ウォーム・ボディーズ RE-2486

作品紹介

公開年月  2013/02/01
ジャンル  ホラー/コメディ/ラブロマンス
原作  アイザック・マリオン 『ウォーム・ボディーズ/Rの物語』
監督  ジョナサン・レヴィン
脚本  ジョナサン・レヴィン
製作  デヴィッド・ホバーマン、ブルーナ・パパンドレア、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

近未来の地球、街にはゾンビがあふれ、生き残った人間は砦を築いて身を潜める日々。
ゾンビの中には完全に感情や思考能力を失った“ガイコツ”と呼ばれる成れの果てがいた。
そんな中、ゾンビのRは人間らしい感情を多く残しており、ある日、出会ったジュリーにひと目惚れする事に。
最初はRに恐怖を抱いていたジュリーだったが、次第に彼の純粋な気持ちに触れ、心を開いていくのだった。

登場人物&出演者

(演:ニコラス・ホルト)
主人公。ゾンビ。空港を住処にしているが、他と違って人間時代の記憶を多く持っている。
ニコラス・ホルトは近年の出演作に『X-MEN:アポカリプス』、『アウトバーン』があります。
腹が減ってMたちゾンビ仲間と街へ繰り出し、そこでペリーを襲って脳ミソを食う。
ペリーの記憶から人間らしさを取り戻していき、ひと目会ったジュリーをお持ち帰りする。
変化していくゾンビの代表格として、会話も徐々にスムーズとなって血色も良くなっていく。
最終的にムリヤリ敵として登場するガイコツたちを殲滅させるきっかけとなる重要な存在。

ジュリー(演:テリーサ・パーマー)
ヒロイン。父親がコミュニティのリーダーなので、他とは立場が違って特別な存在。
テリーサ・パーマーは近年の出演作に『ライト/オフ』、『トリプル9/裏切りのコード』などがあります。
冒頭で恋人のペリーが殺されるが、特に悲しむ様子がなく、Rがお持ち帰りする。
涙を流すが、それは失った恋人じゃなく、家に帰れないという薄情すぎるワガママ。
更にRが敵じゃないと知って、彼を手足のように動かしていく魔性な性格を発揮する。

M/マーカス(演:ロブ・コードリー)
ゾンビ。Rとは親友で記憶も微かに残し、単語だけの会話なら成立させる事ができる。
ロブ・コードリーは代表作に『ベガスの恋に勝つルール』、『SEXテープ』があります。
Rが空港に連れてきたジュリーを人間だと認識し、食うように促すも考え方が変わる。
なぜかRと同様に夢を見るようになり、最終的に人間と共存するようになる。

ペリー(演:デイヴ・フランコ)
ジュリーの恋人。グリジオ大佐の期待に応えよう医療道具の調達を任せられる。
デイヴ・フランコは代表作に『グランド・イリュージョン』シリーズ、『ネイバーズ』シリーズなどがあります。
威勢良く出てきたワリに、Rたちゾンビの襲撃であっさりと殺されるマヌケ。
オマケに脳ミソをRに食われて、ビッチなジュリーを横取りされる可哀想な人物。

ノラ(演:アナリー・ティプトン)
ジュリーの友人。ゾンビの世界じゃなければ、人を助ける看護師になろうと思っていた。
アナリー・ティプトンは代表作に『ラブ・アゲイン』、『LUCY/ルーシー』などがあります。
なぜかゾンビのRを瞬時に受け入れ、人間に似せる為に勝負用のメイク道具を貸す。

グリジオ大佐(演:ジョン・マルコヴィッチ』
ジュリーの父親で生き残った人間たちを束ねるコミュニティのリーダー的存在。
ジョン・マルコヴィッチは近年の出演作に『バーニング・オーシャン』、『REDリターンズ』などがあります。
ゾンビは殺す以外の価値はないという典型的な頭の堅い軍人として存在感を示す。
なぜか最後はヤングアダルト小説の超展開とご都合主義によって押し黙ってしまいます。

感想

個人的な評価

ゾンビ映画というのは多くの可能性を持った最高のジャンルだと思います。
製作側もゾンビを様々なジャンルと掛け合わせ、多くの作品を生み出している。
その中で本作は異色であり、ゾンビ視点で物語が始まっていくのです。
原作はアイザック・マリオンの小説『ウォーム・ボディーズ/ゾンビRの物語』である。
本作を鑑賞して思ったのは、原作はヤングアダルト小説じゃないかと感じた。
ハッキリ言って、ヤングアダルト小説を原作にした実写映画は総じても個人的にダメです。
基本はティーンの恋愛を中心に過酷な世界があるけど、物語は超展開とご都合主義を武器にして、主人公たちが世界を変えていく。
こういう説得力のない展開は個人的に嫌いで、甘い世界に浸った主人公たちが厳しい世界を見下げながら適当にやっていくのが本当に嫌いです。
『トワイライト・サーガ』、『ハンガー・ゲーム』、『ダイバージェント』、『メイズ・ランナー』はどれも合わなかったです。
本作も同じヤングアダルト小説だと思うので、なんだかゾンビというモノを汚された印象。
個人的に思うゾンビは、なってしまった時点で終わりで再生の道は必要ないと思います。
駆逐される存在で、恐怖を抱く存在で、雑魚であっても数の暴力で圧倒するのがゾンビです。
同じゾンビ視点の映画に『コリン/LOVE OF THE DEAD』があるけど、こちらはずっとゾンビのままで感情や言葉は持ちません。
ただ、45ポンド(6000円)で製作された事が話題になっただけで中身はクソでしたが。
本作はゾンビがヒロインの恋人の脳ミソを食って人間らしさを取り戻していく。
脳ミソを食うって聞いた時点で「バタリアンかよ!」と思ったりしました。
世間では評価が高い本作だが、これは女性の意見が多いのかもしれない。
普段、あまりゾンビ映画を鑑賞しない女性が恋愛映画として観て、更にイケメンのニコラス・ホルトがいれば問題ないでしょう。
だからゾンビ映画を知っている人こそ、本作は受け入れないかと思います。
こういうゾンビ映画が増えてしまったら、個人的に不愉快で悲しい気持ちになります。
やはり、ゾンビを救うには頭を撃ち抜く以外にない存在じゃないといけません。
愛の力でゾンビが人間に戻るとか、ヤングアダルト小説の超展開とご都合主義を分かりやすく提示した作品でした。