作品紹介
公開年月 | 2019/06/28 |
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ジャンル | アクション/SF |
原作 | スタン・リー(原作)、スティーヴ・ディッコ(作画) 『スパイダーマン』 |
監督 | ジョン・ワッツ |
脚本 | クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ |
製作 | ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 購入ブルーレイ |
あらすじ
アベンジャーズとサノスの壮絶な戦いが過ぎ去り、スパイダーマンとしてニューヨーク市民を守るピーター・パーカー。
心身ともに疲れ果てたピーターは、ネッドやMJらはヨーロッパ旅行へ出かけるが、その矢先に元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーに遭遇する。
ヨーロッパ各地で“エレメンタルズ”の脅威が迫る中、ピーターたちは異次元から来たというミステリオと出会い共闘するのだった。
登場人物&出演者
・ピーター・パーカー/スパイダーマン/ナイト・モンキー(演:トム・ホランド)
主人公。高校生。サノスの「指パッチン」によって5年の間存在が消えていた一人。
トム・ホランドは近年の出演作に『アベンジャーズ』シリーズ、『レジェンダリー』がある。
復活して以前のスーパーヒーローに憧れる性格が変化し、普通の人になりたいと寝言を言う。
フューリーからの招集をずっと無視して、直接連れて来られるとやる気なく任務をやる。
トニー・スタークの尻ぬぐいに飽きて、正体不明のミステリオに危険な武器を手渡す始末。
最後はトニー・スタークばりのワガママで状況を悪化させるが、主人公パワーで片付けた。
・MJ/ミシェル・ジョーンズ(演:ゼンデイヤ)
ヒロイン。ピーターのクラスメイト。サノスの「指パッチン」で5年の間存在が消えていた。
ゼンデイヤは代表作に『グレイテスト・ショーマン』、『スモールフット』などがあります。
人が苦手でオタクな知識を持っているが、なぜかモテるという矛盾した立ち位置にある。
以前からピーターを観察していて、彼がスパイダーマンだと67%の確率で聞いて正解する。
積極的にアプローチするブラッドと談笑する自称・人が苦手で捻くれて人間とは思えず。
最後はピーターと相思相愛というロマンスの駆け引きもクソもない結末に唖然としました。
・ネッド・リーズ(演:ジェイコブ・バタロン)
ピーターのクラスメイトで親友。サノスの「指パッチン」により5年の間存在が消えていた。
ジェイコブ・バタロンは代表作に『モンスター・フェスティバル』、『クリスマスに降る雪は』などがあります。
ヨーロッパ旅行でMJに告白しようとするピーターを応援するが、女を引っかけようとする。
飛行機でピーターの為に行動するも外れてしまい、ベティの隣に座って意気投合して恋人に。
ピーターよりも自分の恋愛に夢中となるが、敵の危険性を理解するもベティに振り回される。
最後はアメリカに戻ると、ベティとの短い恋愛を解消して、お互い納得した上で友人になる。
・ベティ・ブラント(演:アンガーリー・ライス)
ピーターのクラスメイト。サノスの「指パッチン」により5年の間存在が消えていた。
アンガーリー・ライスは代表作に『ナイスガイズ!』、『ビガイルド/欲望のめざめ』がある。
高校でニュースチャンネルのパーソナリティを担当し、戻った人たちについて語っていた。
ヨーロッパ旅行の飛行機でネッドが隣に座り、なぜか意気投合して恋人の関係に発展する。
敵が襲ってくる事を知るネッドを振り回してしまい、そのせいで危険な目に遭ってしまう。
最後はアメリカに戻ると、ネッドとの短い恋人期間を解消し、同意して友人となった。
・ブラッド・デイヴィス(演:レミー・ハイ)
ピーターのクラスメイト。みんながサノスの「指パッチン」を食らう中で消えなかった。
