作品紹介
公開年月 | 2017/09/23 |
---|---|
ジャンル | ヒューマンドラマ/ファンタジー |
原作 | 東野圭吾 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 |
監督 | 廣木隆一 |
脚本 | 齋藤ひろし |
製作 | 堀内大示、高橋敏弘、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2012年のある夜、悪事を働き一軒の廃屋に逃げ込んだ幼馴染みの三人、敦也、翔太、幸平は、突然、シャッターの郵便口から一通の手紙が落ちると、その日付は1980年と記されていた。
彼らが逃げ込んだ廃屋はかつて、店主が客の悩み相談に親身に応じて手紙を書いていた“ナミヤ雑貨店”だと落ちていた雑誌から判明する。
三人は戸惑いながらも返事を書くが、過去からの手紙と自分たちの間に不思議な繋がりがあると気付き始めるのだった。
登場人物&出演者
・敦也(演:山田涼介)
三人組の一人でリーダー格。児童養護施設「丸光園」で幼少期を過ごす。常に冷めた態度。
山田涼介は代表作は『暗殺教室』シリーズ、『鋼の錬金術師』などがあります。
両親のいない幼少期を過ごした事もあって、将来に希望を持たず人を信用していない。
最初は手紙に興味を持たなかったが、田村晴美の人生を変えた事を知って驚愕する。
自分たちが泥棒を働いたのは「丸光園」を立て直した人物だと分かって後悔を募らせていく。
最後は浪矢雄治の返事を見て、正直になって将来の夢だった医者への道を進む事になる。
・翔太(演:村上虹郎)
三人組の一人。敦也たちと同じく「丸光園」で幼少期を過ごす。常に冷静な判断を下す。
村上虹郎は代表作に『2つ目の窓』、『武曲/MUKOKU』などがあります。
逃げる際に車が動かず、近くの廃墟となったナミヤ雑貨店を見つけていて隠れる事を提案。
田村晴美からの手紙で自虐的な言葉を並べた敦也に反対し、取っ組み合いのケンカをする。
手紙から自分たちが泥棒したのが晴美だと知り、正直に名乗り出るべきだと幸平に賛同した。
最後は昔からの夢だったエンジニアになるべく飛行士の整備士として働く事になる。
・幸平(演:寛一郎)
三人組の一人。敦也や翔太と同じく「丸光園」で幼少期を過ごす。何事も素直に受け止める。
寛一郎は代表作に『心が叫びたがってるんだ。』、『雪子さんの足音』などがあります。
克郎が真剣な悩みの手紙を出すと、返事するべきだとして書くも敦也にダメ出しされていた。
投函される手紙に返事を書くべきだとずっと主張し、田村晴美にも考えなし書こうとした。
自分たちが泥棒に入ったのが田村晴美の家だと判明し、すぐに名乗り出ようと提案した。
最後は敦也や翔太と同じように昔からの夢である料理人になるべく店で修行の日々を送る。
・浪矢雄治(演:西田敏行)
ナミヤ雑貨店の店主。小さな雑貨店ながら自慢の城として一人でずっと経営を続けていた。
西田敏行は近年の出演作に『アウトレイジ/最終章』、『人生の約束』などがあります。
悩み相談の手紙を受け取ると、自分なりの答えを導いて相談者に返事を欠かさず書いていた。
膵臓ガンの末期症状となってしまい、残された時間が少ないとして店へ戻る決意をした。
かつての恋人だった暁子の幻影と話しながら、32年後に投函される手紙の返事を読んでいた。
最後は白紙の手紙を出した敦也に返事を書いて、彼らの人生を明るい方へ導く事になる。
・浪矢貴之(演:萩原聖人)
雄治の息子。一人で雑貨店を営んでいる父親を心配している。時々雄治の様子を見に来る。
萩原聖人は代表作に『マークスの山』、『CURE』などがあります。
雄治が末期ガンに冒されていると知ると、病気について話さずにずっと看病していた。
残された時間が少ないと悟った雄治からの願いを聞いて、ナミヤ雑貨店へ連れて行った。
最後は昔の恋人の幻影と話していた雄治を見て、大事な時間だと悟って店を後にした。
・皆月暁子(演:成海璃子)
浪矢雄治のかつての恋人。なぜか浪矢雄治にしか姿が見えない。雄治とは親しく話す。
成海璃子は代表作に『神童』、『イキガミ』などがあります。
早くに亡くなってしまうが、実は「丸光園」を作った人物で空の上から見守っていた。
