未来のミライ RE-2981

作品紹介

公開年月  2018/07/20
ジャンル  ファンタジー/ドラマ
原作  なし
監督  細田守
脚本  細田守
製作  齋藤優一郎、伊藤卓哉、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ある日、甘えん坊の男の子“くんちゃん”に初めての妹“ミライちゃん”ができる。
それまで両親の愛情を独占してきたくんちゃんはどうにも納得がいかず、そんな時に庭で“お兄ちゃん”と呼ぶセーラー服の少女と出会う。
彼女はなんと未来からやって来たミライちゃんで、くんちゃんは時を超えた家族の物語へ旅立つのだった。

登場人物&出演者

くんちゃん(声:上白石萌歌)
主人公。両親に甘える4歳の男の子。電車が大好きでオモチャをたくさん持っている。
上白石萌歌は本作がアニメーション映画デビュー作となります。
ミライちゃんが来て興味津々で見ていたが、両親を奪われて妹に嫉妬してしまう。
妹を泣かせて庭に出て行くが、そこで謎の男に出会って、中学生のミライにも出会う。
何かと問題があると庭のカシの木を伝って過去へ行き、家族の人生を見て成長していく。
最後は自分の時代に戻ると、それまで嫌っていた妹のミライを認めて一緒に出かけた。

成長したミライちゃん(声:黒木華)
未来からやって来たくんちゃんの妹。くんちゃんの嫉妬でいつも痛い目に遭っていた。
黒木華は代表作に『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』などがあります。
カシの木によって、4歳のくんちゃんの前に現れて出しっぱなしのひな人形を片付けを願う。
拒絶するくんちゃんに「ハチゲーム」を敢行し、なんとか手伝わせて片付けに成功する。
何かと時代を駆けていくくんちゃんの前に現れると、小さな積み重ねの大事さを教えていく。
最後は自分の時代に戻ってミライのくんちゃんを見せ、彼に家族の大切さを教えた。

おとうさん(声:星野源)
くんちゃんとミライちゃんの父親。建築家。家を改築しているが普通と違う間取りになる。
星野源は代表作に『聖☆おにいさん』、『夜は短し歩けよ乙女』などがあります。
遊び盛りのくんちゃんの面倒もそうだが、ミライに付きっきりのおかあさんの代役を務める。
近所の奥さんたちに良い顔を見せるが、それを見ていたあかあさんに見透かされていた。
ミライが生まれるまで仕事に逃げていたが、今回は家事を手伝うべく心機一転した。
最後は家族で出かける時、おとうさんらしくなったとおかあさんから認められる事になる。

おかあさん(声:麻生久美子)
くんちゃんとミライちゃんの母親。家事と育児で忙しくてもしっかりと面倒を見ている。
麻生久美子は代表作に『カラフル』、『バケモノの子』などがあります。
ミライを生んだばっかりで疲れが溜まっているが、付きっきりでずっと赤ん坊を見ている。
早くも職場復帰を考えていて、おとうさんに仕事と家事を両立させるようと奮闘させる。
子供の頃は散らかし放題に母親に怒られていたが、結婚してから整理整頓できるようになる。
最後は家族で出かける時、自分が母親になって落ち着いたとおとうさんに言われていた。

・謎の男/ゆっこ(声:吉原光夫)
妹ができて両親を奪われたくんちゃんが嫉妬で泣かせ、庭に逃げてきた時に姿を現した。
吉原光夫は代表作に『美女と野獣/2017年版』などがあります。
庭の王子だと称してくんちゃんの前に姿を現し、尻尾を奪われて犬に変身させてしまう。
再びくんちゃんが庭に来て中学生のミライに会い、一緒にひな人形を片付ける事に。
人間の姿ではくんちゃんに饒舌なまで話しをしており、おいしいエサをもらうようになる。
最後はケンカしても仲良しなくんちゃんの両親を見て人間の言葉で一言言っていた。

青年(声:福山雅治)
カシの木によって過去に飛ばされたくんちゃんが出会った青年。バイクの修理の最中だった。
福山雅治は代表作に『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団/はばたけ天使たち』があります。
左足を引きずるような障害を持っているが、それは戦争で船が沈んで一人助かった時の傷。
やって来たくんちゃんを快く出迎え、最初は馬に乗せて次にバイクに乗せて楽しませた。
実はくんちゃんの曾祖父で去年亡くなっていて、それを知らずに「おとうさん」と口にした。
最後は自分の時代に帰るくんちゃんが曾祖母との出会いを見て、小さな積み重ねを知る。

感想

個人的な評価

本作は『カンヌ国際映画祭』にてプレミア上映され、「監督週間」でアニメーションとして唯一の招待作品となります。
監督、脚本、原作を務めるのは『サマーウォーズ』や『バケモノの子』などで知られている細田守となります。
とにかく、本作は世界的にも評価されている細田守監督の作品として一応の期待をしました。
しかし、本作は映画賞に上映された作品は微妙というクソ映画に当てはまるパターンを発動してしまいました。
せっかくのアニメ映画なので壮大なストーリーを期待したら、まさかの平凡な家族の物語をファンタジックに演出しているだけでした。
もっと夢のある物語を期待したのに、なんの変哲もない特別でもない家族の長男の退屈なファンタジーを見せられた気分です。
未来から登場した妹は重要な意味があると思ったら、別に普通の家庭でもあるような長子が生まれたばかりの次子に嫉妬させない事を手伝うだけでした。
そもそも、未来のミライが登場したエピソードにほとんど意味や繋がりがあまりなく、特に最初のひな人形なんて無意味すぎた。
一応、主人公であるくんちゃんが妹を認める為のエピソードになるけど、ここまで脈絡もないエピソードは完全なる監督の趣味としか思えない。
それに本作は4歳児に難しい事を言っても理解するか分からないし、理解したとしてもずっと覚えているワケでもない。
本作は子育ての大変を伝えたい映画なのか、家族の大切さを伝えたいのか、どちらにしてもテーマとして物語への反映が非常に薄い。
アニメ映画というのはもっと色々な可能性を追求できるのに、なぜ退屈なストーリーを選んだのか理解に苦しむ。
確かに映像としてはなかなか良く魅力的だが、これを際立たせるストーリーやキャラクターがないのは残念すぎました。
ファンタジックな展開だけで基本的に退屈な4歳児の日常を見せられても、誰が楽しめるのか謎すぎました。
それと主人公のくんちゃんの声を務めた上白石萌歌の声はまったく合っておらず、最後まで違和感で足を引っ張っていました。
ここまでの技術のムダ使いは久しぶりで、ここまでストーリーやキャラクターが足を引っ張っている作品もまた珍しいです。