レミー・ハイは代表作に『2:22』、『クレイジー・リッチ!』などがあります。
実際はピーターたちよりも5歳年下だったが、彼らが消えている間に成長してイケメンに。
なぜか人間が苦手で魅力のないMJに惚れていて、ピーターよりも積極的に行動していた。
なんとかピーターを出し抜こうとするが、危うく防衛システムに殺されるも本人は気付かず。
最後はピーターの怪しい行動を訴えていたが、MJのヒロイン補正発言で撤回されてしまう。
・ユージーン・“フラッシュ”・トンプソン(演:トニー・レヴォロリ)
ピーターのクラスメイト。サノスの「指パッチン」により5年の間存在が消えていた。
トニー・レヴォロリは代表作に『グランド・ブダペスト・ホテル』、『フィフス・ウェイブ』などがあります。
以前スパイダーマンに助けてもらった事により、誰よりも彼を最高のヒーローと訴える。
それでもピーターに対する罵倒は変わらず、隙があったら何かと彼を小バカにする。
ヨーロッパ旅行ではスマホで自分を映しながらライブ中継して、全世界に配信をしている。
最後はライブ中継で居場所がピーターに分かり助け出され、特に何も疑問に思わず帰国した。
・メイ・パーカー(演:マリサ・トメイ)
ピーターのおば。ピーターとともにサノスの「指パッチン」で5年間存在が消えていた。
マリサ・トメイは近年の出演作に『パージ:エクスペリメント』、『エイミー、エイミー、エイミー!こじらせシングルライフの抜け出し方』などがあります。
復活して家が他の人に渡っていてホームレスとなった人々を支援する団体に勤めている。
ピーターがスパイダーマンだと知っていて、活動の際には彼を使って資金集めなどをする。
ヨーロッパ旅行でMJと仲良くなろうとするピーターに助言し、ハッピーと親密な関係へ。
最後はニューヨークに帰ったピーターからハッピーとの関係を聞かれ、親しい友人と答えた。
・ハロルド・“ハッピー”・ホーガン(演:ジョン・ファヴロー)
元トニー・スタークの運転手兼ボディガード。現在はピーターのサポート役に徹している。
ジョン・ファヴローは代表作に『アベンジャーズ』シリーズ、『ジャングル・ブック』などがあります。
スーパーヒーローとしての自覚が足りないピーターを助けるが、それ以上にメイが気になる。
ピーターがヨーロッパ旅行に行っている間、メイの仕事場まで来て何かと存在を主張する。
ミステリオに騙されて劣勢に立たされたピーターの為に駆けつけ、彼の友人たちを助け出す。
最後はすべてが終わってニューヨークに帰り、ピーターからメイとの関係性を聞き出された。
・マリア・ヒル(演:コビー・スマルダーズ)
元S.H.I.E.L.D.の副長官。S.H.I.E.L.D.が解体されてからはフューリーと行動を共にする。
コビー・スマルダーズは近年の出演作に『アベンジャーズ』シリーズ、『キリング・ガンサー』などがあります。
連絡がつかないピーターを捕まえて本部に連れて来たところで初顔合わせして挨拶を交わす。
作戦に対してやる気のないピーターを見て少し呆れていて、去っていく彼を冷たくあしらう。
ミステリオの悪事をまったく見抜けず、ピーターのおかげで分かってドローンを破壊した。
最後は正体がスクラル人のソレンで、夫のタロスとともにフューリーの命令で動いていた。
・ニック・フューリー(演:サミュエル・L・ジャクソン)
元S.H.I.E.L.D.の長官。サノスによる「指パッチン」で5年間消えていたが復活している。
サミュエル・L・ジャクソンは近年の出演作に『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『キャプテン・マーベル』などがあります。
忙しい他の「アベンジャーズ」のメンバーに代わり、ピーターを戦力として連絡を取った。
エレメンタルズが出現するヨーロッパに来たピーターを直接招き、強引に任務を与えていた。
ミステリオの悪事を見抜く事ができず、ピーターの活躍で判明してなんとか反撃をする。
