作品紹介
公開年月 | 2016/10/27 |
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ジャンル | アドベンチャー/コメディ/ファンタジー |
原作 | なし |
監督 | マイク・ミッチェル |
脚本 | ジョナサン・エイベル、グレン・バーガー |
製作 | ジーナ・シェイ |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
歌と踊りとバグが大好きな小さな生き物トロールたちは天敵のベルゲンから隠れて森で平和に暮らしていた。
トロールの王の娘であるポピーは、かつてベルゲンから仲間を守った父親に感謝を捧げようと大規模なパーティを行う。
しかし、ベルゲンに見つかってしまい、仲間のトロールがさらわれると、ポピーは単身で仲間たちの救出に向かうのだった。
登場人物&出演者
・ポピー(声:アナ・ケンドリック/吹替:清水理沙)
主人公。ベルゲンタウンから逃げ出して20年後、頭の中がお花畑になっているバカ王女。
アナ・ケンドリックは近年の出演作に『ザ・コンサルタント』、『ウェディング・フィーバー/ゲスな男女のハワイ旅行』などがあります。
清水理沙は吹替の担当に『スパイキッズ』シリーズのカルメン・コステスを務めている。
トロールは歌って踊ってこそ意味があると信じて、現実的な問題を一切無視するというバカ。
大々的にパーティをやったおかげで、ベルゲンタウンから追放されたシェフに場所がバレる。
ブランチを巻き込んで友達を助け出す主人公補正を発揮し、クライマックスに活躍し出す。
最後は出しゃばって、まるですべて自分がやったようなハッピーエンドを実現させた。
・ブランチ(声:ジャスティン・ティンバーレイク/吹替:KENN)
他のカラフルなトロールと違って地味な見た目。心配性でベルゲンがやって来る事を恐れる。
ジャスティン・ティンバーレイクは近年の出演作に『俺たちポップスター』、『ショートゲーム』などがあります。
KENNは代表作に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』、『将国のアルタイル』がある。
頭がお花畑の王女ポピーに再三警告するが、すべて無視されて辟易して隠れ家に戻る。
常にベルゲンへの警戒を持ち、地下にシェルターを作り、一人で10年過ごせる準備をする。
実際は歌や踊りをやりたい気持ちがあるけど、過去にそのせいでおばあちゃんを亡くした。
最後は落ち込む仲間の為に天使の歌声を披露し、自らも心の傷を克服して役割を果たす。
・ブリジット(声:ズーイー・デシャネル/吹替:まつだ志緒理)
ベルゲン王子の雑用係。特に王子が幸せになれない事を気にかける。雑用しながら見守った。
ズーイー・デシャネルは近年の出演作に『ロスト・エリア/真実と幻の出逢う森』、『ロック・ザ・カスバ!』などがあります。
まつだ志緒理は代表作に『スターホースポケット』、『ララループシー』などがあります。
20年後、トロールを捕まえたシェフが戻ると、更に雑用としてこき使われる事になる。
実はずっとグリスル王子に片想いしていたが、身分の違いから声すらかけられない。
そこに出しゃばるポピーによって、シンデレラに仕立てられ、勝手に舞い上がってしまう。
最後は主人公補正によるポピーのおかげで見事にグリスル王子と心を通わせる事になる。
・グリスル王子(声:クリストファー・ミンツ=プラッセ/吹替:西谷修一)
ベルゲン・タウンの王子。20年前にトロールフェスを楽しみにしたが叶わずにガッカリ。
クリストファー・ミンツ=プラッセは代表作に『ヒックとドラゴン』、『キック・アス』などがあります。
西谷修一は代表作に『心が叫びたがっているんだ。』、『チャギントン』などがあります。
ずっと幸せになれない事を悔やみ、毎日のように呟いてため息を繰り返していた。
そこにトロールを捕まえたシェフに言いくるめられ、難なく玉座を彼女に明け渡してしまう。
ポピーの主人公補正でブリジットと引き合わされ、強引すぎる幸せを感じるようになる。
最後はトロールを食べなくても幸せを感じられる事を知って、シェフを再び追放した。
・クリーク(声:ラッセル・ブランド/古川慎)
