センソリア/死霊の館 RE-2535

作品紹介

公開年月  2016/01/26
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  クリスチャン・ホールマン
脚本  クリスチャン・ホールマン
製作  ウェリン・フランス
製作国  スウェーデン
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

30代後半ですべてを失った美しい女性キャロライン。
彼女は新しい人生のスタートを切る為、古びたアパートに引っ越すが、そこでは怪現象が起こり始める。
隣人に助けを求めるキャロラインだが、誰も耳を貸さず、事態はどんどん悪化していく。
ついにキャロラインはそのアパートに取り憑いている何者かが彼女を捕まえようとしている事に気づくのだった。

登場人物&出演者

キャロライン・メナード(演:ラナ・オルソン)
主人公。恋人や仕事を失って疲れ切っている。一人暮らしのワリに家がもの凄く広い。
ラナ・オルソンは4作に出演し、代表作に『青空の背後』があります。
新しい生活を始めるも、感傷的になって過去の思い出に涙をする場面がある。
強くてタフ、友達を大勢持っているが、彼女の失ったモノはそれほど大きいと分かる。
引っ越した亜ポートでは住民たちがクセの強い人ばかりで幸先が思いやれる感じを漂わせる。
だが、本当の問題は彼女が住んでいた部屋で、ここには少女の幽霊が棲み着いていた。
そして、同じ境遇となった少女の幽霊によって彼女の世界に引っ張られる。

ミー(演:ノラ・アンドルソン)
アパートの住人の少女。キャロラインの家に押しかけ、過去を詮索する厚かましいガキ。
ノラ・アンドルソンは本作が映画デビュー作となっています。
アパートの住人には見えないが、なぜかキャロラインだけには見える幽霊でした。
しかも、彼女の祖母が何か魔術的なモノをやったおかげで強力な幽霊になっていた。
死んでから誰も彼女が見えず苦悩しているところにキャロラインがやって来た。
ついに見える人と会って、本領を発揮してキャロラインを自分のモノにする。

ヨハン・シュタイナー(演:ラファエル・ペーターソン)
キャロラインが引っ越した日から不気味に見つける。ドアに差しっぱなしのカギを渡す。
ラファエル・ペーターソンは20作に出演し、テレビドラマ『Bron/Broen』が有名です。
真上の部屋に住んでいるが、とにかく気持ち悪さがにじみ出ているキャラクター。
女を連れ込んで階段でディープキスをエマに見せつけるという気持ち悪さを全開にする。

フランク・マンデル(演:ハラルド・リアンダー)
盲目で盲導犬のウードを連れている。キャロラインが会った隣人の中で比較的優しい人物。
ハラルド・リアンダーは俳優の他にミュージシャンや脚本としても活躍しています。
目が見えないけどニオイや足音でキャロラインをすぐに判別ができる。

エルザ・ウルマン(演:ボエル・ラーション)
越してきたキャロラインに挨拶した品のある老女。ワケありすぎる挨拶をした。
ボエル・ラーションは12作に出演し、テレビドラマや映画で活躍している。
何かとキャロラインを驚かせる登場をして、意味深な言葉を残していく。

エマ(演:アリダ・モアベア)
キャロラインの友人。誰よりも彼女のみを心配してくれて、ピザも買ってくれる親友。
アリダ・モアベアは代表作に『インセイン』、『ストックホルム・ストーリー』があります。
落ち込むキャロラインを励ますも、何も考えたくない彼女に酒を飲む事で気を紛らせる。

感想

個人的な評価

久しぶりとなるスウェーデン製の映画で、幽霊モノのホラーは初めてだと思います。
どうやら数々の映画祭に出品されているようで、世界的にも認められている。
尺が90分未満と最近では珍しい短い作品だが、予告編の出来が良くて気になっていました。
スウェーデンの作品だけど、全体的な雰囲気はアメリカでもおかしくない感じでした。
アパートとは言っても、かなり広々とした部屋で建物内に階段があるタイプ。
主人公は30代後半で恋人らしき人物と別れ、何もかもを失ってしまった独身女です。
演じているラナ・オルソンはもう疲れ切った感じが完璧に出ています。
これが役作りなら非常に素晴らしいと思いますし、まさに疲れ切った30代後半の独身女。
普段は気丈に振る舞っているが、思い出のモノを見てしまうと感情が漏れる。
ラナ・オルソン自身がすべてを失っているのではないかと思うほどに入れ込んでいます。
そこに登場するアパートの住人たちはみんなして怪しさ満点の雰囲気を持っている。
しかし、彼らは単なる思わせぶりなキャラクターで、物語の本題ではないのです。
真打ちとなる少女ミーを演じるノラ・アンドルソンこそがラストボスである。
一見して可愛らしい少女だが、実は主人公の部屋に取り憑いた幽霊というオチです。
しかも、他の人には見えないらしく、主人公が見えると知って一気に暴走する。
それが始まるのが終盤になるので、本当に短い作品になっています。
なんだかオチが突然すぎて、そこからの展開もカウントダウンがかかっているかのように駆け足となっています。
ラストでは主人公が少女と同じ世界に引きずり込まれるが、今一つ区別が付かないのでインパクトは薄い。
そもそも何もかも失った独身女の悲惨さがあまり伝わってこないので、どうしてもラストでのオチが弱くなっている。
スウェーデン製のホラー映画という物珍しさがあるけど、期待していたよりは微妙だった。