最後は正体がスクラル人のタロスで、本物は宇宙のどこかで別の任務に当たっていた。
・クエンティン・ベック/ミステリオ(演:ジェイク・ギレンホール)
マルチバース「アース833」の出身。エレメンタルズ対策の専門家。地球を助ける為に来た。
ジェイク・ギレンホールは近年の出演作に『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』、『ゴールデン・リバー』などがあります。
ヨーロッパの各地に出現する敵を相手に戦い、フューリーたちと手を組んで協力していた。
その正体はトニー・スタークにすべてを奪われ、同じ境遇の仲間と世界を騙していた。
ピーターを騙して「イーディス」を手に入れると、殺戮を計画してヒーローになろうとした。
最後はピーターに計画を潰され倒れるが、犯罪の首謀者をスパイダーマンにして正体を暴く。
感想
個人的な評価
本作は「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第23作目となります。
更に「フェイズ3」と第1作目の『アイアンマン』から始まった「インフィニティ・サーガ」の最終作となります。
サム・ライミ版やマーク・ウェブ版と大きく違うのは、本シリーズは「アベンジャーズ」と深い繋がりがあるという点です。
それを踏まえた上で物語が構築されているので、どうしても主人公であるスパイダーマン独自のストーリーが薄まっています。
前作もそうだが、この『スパイダーマン』シリーズはトニー・スタークが残した負の遺産の尻ぬぐいにしか感じられない。
1作目ではトニー・スタークに仕事を奪われたエイドリアン・トゥームスが恨みを持ち、本作ではアイデアと仕事を奪われたクエンティン・ベックが敵として登場している。
つまり、ピーター・パーカーは純粋にニューヨークを守る「親愛なる隣人」ではなく、トニー・スタークの弟子で師匠の尻ぬぐいをさせられている。
サム・ライミ版やマーク・ウェブ版ではスパイダーマンが単体で戦い、自分だけの力でなんとか敵を倒してきました。
しかし、本シリーズはトニー・スタークのテクノロジーに依存していて、本来あるべきスパイダーマンの力はほとんど発揮されていせん。
16歳の高校生にスーパーヒーローは早いと劇中で何度も言われているけど、これはトニー・スタークやアベンジャーズに依存する言い訳にしか聞こえない。
サム・ライミ版やマーク・ウェブ版は同じ高校生だったが、その二人の方がちゃんと自立してスーパーヒーローである事を自覚していました。
ですが、本シリーズのスパイダーマンは甘ちゃんで、ピンチになると誰かが助けてくれる坊ちゃんのような感じで、本作は更に強く感じさせられました。
ただ、そんな主人公に不満が募る中で悪役をジェイク・ギレンホールが演じてくれたのは非常に大きいフォローになりました。
前作でもマイケル・キートンが大人の怖さを体現するエイドリアン・トゥームスを魅力的なキャラクターにしたのも同じだと言える。
そして、前回から最大の不満であった「ポリコレ」だが、本作で顕著になっていて終始に渡って違和感しかなかった。
ヒロインであるMJを演じるゼンデイヤに魅力は感じないし、親友のデブのロマンスなんてどうでも良かった。
サム・ライミ版のロマンスは非常にバランスが良かったし、マーク・ウェブ版はストレートだったのも納得できました。
本作のロマンスがなんだか強引な印象しかなく、ゼンデイヤに魅力がない分、ピーターとの関係はどうでも良かったです。
別に「ポリコレ」に文句を言っているつもりはないが、その使い方があまりにも不自然すぎてリアルさよりも忖度を感じてしまいました。
クライマックスの迫力はさすがにマーベル映画だと思うが、下手に「ポリコレ」への配慮を意識しすぎたせいで日常に違和感しかなかったです。
本当なら評価を「2」にしたいが、ド派手なアクションとジェイク・ギレンホールの頑張りと、マリサ・トメイの魅力に免じて「3」にしました。