作品紹介
公開年月 | 2015/04/03 |
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ジャンル | パニック/アクション |
原作 | なし |
監督 | 高山創一 |
脚本 | 高山創一、山田優樹、ほか |
製作 | 高山創一 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
沖縄のサム・ライミを目指すインディペンデント映画製作グループが、ゾンビ映画を撮影中に本物のゾンビと遭遇する。
迫り来る死の危険を前にしても、傑作の予感の間で打ち震える監督たちは決死の撮影が開始されるのだった。
登場人物&出演者
・ドン(演:ベンビー)
監督。アルバイトをして、ようやく自主製作映画の資金が貯まってゾンビ映画を撮っている。
ベンビーは代表作に『ハルサーエイカー/THE MOVIEエイカーズ』、『沖縄を変えた男』などがあります。
“沖縄のサム・ライミ”となるべく、今回のゾンビ映画に多大な期待を持っている。
本物のゾンビが出て、もう引き返せないとして撮影を続行する強い決意を見せる。
トミーが倒れてしまい、ヤケクソとなって手斧を使ってゾンビを次々と一撃で倒していく。
・トミー(演:比嘉恭平)
助監督。ドンとともに映画を撮ってきたが、両親の圧力で今回を最後の映画製作にする。
比嘉恭平は代表作に『琉球バトルロワイアル』、『ハルサーエイカー/THE MOVIEエイカーズ』などあります。
実はあらゆる格闘技に精通し、本物のゾンビを映画に登場させるべく対決する。
思っていたよりもゾンビが強く、右腕を引きちぎられ、油断して後ろから噛まれて死ぬ。
・サラ(演:川満彩香)
自主製作映画のヒロイン。ゾンビ映画でのキャラクターに多少の不満を持つ。
川満彩香は本作が映画デビュー作となっています。
本物のゾンビが出てドンが撮影を続行させるが、それに呆れて一人だけ抜ける。
逃げた先にゾンビと鉢合わせし、挟み撃ちにされて晩餐会にされてしまう。
・コジャー(演:山城智二)
スーツとメガネをしたゾンビ映画の中のゾンビ。映画の知識はゲンさんと同等レベル。
山城智二は代表作に『ペンギン夫婦の作りかた』、『人魚に会える日。』などがあります。
ゾンビ役としての役目がなくなり、途中からカメラマンとして大活躍します。
・ショーン(演:知念だしんいちろう)
ドンの撮っている自主製作映画の主人公。映画の中ではエイサーの舞でゾンビを倒す。
知念だしんいとろうは代表作に『ハルサーエイカー/THE MOVIEエイカーズ』があります。
とある場所を見つけて、そこで映画の死に様を撮ろうとするが本当に最期となる。
・ゲン(演:アカバナー青年会)
レフ板を持つ年長者の技術屋。映画の知識が豊富で、インディーズとして誇りを持つ。
アカバナー青年会は代表作に『天の茶助』、『NOTHING PARTS 71』などがあります。
右腕をしっかりと噛まれ、ゾンビフラグを立たせるが、意外にも粘っていました。
感想
個人的な評価
沖縄からやって来たゾンビ映画です。
40分弱というショートムービーであるが、中身はしっかりとゾンビ映画です。
沖縄市観光協会の地域PR映画として製作され、同市から惜しみない協力が展開される。
本作の監督は沖縄発の特撮番組を手がける高山創一、特殊メイクには『進撃の巨人』に参加した西村喜廣が務めています。
沖縄の地域PR映画と言ったら、観光名所を思うかもしれないが、あくまで地域密着型。
舞台となるのは商店街や住宅地であり、本来ある沖縄市の日常を描いているのです。
だから沖縄らしい風景が一切なく、どこにでもある商店街や住宅街が広がっているだけ。
この狙いはなかなか良かったと思うし、何よりコメディタッチというのも良い。
ゾンビはクラシック型でノロノロと歩いているが、それを逆手にとった演出が面白い。
相手はゾンビであっても、目の前の人をすぐに襲わず、その様子を見てマネをする。
そこでまさかゾンビが格闘技を繰り出すとは誰も予想できない展開をみせている。
しかも、ゾンビが意外にも強くて、格闘技を精通している程度では敵わないというオチ。
何より本作で一番面白いシーンは酔っぱらいとゾンビがすれ違うところでしょう。
千鳥足の男が沖縄の方言を発しながら、ゾンビとすれ違う場面が非常に面白いです。
ゾンビのコメディ映画と言えば、『ショーン・オブ・ザ・デッド』があるけど、5倍ほど薄めた感じで意外と楽しめる。
40分弱だからこそ、テンポが良くムダな描写がないというショートムービーを利点がある。
もちろん、ゾンビ映画としてのグロテスクさ、サム・ライミの『死霊のはらわた』を意識したスプラッター描写もなかなか良かった。
楽しいゾンビ映画というのもたまにはいいと感じさせる作品でした。