最後は残り少ない時間をナミヤ雑貨店で過ごす雄治の前に現れ、彼と手紙の返事を読んだ。
・皆月良和(演:PANTA)
皆月暁子の弟。「丸光園」の園長。姉の遺志を引き継いで身寄りのない子供たちを育てる。
PANTAはロックバンド「頭脳警察」のボーカルで、映画の代表作に『稲村ジェーン』、『食べる女』などがあります。
「丸光園」が火事で焼けてしまい、命を張ってセリの弟を助けた克郎に申し訳なく思う。
最後は「丸光園」を立て直している途中で晴美がやって来て、姉について話していた。
・松岡克郎(演:林遣都)
「魚松」の長男。ミュージシャンを夢見て東京に上京するも芽が出ない状態が続いている。
林遣都は代表作に『バッテリー』、『悪の教典』などがあります。
祖父が亡くなって実家に帰るが、大学を辞めた事に叔父は動揺して店を継ぐよう言われる。
そのせいで自分の将来について悩んでしまい、ナミヤ雑貨店に相談を持ちかけていく。
夢を諦めようとしたが、父親の強い言葉や敦也たちの手紙の返事から諦めずに続けると宣言。
最後は「丸光園」が火事になり、取り残されたセリの弟を助けるも一酸化炭素中毒で死亡。
・セリ(演:門脇麦)
幼少時に両親から虐待され、弟とともに「丸光園」に来た。弟は他の人と話せない。
門脇麦は代表作に『愛の渦』、『闇金ウシジマくんPart2』などがあります。
小さい頃に松岡克郎が演奏した「REBORN」と一回聴いただけで覚える才能を発揮する。
「丸光園」が火事になってしまい、取り残された弟を助けて犠牲となった克郎に感謝する。
最後は大人になると国民的な歌手として成功し、克郎の残した「REBORN」が代表曲となる。
・田村晴美(演:尾野真千子)
ペンネーム“迷える子犬”で悩みの手紙を投函した。昼は事務員、夜は水商売をする。
尾野真千子は近年の出演作に『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『いつまた、君と/何日君再来』などがあります。
幼い頃に両親を亡くし「丸光園」に入り、小学校高学年の頃に大叔母夫婦に引き取られた。
大叔母夫婦には多大な感謝の念を持ち、抵当に入った家をなんとか救おうと相談する。
未来を知る敦也たちの手紙に従い、地道に事務員をしながら企業家として成功を収める。
最後は敦也たちが泥棒に入った張本人だが、正直になった彼らに盗まれたモノを返された。
感想
個人的な評価
本作は『釜山国際映画祭』にて「アジア映画の窓」部門へ正式出品しています。
同年には中国版としても製作され、日本で公開されたのは翌年の2018年となります。
本作は多くの作品がベストセラーとなっている人気作家の東野圭吾の小説が原作となります。
東野圭吾はこれまでに多くの小説が実写映画化され、それなりの評価を受けています。
残念ながら東野圭吾は名前だけしか知らず、彼の小説は読んだ事がありません。
本作は現実世界にありながらファンタジー要素が強く、タイムスリップを扱っている点でも注意が必要だと思います。
泣ける映画らしいが、確かに「はい、泣いて下さい」という演出があるけど、ハッキリ言って薄っぺらいと感じました。
この作品の醍醐味は点と点が線となってカタルシスを生み出すはずが、なぜかラストではまったく感じられなかった。
確かに点と点を線で結んでいるが、それはかなり強引に力業で結んでいるような印象でした。
もっとスムーズで分かりやすいパズルだったら素直に楽しめるが、強引に繋げているのが見え見えで気になりました。
それと一つ一つのエピソードのテンポが悪く、二番目の投函なんて果たして本作に必要だったのか疑うほど扱いが悪かったです。
二番目の投函は別になくても物語上では問題がない時点で、もはや意味を成していなかったと思います。
ハリウッドならもっとスマートな点と点の繋げ方をするだろうし、ムダなエピソードもバッサリ行くはずです。
邦画の悪いところはなんでかんでも詰め込んで、編集するという概念がないかのように平気で120分を超えてきます。
必要性のある120分ならばいいのですが、大抵の場合はいらないエピソードを詰め込んでいるせいだと個人的に思っています。
そんな本作も必要ないエピソードがあったし、現代の三人組とナミヤの店主との繋がりもかなり薄かったせいで強引に感じたのかもしれない。