作品紹介
公開年月 | 2014/06/07 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | 平山夢明 『東京伝説』 |
監督 | 千葉誠治 |
脚本 | 千葉誠治 |
製作 | 百武弘二、池崎嘉康 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
【立ち読み】深夜1時を過ぎたマンガ喫茶にて、個室でマンガを読みふける結璃の携帯に番号非通知の文字が浮かび上がる。
【エンスト】携帯も繋がらない田舎の古びたガソリンスタンドで、気づくと汚れたつなぎを着た男が壁際にスパナを握りしめ立っている。
【ネックレス】就職活動に疲れて公演のベンチに座っていた奈美は、突如、見知らぬ男にネックレスをかけられると予想もしない行動に出る。
【夜道】帰宅途中、いつもの狭い路地を入るとそこには直立不動で道を塞ぐ男が横たわる。
【食べてはいけない】地方の地味なラブホテル、サラリーマンの富田に呼ばれた香世に「君の爪を食べてもいいかな」という不気味な言葉。
登場人物&出演者
【立ち読み】
・結璃(演:足立梨花)
主人公。以前から読みたかったマンガを店員で知り合いの田辺に確保してもらっていた。
足立梨花は代表作に『愛流通センター』、『アヤメくんののんびり肉食日誌』があります。
田辺が仮眠を取る代わりに客が来たら教えるという名目で個室にマンガを持ち込む。
そこで突然携帯が非通知で鳴り出すも無視して、トイレから帰ると個室のドアが開いていた。
更に何度も非通知で携帯が鳴ると、周囲を探していると自分の声が響いて個室に戻る。
最後は壁を叩く音で驚いて帰ろうとすると、携帯から不気味な声と覗いている男を目撃する。
・田辺(演:平埜生成)
マンガ喫茶の店員。結璃とは知り合いで彼女が読みたかったマンガをこっそり確保していた。
平埜生成は代表作に『東京タワー/オカンとボク、時々、オトン』、『斉木楠雄のΨ難』などがあります。
仕事が立て込んでいて寝る時間がなく、店番的な役目を結璃に任せて事務所で仮眠を取る。
何者かの電話で怯えていた結璃が帰ろうとした時、個室の前に倒れ込んでしまう。
【エンスト】
・美里(演:藤澤志帆)
主人公。友人が結婚して田舎に引っ越し、久々に会って話す為に車で遠出してきた。
藤澤志帆は代表作に『49日の幸せな時間』、『女忍/KUNOICHI』などがあります。
人気のないガソリンスタンドでトイレを借りると、外にスパナを片手に持つつなぎ姿の男。
無言のまま事務所に案内されるが、その中には手錠をした女性が壁を無言で叩いていた。
恐くなって車で逃げるが、角砂糖をガソリンタンクに入れられてエンジンがストップする。
最後は走って逃げるも車に轢かれると、つなぎ男と運転手が事務所に運び出されていく。
【ネックレス】
・奈美(演:真凛)
主人公。リクルートスーツを着て公園で面接を受けられないと愚痴をこぼしていた。
真凛は代表作に『アバター』、『イン・ザ・ヒーロー』などがあります。
けん玉を持つ女の子を見かけ、次にベンチに置いてあった手紙を見つけると中身を確かめる。
誘導されるようにブランコ、登り棒、ジャングルジムで手紙を見つけ、またもベンチに戻る。
すると、ベンチの下から男がチェーンを首にかけ、車を発進する直前で外すも指を切断。
最後は再びけん玉を持った女の子が現れ、それを見ながら意識を失ってしまう。
【夜道】
・景衣(演:林裕子)
主人公。雪が積もっている夜道を帰る途中、進行方向を遮るように男が横たわり足側を通る。
林裕子は代表作に『黄昏流星群/同窓会星団』などがあります。
すると、男は懐中電灯で照らしていて影を踏んだ瞬間、不気味に踏まれた事を言われ逃走。
追ってこない男が見えなくなると、今度はまたも同じように別の男が進行方向に横たわる。
不気味な男たちに挟まれる形で動けず、彼らが繰り返す言葉を聞いてパニックとなる。
最後は立ち止まった状態になってしまい、そこに次々と横たわりながら転がってくる男たち。
【食べてはいけない】
・香世(演:鵜飼真帆)
主人公。年増のデリバリーヘルス嬢。スーツを着込んだ富田に呼び出されてホテルに来る。
鵜飼真帆は代表作に『いちばん美しい夏』、『呪戒』などがあります。
正座して待っていた富田に早速と仕事を始めるが、性行為ではなく別の頼みをされる。
最初は爪を切って食べて、次は耳クソを取って食べて、その次はカカトを削って食べていた。
その都度、その為の道具を取り出し、願い事を聞く度に二万円と追加料金で支払っていた。
最後は富田が自分のすべてを知っていると分かると、急に怖ろしくなって部屋を飛び出した。
・富田(演:中川智明)
デリバリーヘルス嬢の香世をホテルに呼び出した男。自称サラリーマン。
中川智明は代表作に『真夏の方程式』、『トリハダ/劇場版2』などがあります。
香世がやって来るとドアに背を向けて静かに正座をしていて、不自然な感じで出迎える。
シャワーを拒否して香世を座らせると、カバンから爪切りを出して爪を食べたいと言い出す。
その次に耳クソ、カカトの皮膚、最後はお腹にあるホクロをカンナで削って食べたいと言う。
実は香世の事を調べ尽くし、金が欲しい彼女に支払う代わりにその一部を食べようとした。
感想
個人的な評価
本作は平山夢明の人気小説『東京伝説』シリーズの実写映画化したオムニバス作品です。
これまでオムニバス作品と言えば、個人的には『ABC・オブ・デス』シリーズが強く印象に残っています。
とは言っても、個々の作品はほとんど覚えていないが、それぞれが決められた時間内に恐怖を演出していくのは面白い。
同じような条件下で違う監督が作品を手がけていくのは非常に興味深いと感じられた。
そんな本作はオムニバス形式であるけど、監督と脚本は千葉誠治が務めています。
全部で5話が収録されているが、個々の時間は15分となっていて、場所も限定されている。
基本的に本作は低予算映画となっていて、その話しでの主演ともう一人という感じで物語を展開させています。
とにかく、構図が非常に分かりやすい感じになっているが、肝心の「怖さ」というのはまったく感じられませんでした。
超常現象ではなく、変わった人間が登場して変な行動をするか、危害を加えるかのパターン。
恐怖を与えるだけなら怖いかもしれないが、基本的に驚くような演出はなかったです。
オムニバスなのでストーリー性は皆無で、安上がりなのでコストパフォーマンスはいい。
しかし、怖くない上に面白くもないし、笑える箇所もなく、スタートはリアルだが最後はファンタジーになってしまう。
一つ一つの作品が短いので、飽きる前に終わるというオムニバスの利点は活かしているが。
ただ、最後に登場したサラリーマンの富田は、ファンタジーではなく、実際にそんな人はいるかもしれないという恐怖は伝わりました。