クリッシュ VD-179

作品紹介

公開年月  2013/11/01
ジャンル  アクション/SF
原作  なし
監督  ラーケーシュ・ローシャン
脚本  ラーケーシュ・ローシャン、ロビン・バット
製作  ラーケーシュ・ローシャン
製作国  インド
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

謎のスーパーヒーロー、クリッシュはインド中から尊敬を集める人物だが、その素顔であるクリシュナは無職のニートである。
そんなある日、妻プリヤーが妊娠して父で天才科学者のローヒトも大喜びし、クリシュナが就職しなければならない状況になる。
一方でマッド・サイエンティストで超能力者のカールは、ムンバイに致死性のウイルスをバラ撒き、クリッシュは世界を救うべく立ち上がった。

登場人物&出演者

クリシュナ/クリッシュ(演:リティック・ローシャン)
主人公。無職のニート。割れた仮面をつけ、助けを求める人々の為に日々活動している。
リティック・ローシャンは代表作に『家族の四季/愛すれど遠く離れて』、『闇の帝王DON/ベルリン奪還作戦』などがあります。
実生活では仕事が上手くいかず、スーパーヒーロー活動の為に職場を離れてクビにされる。
クリッシュとして充実した日々を送る一方、クリシュナとして定職に就けず頭を抱える。
カールの撒き散らした致死性ウイルスを自身の遺伝子で作ったワクチンで見事に撃退する。
最後はカールに一度倒されるもローヒトにより復活し、太陽の力を使って倒す事に成功した。

プリヤー(演:プリヤンカー・チョープラ)
ヒロイン。クリシュナの妻でキャスター。超人的な能力を持つクリシュナを理解する。
プリヤンカー・チョープラは代表作に『ラ・ワン』、『ベイウィッチ』などがあります。
義理の父であるローヒトを本当の父親として接し、クリシュナと毎日楽しく暮らしている。
定職に就けないクリシュナを理解していて、クリッシュとして活躍する彼を応援する。
致死性ウイルスを撃退したローヒトの娘としてカールに誘拐され、胎児に目をつけられる。
最後はカールと戦うクリッシュの傍にいて、愛の力で応援して見事に勝利を呼び起こす。

ローヒト(演:リティック・ローシャン)
クリシュナの父親。小さい頃は知能が未発達だったが、宇宙人のパワーで天才的な頭脳に。
過去に科学者のアーリヤに捕まっていたが、クリシュナによって助け出されている。
現在はインド総合研究所で働き、太陽光を使って枯れてしまった植物の再生を研究する。
シェティ博士から致死性ウイルスのワクチン開発の協力を依頼され、快く引き受けていた。
クリシュナの遺伝子を使って致死性ウイルスを撃退するが、カールに誘拐されてしまう。
最後はカールに倒されたクリッシュの為に自らフィルターになって太陽の力で復活させた。

シェティ博士(演:アリフ・ザカリア)
WHOの理事。ナミビアで起きた致死性ウイルスの被害対策に追われている。
アリフ・ザカリアは代表作に『マイネーム・イズ・ハーン』、『奪略者』などがあります。
世界各国の免疫組織化学の権威に協力を依頼し、ローヒトにも直接連絡をしていた。
カールの研究所で働くセン博士から連絡を受けて、ウイルスに関する情報を聞こうとする。
最後はセン博士からワクチンを受け取ろうとするが、忍び込んだカーヤにより殺された。

アリーヤ博士(演:ナセールディン・シャー)
マッド・サイエンティスト。天才的な頭脳を持つローヒトを誘拐して人体実験を繰り返した。
ナセールディン・シャーは代表作に『モンスーン・ウェディング』、『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』などがあります。
その結果、ローヒトと同じ頭脳を持つ人間を誕生させるが、先天的な障害で殺処分を命じた。

カーヤ(演:カンガナー・ラーナーウト)
カールにより造り出されたカメレオンの人獣。誰にでも化けられ、物体をすり抜けられる。
カンガナー・ラーナーウトは代表作に『カイト』、『クイーン/旅立つわたしのハネムーン』などがあります。
冷酷なカールに造り出されたせいで「愛」を知らず、人間に対する慈悲の感情は一切ない。
カールにとって右腕とも言える存在であり、マンワルの中でも特別な扱いを受けている。
プリヤーと入れ替わって情報を手に入れようとするが、クリシュナの愛を受けて感情を持つ。
最後はクリッシュと協力するが、予想していたカールによって呆気なく殺されてしまう。

カール(演:ヴィヴェック・オベロイ)
マッド・サイエンティストで超能力者。先天的な障害で首から下は不随。2本の指は動く。
ヴィヴェック・オベロイは代表作に『ミッション・イスタンブール』、『プリンス』がある。
遺伝子操作で自身の障害を治そうとして、動物実験を経て人獣であるマンワルを造り出す。
長年に渡る出生の秘密をローヒトから知ると、父親である彼の骨髄から障害を治療した。
完成された絶対的な力を使いクリッシュを一度倒し、街へ繰り出して自分の時代を口にした。
最後はローヒトにより生き返ったクリッシュと激闘を繰り広げ、太陽の力で爆発四散した。

感想

個人的な評価

本作は全米初登場で14位を記録し、インドで大ヒットしたスーパーヒーロー映画となります。
近年はインド映画、別名を「ボリウッド」は盛り上がりを見せていて、インド国内に限らず海外でも高い評価を受けています。
本作は全世界の映画賞を席巻し、9部門で受賞し、22部門でノミネートされています。
ボリウッドと言えば、インド映画特有の急に踊って歌う事が最大の特徴だが、ハリウッドと違ったアプローチもあります。
何よりボリウッドは多民族国家であるインドでも楽しめるような工夫を施しています。
本作はまさしく「インド発のスーパーヒーロー」であり、世界的な有名なマーベルやDCにも引けを取らない超大作となっています。
主人公のクリッシュはスーパーヒーローとして活躍するが、クリシュナの時はうだつの上がらない感じはスパイダーマンを彷彿とさせる。
しかし、そんなクリシュナには頼りになる父親がいて、何より愛する妻がいる幸せな家庭環境なのである。
一方で悪役のカールは冷たい雰囲気が終始に渡って流れていて、これもクリシュナとは正反対の存在として描かれています。
本作はかなり真面目なストーリーなので、宣伝文句となる「ニート」という言葉はあまりにも価値を下げています。
クリシュナ自体は「ニート」ではなく、スーパーヒーローの活動を優先してしまい、仕事を抜け出してクビになっているだけ。
それを「ニート」という言葉で表現するのは間違っているし、勘違いされるので、この宣伝文句については異論があります。
本作では主人公のクリシュナを演じたリティック・ローシャンは、父親であるローヒトも演じているが、まったくの別人と言えます。
この二役は大抵の場合だと見た目がちょっと違うだけになりがちだが、リティック・ローシャンはきちんと演じ分けています。
それとクリシュナの妻であるプリヤーを演じたプリヤンカー・チョープラは、元SPEEDの上原多香子にみえて仕方なかった。
インド映画らしく本作は140分を超える長尺の作品となるが、それを感じさせない工夫された演出や歌と踊りはボリウッドらしい感じでした。
ただ、本作で大きな問題と言ったら、カールが完成された力を手に入れた時の衣装があまりにもダサさかったです。
そのせいでラストバトルは滑稽に見えてしまい、せっかくの悪役も台無しになってしまった。
カールの衣装さえクリッシュ並みにスタイリッシュになれば、ラストバトルはもっと格好良く決まっただけに残念でならなかったです。