。ウーグウェイ導師とは親友にして戦友という間柄だった。
J・K・シモンズは近年の出演作に『ラ・ラ・ランド』、『セッション』などがあります。
石井康嗣は吹替の代表作に『クリムゾン・タイド』、『ザ・ロック』などがあります。
ウーグウェイ導師が大ケガをした時、パンダの里を訪れて、そこで“気”を奪おうとする。
結果的にウーグウェイ導師によって魂の王国へ追放されるが、今度は気を奪って現世へ。
マスターたちの気を奪って翡翠にしていくと、最後にポーの里を襲撃しようとする。
最後はパンダたちが力を合わせてポーを覚醒させると、力の差によって倒される事になる。

感想

個人的な評価

本作はシリーズの三作目となるが、劇場公開が見送られてしまい、動画配信サービスで独占配信されました。
前作までは山口達也らのタレントを起用していた吹替も予算の都合で変更になっています。
残念ながら本作についてはシリーズの三作目でありながら、扱いがかなり小さくなっている。
それでもシリーズとして集大成を迎え、主人公であるパンダのポーは更なる成長を遂げる内容となっています。
再会した父親とともに故郷へ帰ると、本来のパンダである生き方を知り、自分が何者か分かって失っていた人生の一部を取り戻す。
しかし、同時に襲って来る巨大な敵に立ち向かうべき覚悟を持ち、本物の「龍の戦士」としても大きく成長していきます。
シリーズ最強の敵であるカイが悪役となるが、どうにもインパクトが今一つと言えます。
最強とも言われたウーグウェイ導師に近い実力を持っているが、劇中でもネタにされたようにポッと出の感じが否めません。
そもそもポーとは因縁がまったくないので、単なる悪役で中身がないのが痛いところです。
やはり、悪役にもそれなりの美学というのが必要だが、本作のカイは単純に裏切った親友の世界をぶっ壊すという頭の悪いモノでした。
本シリーズはそもそもシリアスな面が少なく、主人公がパンダという時点で緊張感よりもコミカルな部分が強調されていました。
なので、唯一のパンダだというアイデンティティが本作で簡単に失われ、急に「龍の戦士」としての成長を強引に推し進めるような印象を受けた。
元々実力を備えていて、あとは気持ちの問題だったという結果論になるけど、これはシリーズを追わないと説得力がない。
つまり、本作から鑑賞した人には物語が進むにつれて納得しなければ、そのまま置いて行かれる状況になっている。
これでは主人公が逆転するラストでの説得力に欠き、全体的に緊張感が少ないのに、更なる超展開で呆れてしまう可能性がある。
ここら辺は同じく長編アニメーション映画を製作しているピクサーと大きく違い、脚本の甘さがあるのは否めないと感じます。
それでも、本作は軽い気持ちで鑑賞するならば悪くないし、物語を深く理解しなくても映像だけでも楽しめると思える作品でした。