アメリカではマーベル・コミック主導で展開される『マーベル・シネマティック・ユニバース』から成るスーパーヒーローたちが活躍する実写映画が成功を収めている。
それを追う形となるアメコミの老舗であるDCコミックスも『DCエクステンデッド・ユニバース』を展開させ、いよいよ本格的に盛り上げていこうとしている。
その中で日本は負けまいと漫画を原作にした実写映画を製作しています。
今回は脳内ミニシアター改的にオススメしたい作品たちを紹介します。
少女漫画の原作の実写化が多い理由
少年漫画と比べて、少女漫画というのは現実世界に近い世界設定であり、物語の中心になってくるのは恋愛や人生と言った誰でも体験するような作品が多い。
その為、ドラマ化や実写映画化しやすく、キャスティングの面でもやりやすいという利点を持っている上に、現実世界に直結している分、予算もかかりません。
映画の興行収入を大きく左右するのは女性層であり、特に若い女性を集客する事ができる少女漫画の原作は製作側からしても実現可能となります。
少女漫画は非常に細かい分類がある
少年漫画というのは非常に分かりやすく、ほとんどがバトル物が占め、スポーツや恋愛、それとギャグの順となっている。
しかし、少女漫画というのは主に青春ストーリーがほとんどであり、そこにスポーツやギャグが入ってくる感じである。
更に少女漫画は細かく分類され、幼児や低学年向け、少女向け、中高生向け、ハイティーン向け、ヤング女性向けと大まかにわかれています。
やはり、女性の感性というのはその年代によって違い、一本気な男性とはまったく違う。
今回は脳内ミニシアター改的に印象が強かった実写映画化作品を紹介します。
『のだめカンタービレ/最終楽章』
原作は女性漫画誌『Kiss』にて2001年14号から2010年17号まで連載されました。
クラシック音楽をテーマにした作品であり、フジテレビで「月9」の枠でテレビドラマとしてシリーズ化されました。
スペシャルドラマも製作され、様々な賞を獲得するなど、大ヒットしています。
更に韓国でもドラマ化されており、劇場版ではドラマ版の続編として製作されました。
とにかく、主人公の「のだめ」が素晴らしいキャラクターであり、そこに完璧超人の千秋とのコンビは絶妙でした。
もちろんだが、クラシック音楽をテーマにした作品だけに、その部分でも惹きつけられる。
天真爛漫で素直な「のだめ」が千秋に甘える場面は微笑ましい一方で、ピアノに向かった時の鋭い表情と奏でる完璧な音とのギャップがとても印象に残っています。
韓国版のドラマを未鑑賞だが、ストレートな韓国ドラマの表現ならば、原作との相性はバッチリかもしれません。
『NANA』
原作は隔月刊少女漫画雑誌『Cookie』にて2000年7月号から連載されています。
現在では休載状態になるが、伝説的な人気少女漫画として知られています。
タイトルから分かるように本作は「ナナ」と「奈々」の友情物語であり、その中に恋愛はもちろん、夢を追っていくサクセスストーリーも含まれています。
あくまで本作の主人公は二人のNANAで、両者の取り巻く環境が物語の中心となります。
テレビアニメ化されているが、やはり、なんと言っても実写映画化が最も話題となりました。
歌手で女優の中島美嘉と、人気若手女優の宮崎あおいのダブル主演、人気俳優の玉山鉄二や松田龍平の出演が大きく反響を呼びました。
とにかく、本物の歌手である中島美嘉が完全にナナとなって歌った「GLAMOROUS SKY」が強く印象に残っています。
ちなみに続編も作られているが、ナナを中島美嘉は続投するが、宮崎あおいが奈々を降板して代役に市川由衣が演じるが、前作を大きく下回る出来でした。
『ちはやふる』シリーズ
原作は女性漫画雑誌『BE・LOVE』にて2008年2号から連載されています。
競技かるたというマイナーな競技を題材にした作品でありながら、スポ根要素を含め、そこに友情や恋愛と言った青春ストーリーを展開させています。
テレビで見た事があるだろう競技かるただが、実際にどのような競技か知らない人が多く、本作は大きく影響を与えたという。
テレビアニメ化されているが、特に話題となった実写映画でしょう。
競技かるたはもちろんだが、主人公たちが試合で身につける袴姿が話題を呼び、なぜか「袴ブーム」が巻き起こっています。
この作品では競技かるたを丁寧に説明するだけじゃなく、青春のど真ん中を歩く登場人物たちの歓喜と涙の物語も非常に熱いです。
2018年3月17日に約2年ぶりの続編にして完結となる「結び」が公開され、その盛り上がりは最高潮に達しています。
まとめ
今回は少女漫画を実写映画化した作品を紹介しました。
まだまだ多くの実写映画化された少女漫画の作品は多いのですが、今回は筆者が記憶に強く残っている映画を紹介させて頂きました。
バトル物が多い少年漫画と違い、地に足を付けて現実的な恋愛や友情を中心に展開させていく少女漫画もまた日本の誇るべき文化の一つだと言えます。
悲しいかな少年漫画の実写映画が次々と討ち死にしている中、女性層だけじゃなく、男性の心を掴んでいる少女漫画原作の実写映画は今後もより躍進していくでしょう。
次回は『青年漫画編』を送りしますので、ご期待下さい。