インド風のトロール。ヨガのようなポーズを取って、どこか人を食ったような性格。
ラッセル・ブランドは代表作に『ペネロピ』、『テンペスト』などがあります。
古川慎は代表作に『ガイストクラッシャー』、『orange/未来』などがあります。
ベルゲンに捕まってもマイペースな感じでみんなを落ち着かせようとする。
しかし、それが仇となってシェフによってグリスル王子にムリヤリ食わされてしまう。
実際は食われず、命乞いとして仲間を売る代わりに助かるという最大のクズとなる。
最後はみんな踊っているところでシェフとともに国外へ追放されてしまう。
・シェフ(声:クリスティーン・バランスキー/吹替:小宮和枝)
ベルゲン・タウンの年増シェフ。年に一度のトロールフェスで腕を振る舞おうとした。
クリスティーン・バランスキーは代表作に『アダムス・ファミリー2』、『マンマ・ミーア!』などがあります。
小宮和枝は吹替の担当にイメルダ・スタウトン、ウーピー・ゴールドバーグを務めています。
結局、トロールフェスの直前に王によってトロールたちを逃したせいで国外追放される。
20年間に渡って一人でトロールたちの居場所を探し、ポピーのおかげで見つける事ができた。
それによってベルゲン・タウンに舞い戻り、地位を取り戻し、挙げ句は王の座を狙う。
最後はポピーの主人公補正による効果で存在感が消え、気づいたら国外へ追放されていた。
感想
個人的な評価
本作はトロール人形と呼ばれる持つ事で幸運を手に入れるモノをテーマにしています。
トロールというのは北欧の国、ノルウェーの伝承に登場する妖精の一種となります。
子供向けのファンタジー映画『ハリー・ポッター』、名作ファンタジー映画『ロード・オブ・ザ・リング』にも登場しています。
日本人ならば、ゲーム『ドラゴンクエスト』などに登場するキャラクターとしても有名です。
そんな本作のトロールは非常に小さくカラフルで、彼らは歌い踊り、そしてハグをするという頭がお花畑という種族なのです。
もちろん、そんなトロールと正反対の生物であるベルゲンがいて、体は大きく見た目は醜い上に幸せを見出せない可哀想な存在がいます。
頭がお花畑なトロールと、悲観的なベルゲンが繰り広げる子供騙しな作品でした。
まず、主人公であるポピー王女ですが、すぐ近くに危険があるのに盛大なパーティをして自分たちの居場所を知らせる見事なお花畑な考えの持ち主。
頭がお花畑な彼らの中にいて、唯一、現実的な問題に目を向けて対策を立てるブランチが存在感を魅せています。
ハッキリ言って、本作の主人公であるポピーは最初から最後まで気に食わず、ブランチの計画をぶち壊す最悪のバカ王女に見えてしまった。
一応、ブランチの持っていた心の傷から立ち直らせるきっかけを与えたが、明らかに彼の正しい言い分を無視して台無しにする行動は個人的に許せなかった。
その後も、ポピーは計画もなく仲間を助けようとする頭がお花畑の行動にイラッとして、救世主ブランチの正論を否定するなど、こういうタイプのキャラクターはダメでした。
当然ながら主人公は主人公なので、最大の特権である主人公補正をクライマックスで発揮してハッピーエンドというファンタジックなオチもダメでした。
しかも、最大の功労者であるはずのブランチはクライマックスで意図的に存在を消された構成にも腹立たしい思いもありました。
所詮は権力のあるヤツ、声が大きいヤツが正義で、万全の準備をしてきた孤独なヤツはその為に踏みつぶされるという構図を本作から見て取れました。
ブランチの行動には説得力があるけど、ポピーの行動には頭がお花畑だけで納得ができない。
それと忌み嫌われるベルゲンだが、その中でトロールたちに協力したブリジットは本作のヒロインと言ってもいいだろう。
主人公はブランチ、ヒロインはブリジット、ポピーは単なる頭がお花畑という役割でした。
本作に関してはポピーの考え方が受け入れて、楽しめるならばいいが、自分のように受け付けないなら最後までダメだと思います。
あとはドリームワークスらしく、キャラクターのデザインに愛らしさがないせいで、日本では鮮やかにビデオスルーされている。
こんなキャラクターに愛着が持てる日本人は少数だと思った配給会社の判断だったでしょう。
本作は字幕と吹き替えで鑑賞したが、双方ともに上手く、珍しくタレント起用していない点では高く評価できます。